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所得税法等の改正(会社法の制定関係)に伴う所得税基本通達等の一部改正について
(25項目)―国税庁が平成19年3月5日に公表

会社法の制定に伴う所得税法等の改正(平成18年法律第10号ほか)を踏まえ、平成18年12月19日付課個2−18ほか2課共同「『所得税基本通達の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)及び平成18年12月26日付課個2−23ほか1課共同「『租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて』の一部改正について」(法令解釈通達)により、所得税の取扱いに関して所要の改正を行ったところである。
○ 法令解釈通達及びその解説等
1 所得税基本通達
(1)  社債の範囲
(2)  剰余金の配当、利益の配当又は剰余金の分配に含まれるもの
(3)  配当等に含まれないもの
(4)  法人が株主に交付した株式に対する課税関係
(5)  転換社債型新株予約権付社債の権利行使により取得した株式の負債の利子
(6)  一時所得の例示
(7)  株式等を取得する権利を与えられた場合の所得区分
(8)  株式等を取得する権利を与えられた場合の所得の収入すべき時期
(9)  株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額である場合
(10) 株主等として与えられた場合
(11) 株式等を取得する権利の価額
(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期
(13) 有価証券の評価
(14) 信用取引に係る配当落調整額等
(15) 発行法人から与えられた株式等を取得する権利の行使により取得した株式等の価額
(16) 株主等として与えられる場合
(17) 有価証券の購入のために要した費用
(18) 新株の引受権を譲渡した場合の取得価額
(19) 無償減資があった場合の株式の取得価額
(20) 新株予約権の行使により取得した株式の取得価額
(21) 新株予約権付社債に係る新株予約権の行使により取得した株式の取得価額
(22) 貸金等の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ
(23) 役員が未払賞与等の受領を辞退した場合
2 租税特別措置法に係る所得税の取扱い
(1) 中間配当の支払をしなかった事業年度に係る利益の配当の計算の基礎となった期間
(2) 法人が剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行している場合
(1)  社債の範囲(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
2―11
法第2条第1項第9号に規定する社債とは、株式会社が会社法(平成17 年法律第86 号)その他の法律の規定により発行する債券及び会社以外の内国法人が特別の法律により発行する債券並びに外国法人が発行する債券でこれらに準ずるものをいうのであるから、債券の発行につき法律の規定をもたない会社以外の内国法人が発行するいわゆる学校債又は組合債のようなものは、これに該当しない。
(注) いわゆる学校債、組合債等の利子は、雑所得に該当する。
【解 説】
社債の利子に係る所得は利子所得とされるのであるが、この社債には、株式会社が会社法その他の法律の規定により発行する債券のほか「会社以外の法人が特別の法律により発行する債券を含む。」こととされている(所法23@、所法2@九)。
本通達は、当該債券の発行につき法律の規定をもたない、いわゆる学校債や組合債のようなものは所得税法第2 条第1 項第9 号に定める社債には含まれないことを明らかにしたもの。
なお、学校債や組合債等の利子に係る所得は、雑所得に該当する(所基通35−1(2))。
【参 考】
会社法では、社債とは、会社法の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、会社法第676 条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいうこととされた(会社法2@二十三)。
(2)  剰余金の配当、利益の配当又は剰余金の分配に含まれるもの(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
24―1
法第24条第1項に規定する「剰余金の配当(株式又は出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割(同条第12号の9に規定する分割型分割をいう。以下この項において同じ。)によるものを除く。)、利益の配当(資産の流動化に関する法律第115条第1項(中間配当)に規定する金銭の分配を含むものとし、分割型分割によるものを除く。)、剰余金の分配(出資に係るものに限る。)」には、剰余金又は利益の処分により配当又は分配をしたものだけでなく、法人が株主(出資者を含む。以下24―2までにおいて同じ。)に対しその株主である地位に基づいて供与した経済的な利益が含まれる。
【解 説】
配当所得とは、法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、基金利息並びに投資信託及び特定目的信託の収益の分配に係る所得とされている(所法24@)。
本通達は、当該配当所得を構成する剰余金の配当や利益の配当、剰余金の分配には、法人が剰余金又は利益の処分により配当又は分配をしたものだけでなく、法人が株主又は出資者に対しその株主又は出資者である地位に基づいて供与した経済的な利益も含まれることを明らかにしたもの。
【参 考】
会社法では、旧商法における配当及び金銭の分配(中間配当)だけでなく、資本金又は準備金の額の減少に伴い発生した剰余金を原資として、その効力発生後において株主に金銭等の分配を行う行為も、剰余金の配当の概念に含まれる。
また、株式会社は、剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって一定の事項を定めることにより(会社法454@)、期中いつでも、何度でも剰余金の配当をすることができることとされた。
(注) 一定の要件を満たした会計監査人設置会社については、剰余金の配当等を取締役会で決定できる旨の定款の定めを置く特則が設けられている(会社法459)。
(3)  配当等に含まれないもの(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
24―2
法人が株主に対してその株主である地位に基づいて供与した経済的な利益であっても、法人の利益の有無にかかわらず供与することとしている次に掲げるようなもの(これらのものに代えて他の物品又は金銭の交付を受けることができることとなっている場合における当該物品又は金銭を含む。)は、法人が剰余金又は利益の処分として取り扱わない限り、配当等(法第24 条第1項に規定する配当等をいう。以下同じ。)には含まれないものとする。
(1) 旅客運送業を営む法人が自己の交通機関を利用させるために交付する株主優待乗車券等
(2) 映画、演劇等の興行業を営む法人が自己の興行場等において上映する映画の観賞等をさせるために交付する株主優待入場券等
(3) ホテル、旅館業等を営む法人が自己の施設を利用させるために交付する株主優待施設利用券等
(4) 法人が自己の製品等の値引販売を行うことにより供与する利益
(5) 法人が創業記念、増資記念等に際して交付する記念品
(注) 上記に掲げる配当等に含まれない経済的な利益で個人である株主が受けるものは、法第35 条第1項((雑所得))に規定する雑所得に該当し、配当控除の対象とはならない。
【解 説】
配当所得を構成する剰余金の配当や利益の配当、剰余金の分配には、法人が株主又は出資者に対しその株主である地位に基づいて供与した経済的な利益も含まれるのであるが(所基通24−1)、本通達は、法人が株主等の地位に基づいて供与した経済的な利益であっても、法人の利益の有無にかかわらず供与するものは、配当所得を構成する剰余金の配当や利益の配当、剰余金の分配には含まれないことを例示的に明らかにしたもの。
【参 考】 昭和35年10月7日最高裁第二小法廷判決(抜粋)
「…所得税法中には、利益配当の概念として、とくに、商法の前提とする、取引社会における利益配当の観念と異なる観念を採用しているのと認むべき規定はないので、所得税法もまた、利益配当の概念として、商法の前提とする利益配当の観念と同一観念を採用しているものと解するのが相当である、従って、所得税法上の利益配当とは、必ずしも、商法の規定に従って適法になされたものにかぎらず、商法が規則の対象とし、商法の見地からは不適法とされる配当(たとえば蛸配当、株主平等の原則に反する配当等)の如きも、所得税法上の利益配当のうちに含まれるものと解すべきことは所論のとおりである。しかしながら、原審の確定する事実によれば、本件の株主優待金なるものは、損益計算上利益の有無にかかわらず支払われるものであり株金額の出資に対する利益金として支払われるものとのみは断定し難く、前記取引社会における利益配当と同一性質のものであるとはにわかに認め難いものである。」
(4)  法人が株主に交付した株式に対する課税関係(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
24―3
削除
【解 説】 改正前の本通達は、法人が株主に交付した株式に対する課税関係について明らかにしたもの。
【改正の趣旨等】 会社法では、法人が剰余金の配当として当該配当を行う株式会社の株式等(以下「自己株式」という。)を株主に交付することができないことが明確化された(会社法454@一)ことから、本通達を削除した。
なお、剰余金の配当として法人が保有する自己株式以外の株式を株主に交付する場合、又は法人が所得税法第25 条第1 項各号((配当等とみなす金額))に規定する理由により株式を交付した場合については、当該株式の時価によって配当所得に係る収入金額を計算することとされる(所法36A)。
【参 考】 会社法(抄)
(剰余金の配当に関する事項の決定)
第454 条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額
二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日
2〜5 省略
(5)  転換社債型新株予約権付社債の権利行使により取得した株式の負債の利子(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
24―11
削除
【解 説】
配当所得の計算において、株式その他配当所得を生ずべき元本を取得するために要した負債の利子(一定のものを除く。)でその年中に支払うものがある場合には、当該配当等の収入金額から、その支払う負債の利子の額のうちその年においてその元本を有していた期間に対応する部分の金額の合計額を控除することとされている(所法24A)。
転換社債型新株予約権付社債は、利子所得を生ずべき元本であり、配当所得を生ずべき元本ではないが、新株予約権の行使をした後は、配当所得を生ずべき元本となる。
旧商法では、株式の配当金を計算する場合に、その発行法人の定款の定めによって、新株予約権の権利行使のあった日の属する事業年度又はその直前の事業年度の終了の日において当該権利行使があったものとして計算できることとされていた(旧商法280ノ20A十一)。
改正前の本通達は、転換社債型新株予約権付社債の権利行使により取得した株式の負債の利子について、当該旧商法に準じた取扱いを示したもの。
【改正の趣旨等】
会社法では、剰余金の配当は、配当の支払に係る基準日における株主の有する株式の数(剰余金の配当に関して内容の異なる種類株式を発行している場合は、種類株式ごとに各種類株式の数)に応じて配当財産を割り当てることとされ(会社法454@二、B)、上記の旧商法の取扱いに関する規定が設けられていないことから、本通達を削除した。
【参 考】
(6)  一時所得の例示(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
34―1
次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(1) 懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)
(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等
(3) 労働基準法第114 条((付加金の支払))の規定により支払を受ける付加金
(4) 令第183 条第2項((生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算))に規定する生命保険契約等に基づく一時金(業務に関して受けるものを除く。)及び令第184 条第4項((損害保険契約等に基づく満期返戻金等))に規定する損害保険契約等に基づく満期返戻金等
(5) 法人からの贈与により取得する金品(業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。)
(6) 人格のない社団等の解散により受けるいわゆる清算分配金又は脱退により受ける持分の払戻金
(7) 借家人が賃貸借の目的とされている家屋の立退きに際し受けるいわゆる立退料(その立退きに伴う業務の休止等により減少することとなる借家人の収入金額又は業務の休止期間中に使用人に支払う給与等借家人の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額及び令第95 条((譲渡所得の収入金額とされる補償金等))に規定する譲渡所得に係る収入金額に該当する部分の金額を除く。)
(注)1 収入金額又は必要経費に算入される金額を補てんするための金額は、その業務に係る各種所得の金額の計算上総収入金額に算入される。
(注)2 令第95 条に規定する譲渡所得に係る収入金額に該当する立退料については、33―6参照。
(8) 民法第557 条((手付))の規定により売買契約が解除された場合に当該契約の当事者が取得する手付金又は償還金(業務に関して受けるものを除く。)
(9) 法第42 条第1項((国庫補助金等の総収入金額不算入))又は第43 条第1項((条件付国庫補助金等の総収入金額不算入))に規定する国庫補助金等のうちこれらの規定の適用を受けないもの及び第44 条((移転等の支出に充てるための交付金の総収入金額不算入))に規定する資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうちその交付の目的とされた支出に充てられなかったもの
(10) 遺失物拾得者又は埋蔵物発見者が受ける報労金
(11) 遺失物の拾得又は埋蔵物の発見により新たに所有権を取得する資産
(12) 地方税法第41 条第1項((個人の道府県民税の賦課徴収))、同法第321 条第2項((個人の市町村民税の納期前の納付))及び同法第365 条第2項((固定資産税に係る納期前の納付))の規定により交付を受ける報奨金(業務用固定資産に係るものを除く。)
(注) 発行法人から株式等を取得する権利を与えられた場合(株主等として与えられた場合(23〜35 共―8参照)を除く。)の経済的利益の所得区分については、23〜35 共―6参照。
【解 説】
一時所得は、営利を目的とする継続的行為から生ずる所得以外の一時の所得で、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価たる性質を有しない、臨時的、偶発的に発生する所得であり、本通達は、当該一時所得に該当する所得を例示的に示したもの。
(7)  株式等を取得する権利を与えられた場合の所得区分(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
23〜35共―6
発行法人から令第84 条各号((株式等を取得する権利の価額))に掲げる権利を与えられた場合(同条の規定の適用を受ける場合に限る。以下23〜35 共―6の2において同じ。)の当該権利の行使による株式(これに準ずるものを含む。以下23〜35 共―9までにおいて同じ。)の取得に係る所得区分は、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次による。
(1) 令第84 条第1号又は第2号に掲げる権利を与えられた取締役又は使用人がこれを行使した場合
給与所得とする。ただし、退職後に当該権利の行使が行われた場合において、例えば、権利付与後短期間のうちに退職を予定している者に付与され、かつ、退職後長期間にわたって生じた株式の値上り益に相当するものが主として供与されているなど、主として職務の遂行に関連を有しない利益が供与されていると認められるときは、雑所得とする。
(2) 令第84 条第3号又は第4号に掲げる権利を与えられた者がこれを行使した場合
発行法人と当該権利を与えられた者との関係等に応じ、それぞれ次による。
イ 発行法人と権利を与えられた者との間の雇用契約又はこれに類する関係に基因して当該権利が与えられたと認められるとき(1)の取扱いに準ずる。
(注) 例えば、措置法第29 条の2第1項((特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等))に規定する「取締役等」の関係については、雇用契約又はこれに類する関係に該当することに留意する。
ロ 権利を与えられた者の営む業務に関連して当該権利が与えられたと認められるとき 事業所得又は雑所得とする。
ハ イ及びロ以外のとき 原則として雑所得とする。
(3) 令第84 条第5号に掲げる権利を与えられた者がこれを行使した場合
一時所得とする。ただし、当該発行法人の役員又は使用人に対しその地位又は職務等に関連して株式を取得する権利が与えられたと認められるときは給与所得とし、これらの者の退職に基因して当該株式を取得する権利が与えられたと認められるときは退職所得とする。
(注)(1)及び(2)の取扱いは、発行法人が外国法人である場合においても同様であることに留意する。
【解 説】
会社法における新株予約権制度は、旧商法における当該制度に比し、その権利の付与方法が多様化し、様々な形態での発行が可能とされた。
本通達は、発行法人から所得税法施行令第84 条各号に掲げる権利を与えられた場合(同条の規定の適用を受けるものに限る。)の当該権利の行使による株式等の取得に係る所得区分を明らかにしたもの。
(1) 所得税法施行令第84 条第1号又は第2号に規定する各制度は、株主総会の決議及び取締役等との間で締結される付与契約に基づき、取締役等に対し、一定期間、あらかじめ定められた価額でその法人の自社株式の購入又は引渡しに係る権利を付与するという制度であり、この制度は取締役等の業績向上へのインセンティブとして機能することを期待して使われるものである。
したがって、当該各制度の下における各権利の付与に係る経済的利益は、一種の成功報酬としての性質を有するとともに、その取締役等の地位又は職務等に関連して与えられたものであると解されることから、所得税法上は、原則として、給与所得(雇用契約又はこれに類する関係に基因する所得)に該当するものとする。
(2) 所得税法施行令第84 条第3 号又は第4 号に規定する各権利を付与するのは、一般的には、被付与者から何らかの見返りを得ること等を目的とするものであると考えられることから、次のとおり、当該発行法人の付与目的、被付与者との関係等に応じて所得区分を判定する。
@ 発行法人と被付与者との間に雇用契約又はこれに類する関係があり、それに基因して付与されたと認められる場合(例えば、親会社が一定の関係にある子会社の取締役等に付与する場合など)には、従来の新株引受権等と同様に、給与所得(又は雑所得)に該当するものとする。
A 発行法人と被付与者との間に取引関係等があり、有利な取引条件の確保や円滑な取引関係の維持等のために付与したと認められる場合(例えば、融資先や仕入先、経営コンサルタント、顧問弁護士等であることに関連して付与された場合や取引会社の取締役等であることに基因して付与された場合など)には、事業所得又は雑所得に該当するものとする。
B 上記@及びA以外の場合(被付与者の相続人が権利行使する場合を含む。)には、権利行使時に課税される経済的利益は、実質的に長期間の株式の値上がり益に相当するものであり、一般的には、新株予約権の付与は何らかの見返りを期待して行われるものであるとともに、被付与者においては株価の変動状況等をみて権利行使をするか否かの決定を行うものであることから、臨時・偶発的な所得とは認められず、原則として雑所得に該当するものとする。
(3) 発行法人から取締役、監査役等の役員又は使用人が株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額である株式を取得する権利を与えられた場合(第三者割当等を受けた場合)には、その役員又は使用人は発行法人である使用者から当該役員又は使用人たる地位に基づいて当該権利を与えられたものであることから、当該権利に係る経済的利益は給与所得とし、また、退職に基因して当該権利を与えられた場合には退職所得とする。
【改正の趣旨等】
(1) 会社法において設けられた新株予約権の制度は、旧商法における新株予約権の制度に比し、当該権利の付与方法が多様化し、様々な形態での発行が可能とされた。
例えば、金銭の払込みに代えて役務提供に係る債権との相殺をもって新株予約権を発行するような場合では、その新株予約権につき金銭の払込みがないとしても会社法上特に有利な条件に該当しないケースもあり、従来のように新株予約権の無償発行が必ずしも有利な発行にならないこととされている。なお、これに伴い、会社法に規定する新株予約権で、所得税法施行令第84 条の対象となるものは、その新株予約権を付与される者に特に有利な条件若しくは金額であることとされるもの又は役務の提供その他の行為による対価の全部若しくは一部であることとされるものとされた(所令84 四)。
(2) 会社法では、旧商法における新株発行と自己株式の処分が「募集株式の発行等」とし規定され(会社法199)、所得税法施行令第84 条第5号の改正において、「新株」を「株式」とする用語の整理が行われた。
(8)  株式等を取得する権利を与えられた場合の所得の収入すべき時期(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
23〜35 共―6の2
発行法人から令第84 条各号に掲げる権利を与えられた場合の当該権利に係る所得の収入金額の収入すべき時期は、当該権利の行使により取得した株式の取得についての申込みをした日による。ただし、同条第5号に掲げる権利を与えられた者がこれを行使した場合において、当該権利に係る株式の取得についての申込みをした日が明らかでないときは、当該株式についての申込期限による。
なお、株式を取得する権利を与えられた者が当該株式の取得について申込みをしなかったこと若しくはその申込みを取り消したこと又は払込みをしなかったことにより失権した場合には、課税しない。
【解 説】
本通達は、所得税法施行令第84 条各号に掲げる権利を与えられた場合(同条の規定の適用を受けるものに限る。)の当該権利に係る所得の収入金額の収入すべき時期等について、@権利行使の日とは取得について申込みをした日であること、A申込みをしなかった場合等には課税しないことを明らかにしたもの。
(9)  株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額である場合(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
23〜35 共―7
令第84条第5号に規定する「株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額である場合」とは、その株式と引換えに払い込むべき額を決定する日の現況におけるその発行法人の株式の価額に比して社会通念上相当と認められる価額を下る金額である場合をいうものとする。
(注)1 社会通念上相当と認められる価額を下る金額であるかどうかは、当該株式の価額と当該株式と引換えに払い込むべき額との差額が当該株式の価額のおおむね10%相当額以上であるかどうかにより判定する。
(注)2 株式と引換えに払い込むべき額を決定する日の現況における株式の価額とは、決定日の価額のみをいうのではなく、決定日前1月間の平均株価等、当該株式と引換えに払い込むべき額を決定するための基礎として相当と認められる価額をいう。
【解 説】
発行法人から株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額である株式を取得する権利を与えられた場合には、株主等として与えられた場合(他の株主等に損害を及ぼすおそれのあるものを除く。)を除き、その権利に基づく払込み又は給付の期日(払込み又は給付の期間の定めがある場合には、その払込み又は給付をした日)の株式の価額から当該権利の取得価額に株式と引換えに払い込むべき額を加算した金額を控除した金額がその権利の価額とされる(所令84 五)。
本通達は、この「株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額である場合」について、株式の証券取引所への新規上場の場合における株式の価額の決定方法等をも考慮し、具体的に示したもの。
【改正の趣旨等】
会社法では、募集株式に係る決議事項に「募集株式の払込金額」(旧商法においては、「新株の発行価額」)が定められ(会社法199)、所得税法施行令第84 条第5号の改正において、「発行価額」を「払い込むべき額」として用語の整理が行われた。
(10) 株主等として与えられた場合(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
23〜35 共―8
令第84 条に規定する「株主等として与えられた場合(当該発行法人の他の同号に規定する株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合に限る。)」とは、同条に規定する権利が株主等のその有する株式の内容及び数に応じて平等に与えられ、かつ、その株主等とその内容の異なる株式を有する株主等との間においても経済的な衡平が維持される場合をいうことに留意する。
(注) 例えば、他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合に該当するか否かの判定については、新株予約権無償割当てにつき会社法第322条の種類株主総会の決議があったか否かのみをもって判定するのではなく、その発行法人の各種類の株式の内容、当該新株予約権無償割当ての状況などを総合的に勘案して判断する必要があることに留意する。
【解 説】
発行法人から所得税法施行令第84 条各号に掲げる権利で当該権利の譲渡についての制限その他特別の条件が付されているものを与えられた場合であっても、その権利が株主等として与えられた場合(一定の場合に限る。)には、同条の適用はない。
本通達は、この「株主等として与えられた場合」について、会社法第109 条第1 項((株主の平等))に規定するいわゆる株主平等原則により平等に与えられた場合をいうことを明らかにしたもの。
また、会社法では、株主に対して新たに払込みをさせないで新株予約権の割当てをすることができる新株予約権無償割当て制度が創設された(会社法277)。このことから、例えば、二以上の種類の株式を発行する会社において、ある種類の株式を有する株主のみに対し会社法第277 条に規定する新株予約権無償割当てが行われた場合において、当該種類の株式と異なる種類の株式に他の種類の株式への転換条件の変更条項があるなど、各種類株主間の衡平を図るために必要な措置がなされるものについては「当該発行法人の他の同号に規定する株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合」に該当することになることを留意的に明らかにした。
【改正の趣旨等】
会社法では、「株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。」と規定され、いわゆる株主平等原則が明文化された(会社法109@)。
【参考1】
株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる(会社法108@)。
(1) 剰余金の配当
(2) 残余財産の分配
(3) 株主総会において議決権を行使することができる事項(議決権制限株式)
(4) 譲渡によるその種類の株式の取得についてその株式会社の承認を要すること(譲渡制限株式)
(5) その種類の株式について、株主がその株式会社に対してその取得を請求できること(取得請求権付株式)
(6) その種類の株式について、その株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること(取得条項付株式)
(7) その種類の株式について、その株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること(全部取得条項付種類株式)
(8) 株主総会(取締役会設置会社の場合は、株主総会又は取締役会)において決議すべき事項のうち、その決議のほか、その種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの(拒否権付種類株式)
(9) その種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること(役員選任権付種類株式)
【参考2】
種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、その行為は種類株主総会の決議がなければ、その効力が生じない(会社法322@)。
(1) 定款の変更(株式の種類の追加、株式の内容の変更、発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加に係る事項についてのものに限る。)
(2) 株式の併合又は株式の分割
(3) 会社法第185 条に規定する株式無償割当て
(4) その株式会社の株式を引き受ける者の募集(会社法第202 条第1 項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
(5) その株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(会社法第241 条第1 項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
(6) 会社法第277 条に規定する新株予約権無償割当て
(7) 合併
(8) 吸収分割
(9) 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
(10) 新設分割
(11) 株式交換
(12) 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得
(13) 株式移転
(11) 株式等を取得する権利の価額(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
23〜35 共―9
令第84条第1号から第4号までに掲げる権利の行使の日又は同条第5号に掲げる権利に基づく払込み又は給付の期日(払込み又は給付の期間の定めがある場合には、当該払込み又は給付をした日。以下この項において「権利行使日等」という。)における同条本文の株式の価額は、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次による。
(1) これらの権利の行使により取得する株式が証券取引所に上場されている場合
当該株式につき証券取引法第116条((売買取引高相場等の公表))の規定により公表された最終価格(同条の規定により公表された最終価格がない場合は公表された最終の気配相場の価格とし、同日に最終価格又は最終の気配相場の価格のいずれもない場合には、同日前の同日に最も近い日における最終価格又は最終の気配相場の価格とする。)による。なお、2以上の証券取引所に同一の区分に属する価格があるときは、当該価格が最も高い証券取引所の価格とする。
(2) これらの権利の行使により取得する新株(当該権利の行使があったことにより発行された株式をいう。以下この(2)及び(3)において同じ。)に係る旧株が証券取引所に上場されている場合において、当該新株が上場されていないとき
当該旧株の最終価格を基準として当該新株につき合理的に計算した価額とする。
(3) (1)の株式及び(2)の新株に係る旧株が証券取引所に上場されていない場合において、当該株式又は当該旧株につき気配相場の価格があるとき
(1)又は(2)の最終価格を気配相場の価格と読み替えて(1)又は(2)により求めた価額とする。
(4) (1)から(3)までに掲げる場合以外の場合 次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる価額とする。
イ 売買実例のあるもの 最近において売買の行われたもののうち適正と認められる価額
ロ 公開途上にある株式(証券取引所が内閣総理大臣に対して株式の上場の届出を行うことを明らかにした日から上場の日の前日までのその株式及び日本証券業協会が株式を登録銘柄として登録することを明らかにした日から登録の日の前日までのその株式)で、当該株式の上場又は登録に際して株式の公募又は売出し(以下この項において「公募等」という。)が行われるもの(イに該当するものを除く。) 証券取引所又は日本証券業協会の内規によって行われる入札により決定される入札後の公募等の価格等を参酌して通常取引されると認められる価額
ハ 売買実例のないものでその株式の発行法人と事業の種類、規模、収益の状況等が類似する他の法人の株式の価額があるもの 当該価額に比準して推定した価額
ニ イからハまでに該当しないもの 権利行使日等又は権利行使日等に最も近い日におけるその株式等の発行法人の1株又は1口当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額
(注) この取扱いは、令第354 条第2項((新株予約権の行使に関する調書))に規定する「当該新株予約権を発行又は割当てをした株式会社の株式の1株当たりの価額」について準用する。
【解 説】
所得税法施行令第84条第1 号から第4 号までに掲げる権利を付与された場合(同条の規定の適用を受けるものに限る。)の経済的利益の額は、権利行使時の株式の時価から各権利の取得価額に権利行使価額を加算した金額を控除した額とされている(所令84 一〜四)。
また、発行法人から同条第5号に掲げる権利を与えられた場合(同条の規定の適用を受けるものに限る。)の経済的利益の額は、その権利行使により取得した株式のその権利に基づく払込み又は給付の期日における価額から、当該権利の取得価額にその行使に際し払い込むべき額を加算した金額を控除した金額とされている。
本通達は、同条各号に掲げる権利の行使により取得する株式について、権利行使日や払込み又は給付の期日における当該株式の価額の具体的な評価の方法を明らかにしたもの。
【改正の趣旨等】
改正前所基通23〜35 共―9(2)については、店頭売買有価証券市場(いわゆる店頭登録市場)が証券取引所に関する免許の交付を受けて証券取引所となったことに伴い店頭登録市場及び店頭売買登録銘柄が存在しなくなったことから、削除した。
(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
36―4
配当所得の収入金額の収入すべき時期は、法第36 条第3項に規定するものを除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。
(1) 剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は基金利息(以下この項において「剰余金の配当等」という。)については、当該剰余金の配当等について定めたその効力を生ずる日。ただし、その効力を生ずる日を定めていない場合には、当該剰余金の配当等を行う法人の社員総会その他正当な権限を有する機関の決議があった日。
また、資産の流動化に関する法律第115 条第1項((中間配当))の規定による金銭の分配に係る取締役会の決議又は取締役の決定において、特にその決議又は決定の効力発生日(同項に規定する一定の日から3か月内に到来する日に限る。)を定めた場合には、当該効力発生日
(2) 投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)及び特定目的信託の収益の分配のうち、信託期間中のものについては収益計算期間の満了の日、信託の終了又は解約(一部の解約を含む。)によるものについてはその終了又は解約の日
(3) 法第25 条((配当等とみなす金額))の規定により配当等とみなされる金額については、それぞれ次に掲げる日
同条第1項第1号に掲げる合併によるものについては、その契約において定めたその効力を生ずる日。ただし、新設合併の場合は、新設合併設立会社の設立登記の日。
なお、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日
同条第1項第2号に掲げる分割型分割によるものについては、その契約において定めたその効力を生ずる日。ただし、新設分割の場合は、新設分割設立会社の設立登記の日。
なお、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日
同条第1項第3号に掲げる資本の払戻しによるものについては、資本の払戻しに係る剰余金の配当がその効力を生ずる日
同条第1項第3号に掲げる解散による残余財産の分配によるものについては、その分配開始の日。ただし、その分配が数回に分割して行われる場合には、それぞれの分配開始の日
ホ 同条第1項第4号に掲げる自己の株式又は出資の取得によるものについては、その法人の取得の日
ヘ 同条第1項第5号に掲げる出資の消却、出資の払戻し、社員その他の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻し又は株式若しくは出資を法人が取得することなく消滅させることによるものについては、これらの事実があった日
ト 同条第1項第6号に掲げる組織変更によるものについては、組織変更計画において定めたその効力を生ずる日。ただし、効力を生ずる日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日
(4) いわゆる認定配当とされるもので、その支払をすべき日があらかじめ定められているものについてはその定められた日、その日が定められていないものについては現実にその交付を受けた日(その日が明らかでない場合には、その交付が行われたと認められる事業年度の終了の日)
【解 説】
本通達は、配当所得の収入金額の収入すべき時期について、具体的に示したもの。
(1) 会社法では、株式会社は、剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならないこととされている(会社法454@)。したがって、会社法第453 条((剰余金の配当))に規定する剰余金の配当に係る配当所得の収入金額の収入すべき時期は、当該剰余金の配当がその効力を生ずる日による。
@ 配当財産の種類及び帳簿価額の総額
A 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
B 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日
※ 一定の要件を満たした会計監査人設置会社については、剰余金の配当等を取締役会が決定できる旨の定款の定めを置く特則が設けられている(会社法459)。
 一方、法人が行う利益の配当若しくは剰余金の分配又は基金利息に係る配当所得の収入金額の収入すべき時期は、当該配当又は分配をする法人の社員総会その他正当な権限を有する機関において決議のあった日による。
なお、資産の流動化に関する法律第115 条第1 項((中間配当))の規定による金銭の分配に係る取締役の決定において、特にその決定の効力発生日(同項に規定する一定の日から3 か月内に到来する日に限る。)を定めた場合には、当該効力発生日による。
(2) 投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)及び特定目的信託の収益の分配に係る配当所得の収入金額の収入すべき時期は、信託期間中のものについては収益計算期間の満了の日、信託の終了又は解約(一部の解約を含む。)によるものについてはその終了又は解約の日による。
(3) 所得税法第25 条((配当等とみなす金額))の規定により配当等とみなす金額に係る配当所得の収入金額の収入すべき時期については、それぞれ次に掲げる日による。
イ 同条第1 項第1 号に掲げる合併によるものについては、合併契約においてその効力が生ずる日を定めた場合にはその効力を生ずる日により、新設合併の場合には、新設合併設立会社の成立の日(設立登記の日)による。ただし、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日による。
なお、会社法では、会社が吸収合併する場合、吸収合併後に存続する会社が株式会社又は持分会社であるときは、吸収合併契約において、吸収合併がその効力を生ずる日を定めなければならないこととされており(会社法749@六、751@七)、また、二以上の会社が新設合併する場合、新設合併により設立する会社が株式会社又は持分会社であるときは、当該株式会社又は持分会社は、その成立の日(設立登記の日)において効力が生ずるものとされている(会社法49、754@、756@)
ロ 同条第1 項第2 号に掲げる分割型分割によるものについては、分割契約においてその効力が生ずる日を定めた場合にはその効力を生ずる日により、新設分割の場合は、新設分割設立会社の成立の日(設立登記の日)による。ただし、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日による。
なお、会社法では、会社が吸収分割する場合、吸収分割により一の会社(株式会社又は合同会社に限る。)が事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する会社が株式会社又は持分会社であるときは、吸収分割契約において、吸収分割がその効力を生ずる日を定めなければならないこととされており(会社法758 七、760 六)、また、一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割する場合、新設分割により設立する会社が株式会社又は持分会社であるときは、当該株式会社又持分会社は、その成立の日(設立登記の日)において効力が生ずるものとされている(会社法49、764@、766@)。
ハ 同条第1 項第3 号に掲げる資本の払戻しによるものについては、その資本の払戻しに係る剰余金の配当がその効力を生ずる日による。
ニ 同条第1 項第3 号に掲げる解散による残余財産の分配によるものについては、その分配開始の日による。ただし、その分配が数回に分割して行われる場合には、それぞれの分配開始の日による。
ホ 同条第1 項第4 号に掲げる自己の株式又は出資の取得によるものについては、その法人の取得の日による。
なお、会社法では、株式会社は、次に掲げる株式についてそれぞれ次に掲げる日にこれらの株式を取得するものとされている。
・ 取得請求権付株式についてはその株主からの請求の日(会社法167@)
・ 取得条項付株式については会社法第107 条第2 項第3 号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合(取得事由が生じた日にその株式の一部を取得することを定款で定めた場合)は、取得事由が生じた日と取得条項付株式の株主及び登録株式質権者に対する当該株式を取得する旨の通知の日又は公告の日から2週間を経過した日のいずれか遅い日)(会社法170@)
・ 全部取得条項付種類株式については株主総会の決議によって定めた取得日(会社法173@)
ヘ 同条第1 項第5 号に掲げる出資の消却、出資の払戻し、社員その他の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻し又は株式若しくは出資を法人が取得することなく消滅させることによるものについては、これらの事実があった日による。
ト 同条第1 項第6 号に掲げる組織変更によるものについては、組織変更計画におけるその効力の生ずる日による。ただし、効力を生ずる日前に金銭等(組織変更後の株式会社の株式又は持分会社の持分を除く。)が交付される場合には、その交付の日による。
なお、会社法では、株式会社から持分会社、又は持分会社から株式会社への組織変更をする場合には(持分会社の種類の変更は、定款の変更とされる(会社法638)。)、組織変更計画を作成することとされ、当該組織変更計画において、組織変更がその効力を生ずる日を定めなければならないこととされている(会社法743、744@九、746九)。
(4) いわゆる認定配当とされるもので、その支払をすべき日があらかじめ定められているものについてはその定められた日による。ただし、その日が定められていないものについては現実にその交付を受けた日(その日が明らかでない場合には、その交付が行われたと認められる事業年度の終了の日)による。
【参考1】みなし配当の範囲(所法25@)
※1 一定の取得とは、次の取得をいう(所法25@四、所令61@一〜七)
@ 取得請求権付株式に係る請求権の行使によりその取得の対価としてその取得をする法人の株式のみが交付される場合の取得請求権付株式の取得(所法57 の4B一)
A 取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその取得の対価としてその取得をされる株主等にその取得をする法人の株式のみが交付される場合(その取得の対象となった種類の株式のすべてが取得をされる場合には、その取得の対価としてその取得をされる株主等にその取得をする法人の株式及び新株予約権のみが交付される場合を含む。)の取得条項付株式の取得(所法57 の4B二)
B 全部取得条項付種類株式に係る取得決議によりその取得の対価としてその取得をされる株主等にその取得をする法人の株式のみが交付される場合又はその取得をする法人の株式及び新株予約権のみが交付される場合の全部取得条項付種類株式の取得(所法57 の4B三)
C 証券取引所の開設する市場(外国有価証券市場を含む。)における購入
D 事業の全部の譲受け
E 合併又は分割若しくは現物出資(適格分割又は適格現物出資及び事業を移転し、かつ、その事業に係る資産にその分割又は現物出資に係る分割承継法人又は被現物出資法人の株式が含まれている場合のその分割又は現物出資に限る。)による被合併法人又は分割法人若しくは現物出資法人からの移転
F 合併に反対するその合併に係る被合併法人の株主等の買取請求に基づく買取り
G 会社法第192 条第1 項の規定による単元未満株式の買取り又は第234 条第4 項(同法第235 条第2 項の一に満たない端数の処理の規定又は他の法律において準用する場合を含む。)の規定による1 株に満たない端数の買取り
H その法人に対して取得請求権付株式を取得することを請求した株主に対する会社法第167 条第3 項に規定する1 株に満たない端数に相当する部分又は新株予約権を行使した新株予約権者に対する会社法第283条に規定する1 株に満たない端数に相当する部分の対価としての金銭の交付
※2 出資の消却とは、資産の流動化に関する法律の規定に基づく特定目的会社が行う出資の消却をいう。
※3 出資の払戻しとは、会社法第624 条に基づき持分会社が行う出資の払戻しをいう。
※4 社員その他の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻しとは、会社法第611 条に基づき持分会社が行う持分の払戻しなどをいう。
【参考2】みなし配当の課税関係
(13) 有価証券の評価(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
36―36
使用者が役員又は使用人に対して支給する有価証券(令第84 条各号に掲げる権利で同条の規定の適用を受けるもの及び法人税法第2条第14 号に規定する株主等として発行法人から与えられた株式(これに準ずるものを含む。)を取得する権利を除く。)については、その支給時の価額により評価する。この場合における支給時の価額については、23〜35 共―9及び昭和39 年4月25 日付直資56 ほか1課共同「財産評価基本通達」の第8章第2節((公社債))の取扱いに準じて評価する。
【解 説】
本通達は、使用者が役員又は使用人に対して支給する有価証券については、その支給時の価額(時価)よって評価することを明らかにするとともに、その支給時の価額の具体的な求め方を示したもの。
(14) 信用取引に係る配当落調整額等(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
36・37 共−23
信用取引に関し、株式の買付けを行った者が証券会社から支払を受けるべき次に掲げる金額は、当該買付けに係る株式の取得価額から控除するものとし、株式の売付けを行った者が証券会社に対し支払うべき次に掲げる金額は、当該売付けに係る株式の譲渡による収入金額から控除するものとする。
(1) 配当落調整額(信用取引に係る株式につき配当が付与された場合において、証券会社が売付けを行った者から徴収し又は買付けを行った者に支払う当該配当に相当する金銭の額をいう。)に相当する金額
(2) 権利処理価額(信用取引に係る株式につき、株式分割、株式無償割当て及び会社分割による株式を受ける権利、新株予約権又は新株予約権の割当てを受ける権利が付与された場合において、証券会社が売付けを行った者から徴収し又は買付けを行った者に支払う当該引受権に相当する金銭の額をいう。)に相当する金額
【解 説】
証券会社では、信用取引を行っている銘柄に係る株式につき、配当又は新株予約権などが付与された場合には、一定の方法により計算した配当落調整額又は権利処理価額に相当する金銭を、徴収し、又は交付することとしている。
また、配当落調整額又は権利処理価額に相当する金銭の徴収・交付は、実質的には、顧客が売付け又は買付けをした株式の売買価額の修正としての意味を有するものである。
本通達は、配当落調整額又は権利処理価額に相当する金銭の徴収・交付についてその徴収・交付の基因となった株式の取得価額又は収入金額の調整として取り扱うことを示したもの。
【改正の趣旨等】
配当落調整額などの権利の処理に関する取扱いを定めた「制度信用取引に係る権利の処理に関する規則」が平成18 年5 月1 日に改正されたことに伴い、用語の整理を行った。
(15) 発行法人から与えられた株式等を取得する権利の行使により取得した株式等の価額(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
48―2
令第109条第1項第2号((有価証券の取得価額))に規定する有価証券のその権利の行使の日(令第84 条第5号に掲げる権利の行使により取得した有価証券にあっては、当該権利に基づく払込み又は給付の期日(払込み又は給付の期間の定めがある場合には、当該払込み又は給付をした日))における価額は、23〜35 共―9により求めた価額とする。
【解 説】
発行法人から所得税法施行令第84 条第1 号から第4 号までに掲げる権利を付与された場合(同条の規定の適用を受けるものに限る。)の経済的利益の額は、権利行使時の株式の時価から各権利の取得価額に権利行使価額を加算した金額を控除した金額とされている(所令84 一〜四)。また、発行法人から同条第5 号に掲げる株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額による株式を取得する権利を与えられた場合の経済的利益の額は、当該権利に基づく払込み又は給付の期日(払込み又は給付の期間の定めがある場合には、その払込み又は給付をした日)における株式等の価額から当該権利の取得価額とその権利の行使の際に払い込むべき額の合計額を控除した金額とされている(令84 五)。
なお、同条各号に掲げる権利の行使により取得した株式等の取得価額は、当該権利の行使の日(同条第5 号に掲げる権利の行使により取得した株式等にあっては、当該権利に基づく払込み又は給付の期日)における価額とされる(令109@二)。
本通達は、この場合の株式等の取得価額とされる当該権利の行使の日(所得税法施行令第84 条第5 号に掲げる権利については当該権利に基づく払込み又は給付の期日)におけるその株式等の時価の評価方法を示したもの。
(16) 株主等として与えられる場合(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
48―2の2
令第109 条第1項第3号に規定する「株主等として与えられる場合(当該発行法人の他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合に限る。)」については、23〜35 共―8 の取扱いに準ずる。
(17) 有価証券の購入のために要した費用(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
48―3
令第109条第1項第4号に規定する「その他その有価証券の購入のために要した費用」とは、有価証券を購入するに当たって支出した謝礼金、交通費、通信費、名義書換料等をいう。
【解 説】
本通達は、有価証券の取得価額に含められる有価証券の購入のために要した付随費用の範囲を示したもの。
(18) 新株の引受権を譲渡した場合の取得価額(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
48―4
削除
【解 説】
改正前の本通達は、株主の地位に基づき割当てを受けた新株の引受権を譲渡した場合の所得金額の計算の基礎となる当該新株の引受権の取得価額について、株主割当て(増資)により取得した株式の取得価額の計算に準じて行うことを示したもの。
【改正の趣旨等】
旧商法における新株引受権制度は廃止されたが、会社法では同様のことが株式の割当てを受ける権利の付与(会社法202)や新株予約権無償割当て(会社法277)により行うことができることとされている。
新株予約権については、所得税法施行令第109 条第1 項において、新たな払込み又は給付を要しないで取得した新株予約権のうち、株主等として与えられた場合で他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められるときの新株予約権の取得価額は、零となること(同項第3 号)、また、株主等として与えられた場合で他の株主に損害を及ぼすおそれがあると認められるようなときの新株予約権の取得価額は、その取得の時における価額となること(同項第5 号)が明確化されたことから、本通達を削除した。
(19) 無償減資があった場合の株式の取得価額(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
48―5
削除
【解 説】
改正前の本通達は、資本金の額の減少(減資)のうち、無償減資があった場合にその減資の対象とされなかった株式の取得価額の計算について示したもの。
なお、有償減資があった場合に減資の対象とされなかった株式の取得価額の計算については、改正前の所得税法施行令第114 条第1 項において規定。
【改正の趣旨等】
会社法では、減資の決議事項から株式の消却が除外されたため、減資に際して株式の消却を行う場合、資本金の額の減少に係る決議と別に、自己株式の取得手続を行うこととなった。
また、旧商法における株式の消却は、自己株式の消却(旧商法212)と強制消却(旧商法213)とがあり、株主から株式を取得した上で消却する行為と、株主が株式を保有したままで消却する行為が並存していたが、会社法における株式の消却制度は、自己株式の消却のみとされた。
したがって、従前のように減資の決議事項に、株主への払戻しを行う場合はその払戻し額、株式の消却を行う場合はその株式の種類、数、消却の方法及び消却額を含めることはできなくなり、減資の決議に伴って株主が株式の取得価額の付替計算を行うという考え方はなくなったことから、本通達を削除した。
(20) 新株予約権の行使により取得した株式の取得価額(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
48―6の2
新株予約権の行使により取得した株式(発行法人から与えられた令第84 条第3号又は第4号に掲げる新株予約権で同条の規定の適用を受けるものの行使により取得したものを除く。)1 株当たりの取得価額は、次の算式により計算した金額によるものとする。
(算式)株式1株当たりの払込金額+(当該新株予約権の当該行使直前の取得価額÷当該行使により取得した株式の数
【解 説】
新株予約権の行使により取得した株式の取得価額については、所得税法施行令第109 条第1 項において規定されている。
また、その取得価額については、その払込みをした金銭の額に当該新株予約権の取得価額を加算した金額と規定されている(同項第1 号)。
本通達は、新株予約権の行使により取得した株式1 株当たりの取得価額の計算方法を留意的に示したもの。
(21) 新株予約権付社債に係る新株予約権の行使により取得した株式の取得価額(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
48―6の3
新株予約権付社債に係る新株予約権の内容として定められている新株予約権の行使に際して出資される財産の価額が当該新株予約権付社債の発行時の発行法人の株式の価額を基礎として合理的に定められている場合における当該新株予約権の行使により取得した株式1株当たりの取得価額は、次に定める算式により計算した金額によるものとする。
(算式)株式1株につき払い込むべき金額+(当該払込みに係る新株予約権付社債の当該行使直前の取得価額が当該払込みに係る新株予約権付社債の額面金額を超える場合のその超える部分の金額÷当該行使により取得した株式の数)
【解 説】
本通達は、新株予約権付社債についてその新株予約権を行使して取得した株式の取得価額の計算方法を示したもの。
新株予約権を行使する直前のその新株予約権付社債の取得価額がその新株予約権付社債の額面金額を超える場合に、その超える部分の金額を株式の取得価額に加算することとするのは、新株予約権付社債の取得価額の中には新株予約権の価額に相当する部分が含まれていることによるものである。新株予約権付社債の取得価額のうちその額面金額を超える部分の金額は、新株予約権が行使され株式が取得された場合には株式の取得価額に算入すべきであると解されることから、同金額は新株予約権の価額に相当するものとした。
【改正の趣旨等】
会社法では、新株予約権の行使に際し金銭の払込みを行う場合、新株予約権者は、新株予約権を行使する日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱い場所(金融機関払込取扱場所)において、その行使に係る新株予約権についての行使に際して出資される財産の価額(行使に際して払込むべき金額)の全額を払い込まなければならないとされた(会社法281@)。また、金銭以外の財産を行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、新株予約権を行使する日に、その行使に係る新株予約権についての金銭以外の財産を給付しなければならないこととされた(会社法第281A)。この場合、財産の価額が行使に際して出資される財産の価額(行使に際して払い込むべき金額)に足りないときは、銀行等の払込みの取扱い場所(金融機関払込取扱場所)においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならないとされた(会社法281A)。
改正前の本通達における代用払込み(金銭の払込みに代えて社債の償還金で払い込む方法)の考え方は、会社法では社債による現物出資と整理されるとともに、所得税法施行令第167 条の7第4 項第6 号において、新株予約権の行使があった場合の株式等の取得価額を「当該新株予約権付社債の取得価額」とする旨が規定された。
したがって、本通達の改正前の「(2)新株予約権付社債の発行価額をもって払込みがあったものとされた場合」の取扱いは削除した。
(22) 貸金等の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
51―11
貸金等について次に掲げる事実が発生した場合には、その貸金等の額のうちそれぞれ次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する年分の当該貸金等に係る事業の所得の金額の計算上必要経費に算入する。
(1) 会社更生法若しくは金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生計画認可の決定又は民事再生法の規定による再生計画認可の決定があったこと。 これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額
(2) 会社法の規定による特別清算に係る協定の認可の決定があったこと。 これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額
(3) 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で、次に掲げるものにより切り捨てられたこと。 その切り捨てられることとなった部分の金額
イ 債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの
ロ 行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの
(4) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その貸金等の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し債務免除額を書面により通知したこと。 その通知した債務免除額
【改正の趣旨等】
会社法の制定に伴い、特別清算手続の見直しが行われるとともに、旧商法における会社整理手続が廃止になった。
(23) 役員が未払賞与等の受領を辞退した場合(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
64―2
役員が、次に掲げるような特殊な事情の下において、一般債権者の損失を軽減するためその立場上やむなく、自己が役員となっている法人から受けるべき各種所得の収入金額に算入されるものでまだ支払を受けていないものの全部又は一部の受領を辞退した場合には、当該辞退した金額につき法第64 条第1項の規定の適用があるものとする。
(1) 当該法人が会社法の規定による特別清算開始の命令を受けたこと。
(2) 当該法人が破産法の規定による破産手続開始の決定を受けたこと。
(3) 当該法人が民事再生法の規定による再生手続開始の決定を受けたこと。
(4) 当該法人が会社更生法又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生手続の開始決定を受けたこと。
(5) 当該法人が事業不振のため会社整理の状態に陥り、債権者集会等の協議決定により債務の切捨てを行ったこと。
【改正の趣旨】
会社法の制定に伴い、特別清算手続の見直しが行われるとともに、旧商法における会社整理手続が廃止になった。
(1) 中間配当の支払をしなかった事業年度に係る利益の配当の計算の基礎となった期間(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
8の5―3
削除
【解 説】
旧商法では、事業年度を1 年とする会社は、定款において中間配当をする旨を定めている場合には、一事業年度につき1 回に限り取締役会の決議により中間配当を行うことができることとされており(旧商法293 の5)、この場合の中間配当及び決算配当に係る配当所得の計算の基礎となった期間は1年未満であるとしていた。
本通達は、当該会社が中間配当の支払をしなかった事業年度に係る利益の配当の基礎となった期間は1年以上であるものとして措置法第8 条の5 第1 項の規定を適用することを明らかにしたもの。
【改正の趣旨等】
会社法では、株式会社は、剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって一定の事項を定めることにより(会社法454@)、期中いつでも、何度でも剰余金の配当をすることができることとされた。
(注) 一定の要件を満たした会計監査人設置会社については、剰余金の配当等を取締役会が決定できる旨の定款の定めを置く特則が設けられている(会社法459)。
確定申告を要しない配当所得の金額基準は、配当計算期間(当該配当等の直前に当該内国法人から支払がされた配当等の支払に係る基準日の翌日から当該内国法人から支払がされる当該配当等の支払に係る基準日までの期間)を基に計算することとされた(措法8 の5@一)ことから、本通達を削除した。
(2) 法人が剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行している場合(アンダーラインを付した部分は改正部分である。)
8の5−3
内国法人が剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行している場合における法第8条の5第1項第1号に規定する「当該配当等の直前に当該内国法人から支払がされた配当等の支払に係る基準日」については、当該株式の種類にかかわらず、当該法人の直前に支払がされた配当等の支払に係る基準日をいうことに留意する。
また、この場合において、同項に規定する「一回に支払を受けるべき金額」についても、株式の種類にかかわらず、当該法人から支払を受ける剰余金の配当のうち、その基準日及びその効力を生じる日が同一の日であるものの総額により判定することに留意する。
【解 説】
二以上の異なる種類の株式(例えば、優先株と普通株)を発行している法人が、優先株についてのみ中間配当を行い、期末に優先株と普通株の双方について決算配当を行った場合において、その配当等の計算の基礎となった期間の判定については、その利益の配当に係る個々の株式について中間配当があったかどうかに関係なく、その利益の配当に係る事業年度の中間配当が支払われたかどうかによって行うものと解されることから、普通株の配当等の計算の基礎となった期間についても「1 年未満」として取り扱っていた(昭54 直法6−2)。
本通達は、少額配当の判定の基礎となる「配当等の支払に係る基準日」について、当該法人において内容の異なる二以上の種類の株式を発行している場合には、当該株式の種類にかかわらず、当該法人の直前に支払がされた配当等の支払に係る基準日をいうことを明らかにしたもの。
【改正の趣旨等】
旧商法に規定する金銭の分配(中間配当)はその計算の基礎となった期間が1 年未満であるとしていたが、会社法では期中いつでも(かつ何度でも)株主総会の決議によって剰余金の配当を行うことができるとされた(会社法454@)。
○ 直前の配当等の支払に係る基準日
株式の種類ごとに区別することなく、その内国法人が直前に支払った配当等に係る基準日を基に配当計算期間を算定する。
○ 一回に支払うべき金額
株式の種類にかかわらず、株式の発行法人ごとに、かつ、支払を受ける剰余金の配当のうちその基準日及びその効力を生ずる日が同一の日であるものごとに判定する。
【参 考】
一の株主が一の株式会社から種類の異なる株式に係る配当の支払を受ける場合で、その配当の支払に係る基準日と効力発生日が同一であるとき 普通株と種類株の配当計算期間はともに9 月30 日から3 月31 日までとなり、「一回に支払を受ける金額」は普通株と種類株を合計した金額(80,000 円)となる。
100,000 円×6/12=50,000 円<80,000 円(30,000 円+50,000 円)となり、少額配当には該当せず、確定申告が必要になる。
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