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規制改革・民間開放の推進に関する第3次答申【具体的施策122項目】
(平成18 年12 月25 日規制改革・民間開放推進会議が公表)

1 横断的制度等分野
(1)規制の横断的評価・見直し
@ 一定期間経過後見直し基準による見直しの推進【平成18 年度以降逐次実施】
A 規制にかかわる通知・通達等の分類について【平成18 年度以降逐次実施】
B 見直しの推進【平成18 年度以降逐次実施】
C 規制影響分析(RIA)の幅広い実施
D 「日本版ノーアクションレター制度」についての検討
(2)資格制度
@ 資格制度全般
A 個別資格に関する事項
B 法曹人口の拡大等
(3)官業民間開放
@ 資産・債務の圧縮等
A 検査・登録等
B 研究・研修等
C 施設の運営・管理等
(4)国地方等分野
@ 国の過剰関与の問題について
A 地方ごとに異なる規制の問題について
B 指定管理者の選定プロセスについて【平成18 年度中に措置】
2 福祉・保育分野
(1)保育分野
@ 「認定こども園」の活用促進
A 認可保育所における利用者との直接契約の導入等
B 利用者に対する直接補助方式の導入等
C 働き方の多様化等に応じた育児休業等の取得促進
(2)福祉分野
@ セーフティネットとしての生活保護業務の推進
3 雇用・労働分野
(1)労働契約法制の整備【次期通常国会に法案提出等所要の措置】
(2)労働時間法制の見直し等
(3)派遣労働をめぐる規制の見直し等
(4)雇用の流動化等に対応した環境整備
4 IT・エネルギー・運輸分野
(1)通信・放送分野
@ 公共放送としてのNHKの在り方について
A 放送事業に関する規制の見直し
B 通信事業における競争の促進
C 通信・放送の融合に対応した制度の整備
(2)エネルギー分野
@ 電気事業分野
A ガス事業分野
(3)運輸分野
@ 内航海運暫定措置事業【逐次実施】
A 羽田空港第4滑走路供用(2009 年)に際しての発着枠配分について【引き続き調査・検討】
5 競争政策・法務・金融分野
(1)競争政策
@ 金融分野における競争政策の一層の推進【平成19 年度措置】
A 企業結合に係る届出制度の見直し【平成19 年度検討】
(2)法務
@ 民法及び商法における法定利率制度の見直し【平成19 年度検討開始】
A 非公開会社(株式譲渡制限会社)が特定の株主から自己株式を取得する際に他の株主が自己を売主に追加することを請求することができる期間の見直しの要否【平成19 年度検討、平成20 年度結論】
(3)金融
@ 資本市場の監視機能の見直し
A 包括的な消費者信用法制の整備【平成19 年度検討】
B 協同組織金融機関(信用金庫・信用組合)に関する法制の見直し【平成19 年度検討開始】
C 各分野における個別事項【ア 預金取扱金融機関】
C 各分野における個別事項【イ 証券】
C 各分野における個別事項【ウ 保険】
6 生活・環境・流通分野
(1)環境分野
@ 廃棄物のエネルギー利用の推進【平成21 年度まで実施】
A 木くずの運用の明確化【平成19 年度中に措置】
B 都道府県及び市町村の指定制度の活用促進【平成19 年度中に措置】
(2)危険物保安分野
@ 大容量泡放射システムの性能規定化【平成19 年度中に措置】
7 国際経済連携分野
犯罪対策閣僚会議の下に設置された「外国人の在留管理に関するワーキングチーム」、及び内閣官房が主宰する「外国人労働者問題関係省庁連絡会議」において、関係各府省が相互に連携・協力して審議した結果や、個人情報保護に関係する法律や条例等の1 平成16 年9月の内閣総理大臣訪伯時にブラジル連邦共和国大統領との間で設置が決定され、17 年5月の同国大統領の訪日時に両首脳間がメンバーを発表し、発足した。
(1)在留外国人の入国後のチェック体制の強化
@ 外国人の在留に係る情報の相互照会・提供【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
A 外国人登録制度の見直し【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
B 使用者に対する責任の明確化
C 使用者以外の受入れ機関等に対する責任の明確化【(1)@、Aの施行までに措置】
D 在留資格の変更、及び在留期間の更新許可のガイドライン化並びに不許可事例の公表等【ガイドライン化については平成19 年度措置、不許可事例の公表については19 年度以降逐次措置、情報収集の在り方については(1)@の施行までに検討・結論】
E 永住許可を得た外国人に対する在留管理の在り方等【(1)@、Aに係る関係法案提出までに検討、結論】
(2)外国人研修・技能実習制度に係る法令の整備
@ 実務研修中の法的保護の在り方【(2)Aの施行までに措置】
A 技能実習生に係る在留資格の整備【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
B 法令以外の規定に基づく規制等の見直し【(2)Aの施行までに措置】
(3)「技術」、「人文知識・国際業務」の運用の明確化【平成19 年度検討、結論】
(4)「企業内転勤」における活動範囲の見直し【平成19 年度検討、結論】
(5)高度人材の移入に資する在留期間の見直し【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
(6)高度人材の移入に資する再入国許可制度の見直し【平成19 年度検討、結論】
8 医療分野
(1)医療従事者の資格制度の見直し
@ 医師等医療資格者の一定以上の資質の確保
A 医師の資質維持・向上のための取組
B 専門医制度と医師免許との連携を含めた総合的な視点から医師資格制度の見直し
(2)医療従事者の労働派遣
(3)株式会社による医業経営の解禁等
当会議及び前身の総合規制改革会議は累次にわたり、資金調達手段の多様化と経営の効率性・透明性の向上等医療機関経営近代化の観点から、株式会社による医療機関経営の解禁を求めてきた。株式会社による医療経営の解禁についての当会議の考え方は、上記の問題意識で述べている通りであり、本答申に係る協議においても、これらの点が論ぜられたものの、完全な合意には至らなかった。ただし、これらの点については、所管官庁と継続的に議論をすることとするが、当面の施策として、株式会社による医療経営に係る問題で合意に至った以下の事項を実施するべきである。
@ 株式会社の経営する医療機関の取扱可能範囲の拡大
A 非営利性の徹底の完徹とガバナンス等に係る経営安定化の取組
(4)高度技能を有する外国人医師の受入促進
(5)後発医薬品の使用促進策の更なる推進等
@ 後発医薬品の使用における医師等の不安材料の解消のための情報提供の充実
A 後発医薬品の使用促進策の更なる推進
(6)国際共同治験の促進
(7)欧米諸国で承認された医薬品の本邦における承認の促進
(8)地域医療に貢献する医療機関に対する診療報酬評価の在り方
(9)診療報酬の診断群分類別包括支払方式の普及と定額払い方式への移行促進
(10)医師とコ・メディカルの間の実施可能業務の見直し
9 教育・研究分野
(1)学校選択の普及促進、教員評価・学校評価制度の確立等
@ 学校選択の普及促進等
A 児童生徒・保護者による教員評価制度・学校評価制度の確立
B 私立学校における児童生徒・保護者による教員評価制度・学校評価制度の確立
C 条件附採用期間の制度運用及び分限処分の判定
D 全国学力・学習状況調査における学校毎の結果公表等
E 教員採用制度改革の更なる推進
F 教職大学院の修了者の採用・処遇における公平性の確保
(2)教育バウチャー構想の実現
(3)教育委員会制度の見直し等
(4)適正な研究費の配分等
@ 審査・評価基準の再構築
A 研究効率の概念の導入
B 研究費の使途の更なる弾力化
C 長期的研究振興策の検討
D 追跡評価の促進
E 審査・評価者の選定の改善
F プログラムオフィサーの選定の改善
G 審査・評価における利害関係者の排除の徹底と多様性の確保
10 農業分野
(1)認定農業者制度の見直しについて
@ 農業経営の発展に資する業態に対する支援【平成19 年度措置】
A 認定農業者制度の運用改善【平成19 年度措置】
(2)農地の所有と利用の分離
@ 農地政策全般の再構築に係る検証・検討【平成19 年度検討開始】
A 農地の長期安定利用スキームの設定【平成19 年度措置】
B 主体を問わない農地利用の促進【平成19 年度措置】
(3)農業委員会の在り方の見直しについて
@ 権限行使における判断の統一化【平成19 年度措置】
A 委員構成の見直し【平成19 年度措置】
(4)農協経営の透明化、健全化について
@ 農協の内部管理態勢の強化
A 農協の不公正な取引方法等への対応強化【平成19年度措置】
B 公正な競争条件の確保【逐次実施】
C 農協経営の透明化に向けたディスクロージャーの改善【平成19 年度措置】
D 中央会監査の在り方についての検討【平成19 年度検討開始】
(5)農業分野における銀行等の民間金融機関の参入促進
@ 中小企業信用保険における対象事業の見直しと農業信用保証保険との連携強化による農業経営者等の資金調達の円滑化の促進
A 農業信用保証保険制度の対象融資機関の拡大【平成19 年度検討・結論、引き続き措置】
(6)農業共済制度の見直し
@ 情報開示の促進【平成19 年度措置】
A 栽培管理能力等に応じた掛金の設定【平成19 年度措置】
B 選択の自由度の向上【平成19 年度措置】
(7)農薬の登録、肥料の銘柄登録、品種の登録、原原種生産の見直し
@ 農薬検査所【平成18 年度検討開始、平成19 年度措置】
A 肥飼料検査所【平成19 年度措置】
B 種苗管理センター【平成19 年度措置】
(8)創業・事業拡大等への支援について
@ 農業研修への支援の充実【平成19 年度措置】
A 創業支援融資制度の充実【平成19 年度措置】
B 中小企業政策との連携【平成19 年度措置】
(9)集落営農の組織化に伴う農地の利用調整問題について
11 住宅・土地分野
(1)不動産取引価格情報開示の推進
(2)登記制度の運用改善
(3)賃貸住宅市場の整備
@ 紛争防止、解決へ向けたルールづくり【平成18 年度検討開始、平成20 年度結論】
A 持家ストックの有効活用【平成18 年度検討開始、平成19 年度結論】
(4)借家制度の改善
@ 定期借家制度の見直しについて【平成18 年度以降逐次実施】
A 正当事由制度の在り方の見直し【平成18 年度以降逐次実施】
(5)通勤鉄道における時間差料金制の導入【平成18 年度以降継続的に検討】
(6)住宅購入後の瑕疵に対する被害者救済の仕組みの整備【平成18 年度結論、以降速やかに措置】
@ 一定期間経過後見直し基準による見直しの推進【平成18 年度以降逐次実施】
  規制改革・民間開放推進会議及び各府省庁は、一定期間が経過した規制の見直しを推進するため、以下の一定期間経過後見直し基準にしたがい見直しを推進するものとする。このため、以下の一定期間経過後見直し基準に基づき、必要な措置を講ずるべきである。
ア 意義
この基準は、制度の新設・改正後一定の期間が経過した規制について、客観的かつ分野横断的に見直しを推進するために策定されるものである。したがって、当該基準に基づき見直しがなされた規制については、時代に即応して、廃止、緩和等の改革が必要かどうかを個々の規制について、従来どおり積極的に見直し、規制改革を推進していくべきである。
イ 見直しの対象
見直しの対象となる「規制」の範囲は、第2次臨時行政改革推進審議会「公的規制の緩和等に関する答申」(昭和63 年12 月1日)において示されている定義にしたがうものとし、次の形式により制度化されたものを、見直しの対象とする。
(@) 法律(その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除く。以下の(A)から(C)についても、同様の趣旨に照らして適当でないものを除く。)
(A) 政令、内閣府令・省令、外局規則、人事院規則、会計検査院規則、法律の委任に基づく命令を定めた告示(この基準において、「法規命令」という。)
(B) 通知や通達など、行政機関が定める不特定多数の事案に適用されるルールのうち、法規命令以外のもの(この基準において、「通知・通達等」という。)で、私人に対する「外部効果」を有するもの
(C)通知・通達等のうち、私人に対する「外部効果」を有しないもの
ウ 見直しの視点
一定期間経過後の規制の見直しは、次のような視点に沿って行うものとする。
その際、規制を導入ないし継続する理由となっていた社会経済情勢および知見が期間経過中に変化したかどうか、またどのように変化したかを、十分に調査・検討するものとする。
また、例えば、発出時点から相当の期間が経過しており実務上運用されなくなっている規制、関連する法令の適用対象が存在しなくなった場合等実質的効力を失っているが廃止手続きが未済のため形式的には存在し続けている規制などのうち、国民を混乱させる等の影響が生じるおそれのあるものについては、積極的に廃止の手続き等を進めるものとする。
(@) 経済的規制は原則廃止、社会的規制は必要最小限との原則の下での規制の抜本的見直し
(A) 免許制から許可制への移行、許可制から届出制への移行等より緩やかな規制への移行
(B) 検査の民間移行等規制方法の合理化
(C) 規制内容・手続について国際的整合化の推進
(D) 規制内容の明確化・簡素化や、許認可等の審査における審査基準の明確化、申請書類等の簡素化
(E) 事前届出制から事後届出制への移行等事後手続への移行
(F) 許認可等の審査・処理を始めとする規制関連手続の迅速化
(G) 規制制定手続の透明化
(H) 不合理な規制の是正による社会的な公正の確保
  なお、規制にかかわる通知・通達等については、上記の見直しの視点とあわせて、「規制改革・民間開放3か年計画(再改定)」(平成18 年3月31 日閣議決定)(以下「3か年計画(再改定)」という。)に盛り込まれている、その私人に対する「外部効果」の有無に着目した分類ごとの基準にしたがい、見直しを推進する。
エ 見直しの「期間」の設定
一定期間経過後当該規制の見直しを行う旨の条項(この基準において、「一定期間経過後見直し条項」という。)を盛り込む際の「期間」の設定については、以下の基準にしたがい設定するものとする。
(@)「5年」を標準とし、それより短い期間となるよう努める。
(A)制度見直しのための検証に時間のかかる規制については、可能な限り「10 年」を上限として設定する。
  なお、一定期間経過後に見直しを行う際には、次回の見直しを行うまでの「期間」を設定するものとし、以後もこの例によるものとする。
オ 法律の一定期間経過後見直し
法律については、(@)新たに法律を制定する場合、(A)既存の法律の附則等に一定期間経過後見直し条項がある場合、および(B) 既存の法律に一定期間経過後見直し条項がない場合に大別されるが、それぞれ以下の基準にしたがい見直しを推進する。
(@)規制にかかわる法律の新設に当たっては、法案作成時に前述エの「一定期間の設定」基準にしたがい一定期間経過後見直し条項を盛り込み、以後、前述ウの「見直しの視点」も踏まえて見直しを行う。
(A)規制にかかわる既存の法律のうち、一定期間経過後見直し条項があるものについては、当該見直し条項にしたがい見直しを行う。その際、前述ウの「見直しの視点」も踏まえて見直しを行う。
(B)規制にかかわる既存の法律のうち、一定期間経過後見直し条項がないものについては、法律改正の際に前述エの「一定期間の設定」基準にしたがい一定期間経過後見直し条項を盛り込み、以後、前述ウの「見直しの視点」も踏まえて見直しを行う。
カ 法規命令の一定期間経過後見直し
法規命令については、(@)法規命令そのものに一定期間経過後見直し条項があるか、根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項がある場合、及び(A)法規命令自体及び根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項がない場合に大別されるが、それぞれ以下の基準にしたがい見直しを推進する。
(@)規制にかかわる法規命令そのものに一定期間経過後見直し条項があるか、根 拠となる法律に一定期間経過後見直し条項があるものについては、一定期間経過後見直し条項にしたがって、又は一定期間経過後見直し条項がある法律の見直しに併せて見直しを行う。その際、前述ウの「見直しの視点」に立って見直しを行う。
(A) 規制にかかわる法規命令のうち、法規命令自体および根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項がないものについては、前述エの「一定期間の設定」基準にしたがい根拠となる法律ごとに設定する見直し時期に併せて見直しを行う。その際、前述ウの「見直しの視点」に立って見直しを行う。
キ 「外部効果」を有する通知・通達等の一定期間経過後見直し
私人に対する外部効果を有する通知・通達等については、(@)通知・通達等そのものに一定期間経過後見直し条項があるか、根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項がある場合、および (A) 通知・通達等自体、および根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項がない場合に大別されるが、それぞれ以下の基準にしたがい見直しを推進する。
(@)規制にかかわる通知・通達等のうち、通知・通達等そのものに一定期間経過後見直し条項があるか、根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項があるものについては、一定期間経過後見直し条項にしたがって、又は一定期間経過後見直し条項がある法律の見直しに併せて見直しを行う。その際、前述ウの「見直しの視点」に立って見直しを行う。
(A) 規制にかかわる通知・通達等のうち、通知・通達等自体、および根拠となる法律のいずれにも一定期間経過後見直し条項がないものについては、前述エの「一定期間の設定」基準にしたがい根拠となる法律ごとに設定する見直し時期に併せて見直しを行う。その際、前述ウの「見直しの視点」に立って見直しを行う。
ク 「外部効果」を有しない通知・通達等の定期的見直し
私人に対する外部効果を有しない通知・通達等については、(@)通知・通達等そのものに一定期間経過後見直し条項があるか、根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項がある場合、および (A) 通知・通達等自体、および根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項がない場合に大別されるが、それぞれ以下の基準にしたがい見直しを推進する。
(@)規制にかかわる通知・通達等のうち、通知・通達等そのものに一定期間経過後見直し条項があるか、根拠となる法律に一定期間経過後見直し条項があるものについては、一定期間経過後見直し条項にしたがって、又は一定期間経過後見直し条項がある法律の見直しに併せて見直しを行うよう努める。その際、前述ウの「見直しの視点」に立って見直しを行うよう努める。
(A)規制にかかわる通知・通達等のうち、通知・通達等自体、および根拠となる法律のいずれにも一定期間経過後見直し条項がないものについては、前述エの「一定期間の設定」基準にしたがい根拠となる法律ごとに設定する見直し時期に併せて見直しを行うよう努める。その際、前述ウの「見直しの視点」に立って見直しを行うよう努める。
ケ 見直し結果および理由の公示
一定期間経過後に見直しを実施した場合、その結果および理由をホームページ等で公示する。特に、見直しの結果、その制度・運用を維持するものについては、その必要性、根拠等を明確にする。
A 規制にかかわる通知・通達等の分類について【平成18 年度以降逐次実施】
ア 規制にかかわる通知・通達等の分類
平成18 年度において、各府省庁は、「3か年計画(再改定)」における、私人に対する「外部効果」の有無に着目した分類にしたがい、規制にかかわる個々の通知・通達等の分類を進めているところである。これは、現時点において効力を有する規制にかかわる通知・通達等(@行政手続法に定める審査基準・処分基準、A@以外に本省等が定める基準のうち、企業・国民に影響を与える(関与・介入する)もの全て)について、私人に対する「外部効果」を有するかどうかの観点から、各府省庁において分類を行ったものである。
平成18 年11 月10 日現在、その件数(平成18 年3月31 日基準)について当会議は以下のとおり報告を受けている。
・ 行政手続法に定める審査基準・処分基準:計671 件
・ 上記以外で外部効果を有する通知・通達等:計421 件
※ この他に各府省庁で作業中の通知・通達等、各府省庁と見直し推進機関で調整中のためいまだ分類に至っていない通知・通達等がある。
企業・国民に影響を与える(関与・介入する)ものとして各府省庁が発出している規制にかかわる通知・通達等のうち、私人に対する「外部効果」を有するものは上記のカテゴリーに分類されているものであり、これら以外の規制にかかわる通知・通達等については、各府省庁が、私人に対し「外部効果」を生じさせるような運用をするべきでないと判断しており、したがって、国民がその内容に従うか否かは任意であると考えられる。
この規制にかかわる通知・通達等の分類については、各府省庁において、毎年12 月末日までに、新規のものの追加、既存のものの見直し等を行い更新し、その結果を見直し推進機関に報告すべきである。見直し推進機関は、必要に応じ、報告された分類結果を審査し、所管府省庁に対し必要な再検討を要請すべきである。
イ 結果の公表について
「外部効果」を有すると分類された規制にかかわる通知・通達等の名称等を各府省庁のホームページ等に公表し、これ以外の規制にかかわる通知・通達等については「外部効果」を有しないと各府省庁が考えていることを明示する等の方法により、個々の規制にかかわる通知・通達等が「外部効果」を有するか否かが国民に明らかになることは、規制の透明性確保の観点から国民にとって有益であると考えられる。
このため、毎年度末までに、上記の分類の見直し結果等を公表すべきである。
平成18 年3月31 日基準の分類の状況については、見直し推進機関において調査のうえ平成18 年度末までに公表することとし、平成19 年度以降の見直し結果・分類結果等の状況の公表の方法等については、平成19 年末までに検討し、結論を得るべきである。
B 見直しの推進【平成18 年度以降逐次実施】
  一定期間経過後の規制の見直し基準に基づく見直し、及び、規制にかかわる通知・通達等の見直しを強力に推進するため、以下に基づき、必要な措置を講ずべきである。
ア 一定期間経過後の規制の見直し基準に基づく見直しについては、以下に基づき、必要な措置を講ずべきである。
(ア)各府省庁は、規制にかかわる法律(その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除く。以下、同じ。)の新設・改正にあたり、法律案を作成する際には、前述の一定期間経過後の規制の見直し基準オに基づき、一定期間経過後当該規制の見直しを行う旨の条項を盛り込む。
(イ)各府省庁は、平成18 年度末までに、その所管する規制にかかわる法律の一覧を作成し、公表した上で、前述の一定期間経過後の規制の見直し基準にしたがい、関連する規制(法規命令、通知・通達等を含む)の見直しを行う。
一覧の作成に当たっては、
(i)見直しを行う年度(平成19 年度から23 年度までの5年間を基本として設定する)
(ii)以後の見直しを行うに当たっての見直し周期を明示するものとする。
(ウ)見直し推進機関は、総務省の協力を得て、前述の見直し一覧作成や一定期間経過後の規制の見直し基準に基づく見直しの実施状況をフォローアップするとともに、適時報告の徴収、意見表明を行う。
イ 規制にかかわる通知・通達等の見直しについては、3か年計画(再改定)における見直し基準にしたがい、以下の要領で、見直しを推進すべきである。また、各府省庁は、新たに規制にかかわる通知・通達等を制定・発出しようとする場合、同見直し基準を勘案のうえ、制定・発出を行うべきである。
(ア)各府省庁は、平成18 年度以降、毎年度末までに、翌年度における見直しの対象となる通知・通達等について、見直し推進機関の意見を踏まえつつ、選定する。
(イ)各府省庁は、平成19 年度以降、毎年12 月末日までに、見直しの対象として選定された通知・通達等の見直し結果および最新の通知・通達等の分類結果を見直し推進機関に報告する。
(ウ)見直し推進機関は、報告された見直し結果を審査し、必要に応じ所管府省に対し再検討を要請する。見直し結果については、平成19 年度以降、毎年度末までに確定し、見直し推進機関により公表する。
ウ 平成18 年度においては、当面当会議が見直し推進機関の機能を担うものとする。
平成19 年度以降の見直し推進機関の在り方等については、見直しの推進状況を踏まえつつ平成18 年度中に検討し、決定すべきである。
C 規制影響分析(RIA)の幅広い実施
ア 総務省は、「3か年計画(再改定)」に基づき、本年度中に「行政機関が行う政策の評価に関する法律」の枠組みの下で、RIAの義務付けの範囲等、規制について事前評価を義務付けるため必要な措置を講ずることとされている。
各府省は、義務付けに至らない規制について積極的かつ自主的に事前評価を行うよう努めるべきである。【平成19 年度以降継続的に実施】
イ 各府省は、義務付け後においても、分析の質的向上に努めるとともに、引き続き、意見公募手続において可能な限り当該案に係るRIAを付し規制制定過程の客観性と透明性の向上に向けた取組を進めるべきである。【逐次実施】
総務省は、各府省の取組を支援するため、毎年度、規制についての事前評価の実施状況の把握・分析を行うとともに、調査研究、各府省に対する情報提供や必要な研修等の取組を進めていくべきである。【平成19 年度以降継続的に実施】
D 「日本版ノーアクションレター制度」についての検討
  当会議は、我が国におけるノーアクションレター制度とされている現行の「行政機関による法令適用事前確認手続の導入について」(平成13年3月27日閣議決定、平成16年3月19日同改正。以下、法令適用事前確認手続。)は、対象事項が行政処分に係るものとされており、対象事項が限定的であると考える。
したがって、ルールの事前の明確化に対する民間企業等の具体的要望も踏まえつつ、例えば法令適用事前確認手続の対象拡充も含め、「日本版ノーアクションレター制度」の在り方について検討を行い、必要な措置を講ずべきである。【平成18 年度中に結論、平成19 年度以降適宜実施】
また、各府省は、法令適用事前確認手続に関して、上記措置を踏まえた上、具体的な手続内容や同手続を利用した民間事業者の実例等を例えばポスター、リーフレット等を用いて広く分かりやすく紹介する等、制度の更なる周知徹底を図るべきである。【逐次実施】
@ 資格制度全般
ア 懲戒処分等の適正な実施【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
業務独占資格について、主管省庁は、懲戒処分及び公表に当たっての基準を明確にするとともに、懲戒理由に該当する場合には基準に照らして、懲戒等の処分を厳格に行い、懲戒等の処分の対象となった者の氏名並びに行為及び処分の内容等を公表すべきである。
イ 資格者法人の設立要件緩和【平成19 年度以降検討】
資格者法人の設立制度については、資格者による継続的かつ安定的な業務提供や賠償責任能力の強化の観点から、平成11 年3月の規制緩和推進3か年計画において、その創設を提言し、実現を図ってきたところである。
現在、この資格者法人の設立に際して、弁護士は、既に「一人法人」の設立が弁護士法では可能とされている。しかし、隣接法律専門職種は、各「士」法において、法人設立の要件は、「二人以上」の資格者が必要とされているが、法人を構成する資格者相互に無限責任が課せられる点、また地方において、資格者の絶対数が少ないという点等から、実際に資格者法人を設立することが困難である場合も多い。特に社会保険労務士や土地家屋調査士については、資格者社員が一人の場合においても法人が設立できるよう、設立要件を緩和して欲しいとの規制改革要望も寄せられているところである。
したがって、資格者による全国的な幅広い業務サービスを推進する観点から、一人法人について、国民のニーズ、資格者団体の要望、資格者の業務の実態を踏まえた上、検討を進めるべきである。
A 個別資格に関する事項
ア 公認会計士
公認会計士による監査制度は、複雑化・多様化・国際化している経済環境のもと、企業の財務情報の適切さを保証することにより投資家・債権者などの保護、資本市場に対する信任の確保を図るものとして、位置づけられてきたところである。しかしながら、昨今、企業の不正行為と不適切な監査に起因する不正会計事件が起こるなど、公認会計士や監査法人による監査に対する信頼を揺るがしかねない事態が生じている。かかる状況において、公認会計士および監査法人については、その質を向上するための施策が求められており、監査制度についても監査の質の確保と実効性の向上を図るための施策が求められている。
(ア)公認会計士の資質の維持・向上【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
公認会計士が監査証明業務を的確に行うためには、その専門的能力と幅広い識見を維持・向上していくことが必要である。したがって、研鑽の機会としての継続的専門研修のあり方や、その能力を確認するための方策等について検討し、その結果を踏まえ必要な措置を講ずべきである。
(イ)監査法人制度の見直し【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
監査法人制度においては、行政処分として業務運営に対する指示、戒告、業務停止命令、解散命令が行えることとされている。問題事例には厳正に対応していくとともに、監査法人の問題点について早期に把握し、機動的に必要な指示等を行うことにより、重い処分に至る前に監査法人に対し適切な運営を行わせるようにすべきである。また、監査法人に対するペナルティーの適用については、法制的な整合性等にも留意しつつ、不正の抑止の徹底の観点から、監査法人に対する課徴金の適用等についても検討し、その結果を踏まえ、必要な措置を講ずべきである。
また、同一監査の継続の禁止について、現在大手監査法人の主任会計士については公認会計士協会の自主規制により、一般の公認会計士(7年まで、インターバル2年)に比べ厳しいルール(5年まで、インターバル5年)が適用されているが、監査法人、公認会計士等の独立性を高める観点から、諸外国の実情等も勘案しつつ、適切なルールについて検討し、その結果を踏まえ必要な措置を講ずべきである。さらに、現在の監査制度は、監査法人における社員である公認会計士の相互監視と相互牽制を前提としているが、不正会計事件などによる損害賠償責任について監査法人の社員全員に無限連帯責任を負わせていることについては、監査法人の大規模化が進んでいる中、現実にそぐわない面もあると考えられる。このため、不正に関与した社員の責任を明確にし、非関与社員が過度に責任を負うことを回避する観点から、非関与社員の有限責任制の導入について検討すべきである。
(ウ)監査における情報開示【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
公認会計士による監査制度に対する信頼の維持・向上のためには、公認会計士や監査法人による監査の透明性の確保が必要である。また、依頼者による監査法人や資格者の資質の適切な判断を可能とするとともに、投資家等の保護を図る観点から、公認会計士や監査法人に関する情報の開示が求められるところである。
現在でも、公認会計士や監査法人の監査報酬等については、会社法上の事業報告や証券取引法上の有価証券報告書の記載事項とされているなど、情報開示が行われているものもあるが、これらについて、その一層の充実を図るための方策について検討すべきである。また、国民に対し意味のある情報提供を行うためには、各公認会計士や監査法人の情報として集約し開示する必要がある。
このため、監査実績、法人のガバナンス、審査体制、財務状況など資格者や監査法人の資質を確認するために必要な情報について検討するとともに、それらを開示する仕組みを構築すべきである。
イ 建築士
建物の設計においては、各々の等級の建築士資格によって、設計できる建物や規模が決まっているが、その中で全ての設計が可能となっている。しかし、各々の建築士の業務は、設計する建物の規模に応じて、デザイン、構造や設備などの分野に細分化、専門化されている。したがって、建物のように倒壊等により周囲への影響が出るという意味で公共性を伴うものを扱う場合には、資格者の質の確保のため、建築士の専門性等が分かる仕組みやそこに従事する建築士に関する情報が開示されていることが必要である。このような情報開示を通じ住宅購入後の瑕疵に対する被害者救済の仕組みの整備にも資すると考えられる。なお、その際に、資格を細分化するなど公的な資格の業務範囲を限定することは避けるべきである。
(ア)質の維持向上に向けての情報開示【平成18 年度検討・結論、平成20 年度までに措置】
建築技術の向上や新しい建築素材の開発等が進んでいるなかで、そうした知識や必要な能力を身につけていくことが社会的に求められている。したがって、その様な建築士自身の自己研鑽の履歴や設計業務の実績の履歴を関係者に分かるよう情報を開示する仕組みを検討すべきである。また、資格者の違反行為等を未然に防ぐため、違反履歴等の情報の開示についても検討すべきである。
(イ)専門性等の明示【平成18 年度検討・結論、平成20 年度までに措置】
各々の建築士のなかで、特定の分野について高い専門性を習熟している場合には、各分野の能力が社会的に認知され、依頼者が規模や用途に合わせ建築士を選別できるような民間における認証の仕組みなど専門性を明示できるようにすることを検討すべきである。
ウ 社会保険労務士
(ア)社会保険労務士への簡易裁判所訴訟代理権付与について【平成19 年度以降検討】
近年、雇用・労働をめぐる環境の変化により、個別労働争議が増加傾向を示している。そのような社会背景もあり、社会保険労務士は平成17 年の社会保険労務士法(昭和43 年6月3日法律第89 号)の改正により、一定の裁判外紛争解決手続 (Alternative Dispute Resolution、ADR)の代理業務が平成19 年度から可能となった。
この裁判外紛争解決手続における調整が不調となった場合は、依頼者の判断で、訴訟に移行することが予想されるが、依頼者が簡易裁判所に訴訟の手続をとる場合、社会保険労務士には訴訟代理権が認められていないため、弁護士か認定司法書士に改めて依頼するか、本人訴訟とせざるを得ず、社会保険労務士は当該案件に、代理人として、それ以上の関与をすることができないため、依頼者の利便性がはかられないことになるのではないかとの指摘もある。
したがって、社会保険労務士に認められている裁判外紛争における代理業務の実績等を注視し、簡易裁判所における訴訟代理を認める必要性や依頼者の利便性の向上への寄与の度合いを見極めつつ、訴訟代理を的確に行うための専門能力の確保、その認定の在り方について検討していくべきである。
B 法曹人口の拡大等
ア 司法試験合格者数の拡大について、法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備状況等を見定めながら、現在の目標(平成22 年ころまでに3,000 人程度)を可能な限り前倒しすることを検討するとともに、その後のあるべき法曹人口について、社会的要請等を十分に勘案して更なる増大について検討を行うべきである。
その際、国民に対する適切な法曹サービスを確保する観点から、司法試験の在り方を検討するために必要と考えられる司法試験関連資料の適切な収集、管理に努めることとし、司法試験合格者の増加と法曹サービスの質との関係の把握に努めるべきである。【平成18 年度以降逐次検討・実施】
イ 法曹となるべき資質・意欲を持つ者が入学し、厳格な成績評価及び修了認定が行われることを不可欠の前提とした上で、法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度(例えば約7〜8割)の者が新司法試験に合格できるよう努めるべきである。その際、新司法試験は、資格試験であって競争試験ではないことに留意し、司法修習を経れば、法曹としての活動を始めることができる程度の知識、思考力、分析力、表現力等の資質を備えているかどうかを判定する試験として、実施すべきである。【平成18 年度以降逐次検討・実施】
ウ 法科大学院における教育、司法試験、司法研修所における教育が、法曹として必要な資質を備え、法曹に対する社会のニーズに応えられる能力を有する法曹の養成にとってふさわしい在り方となっているかどうかを検証するため、司法試験の結果についての詳細な分析を行うとともに、関係機関の協力を得て、これと法科大学院や司法研修所での履修状況を比較するなどの分析・検証を行うことを検討すべきである。また、今後の選択科目の見直しの際には、科目としての範囲の明確性や体系化・標準化の状況等を見据えつつ、単に法科大学院での講座数など受験者の供給者の体制に係る要素のみに依拠することなく、実務的な重要性や社会的な有用性・汎用性等を考慮し、社会における法サービス需要に的確に答えるという観点をも踏まえて検討されるべきである。【平成18 年度以降逐次検討・実施】
エ 法曹を目指す者の選択肢を狭めないよう、司法試験の本試験は、法科大学院修了者であるか予備試験合格者であるかを問わず、同一の基準により合否を判定すべきである。また、本試験において公平な競争となるようにするため、予備試験合格者数について、予備試験合格者に占める本試験合格者の割合の検証を踏まえつつ、毎年不断の見直しを行うべきである。以上により、予備試験を通じて法曹を目指す者が法科大学院修了者と比べて不利益に扱われないようにすべきである。【平成18 年度以降逐次検討・実施】
@ 資産・債務の圧縮等
ア 鉄道建設・運輸施設整備支援機構【平成19 年度中を目途に検討・結論、以降速やかに措置】
鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、「運輸施設の整備を促進するための助成その他支援」を事業目的として国の社会的インフラを支えてきたが、昨今、政府による金融活動の改革及び政府の債権債務の大幅削減が求められている中、今後これまでのような大幅な鉄道整備のニーズは見込めないこと、さらに国内海運が厳しい局面にあること等を踏まえれば、同機構に集中した複数のリスクを低減させるためにも、民間にできる業務は民間に委ね、同機構が保有する資産の圧縮を図るべきである。
具体的には、鉄道建設・保有業務については、民鉄線(鉄道建設・運輸施設整備支援機構においてP線に区分されるもの)を建設して鉄道事業者に譲渡してきたが、今後は新規の建設・譲渡は行われず、また、これに伴い、債権回収・債務返済業務を着実かつ効率的に行うことが求められていることから、借換えを行う際の資金調達コストの縮減に一層取り組むとともに、債務者である鉄道事業者の期限前返済を行う意向があるかを十分に踏まえつつ、債務の着実な返済や債務者である他の鉄道事業者に対する不利益を生じさせることがないことを前提として、期限前返済に係る条件を検討すべきである。
また、船舶共有建造等業務については、現在、約378 億円もの債務超過状態にあることから、信用リスクの外部審査委託など債権管理・回収強化に努めているが、さらに、民間金融機関で行われている信用リスク管理手法を参考にしてリスク管理体制を強化し、財務内容の改善を図るべきである。
さらに、高度船舶技術開発等業務については、助成金交付業務、利子補給業務及び債務保証業務が、技術の開発支援・実用化支援の一環として一体的に運営されていることを踏まえ、次期中期計画策定時に、実績の少ない業務についてニーズや有効性の検証等を行うことにより、業務の財務基盤となっている信用基金の存続の必要性を含め総合的に見直すべきである。
イ 都市再生機構【平成20 年度までに検討・結論、結論を得次第措置】
(ア)都市再生事業
都市再生事業における都市再生機構の役割は、大規模で長期間を要し地価や金利等の変動によるリスクが大きいこと、権利関係が輻輳し調整が難しいこと、採算性が低いことなどの要因から民間事業者では負担しきれない事業リスクを負担し、民間を都市再生へ誘導することとされているが、その一層の徹底を図るため今後、機構の行う都市再生事業については、以下の措置を講ずるべきである。
a 機構の行うべき都市再生事業を民間のみでは実施困難なものとするため、例えば、権利関係が輻輳し調整が難しいこと、採算性が低いことなど機構が事業を行うことができる基準を明確化すべきである。
b 現在、事業が進んでいるものの中で、リスクが少なく民間に売却が可能であり、当該地域のまちづくりの方針との関係で支障がないものについては、事業の初期段階であるかどうかにかかわらず売却を進め、民間の事業機会創出のバックアップに努めるべきである。
c 事業に際しては、良質なまちづくりの実現を図るとともに土地の有効高度利用を図ることによって売却価額の高額化をはかるなど、事業総価値の最大化を目指すべきである。
(イ)賃貸住宅事業
都市再生機構の賃貸住宅は、これまで、市場からの賃貸住宅の供給が不足する中で市場において住宅を確保することが困難な者の居住の安定の確保、ファミリー向け賃貸住宅の質の向上等の機能を果たしてきた。しかしながら、現在の77 万戸の規模が過大であるうえ、その質においてもセーフティネットとしての役割を果たしていく上で問題のあるものも多い。賃貸住宅事業における、機構本来の役割を果たすべく、以下の措置を講ずるべきである。
a 機構の保有する物件のうち、公営住宅階層の居住者が大半を占めている物件については、機構本来の役割に徹するべく地方公共団体に譲渡するなどして機構の業務から切り離すため、当該団体と協議すべきである。
b 老朽化した物件の建替え事業の際、機構法第26 条第1項第2 号の基準を厳格に運用し建て替え事業を厳選するとともに、建て替え事業の目的や必要性を公表することにより同条が適切に運用されていることを検証し得る条件の整備、周辺棟・団地等への移転を積極的に活用するなど、現在の制度を抜本的に見直すべきである。これに伴い、家賃減額についても、縮小の方向で見直すべきである。
c 建替え事業の際に、建物を広域的に集約化し、その結果生じる整備敷地(余剰地)については、公共施設用地や民間の住宅用地として供し、資産の圧縮に努めるべきである。
d 機構の持つ77 万戸の賃貸住宅について適正化に向けた今後の削減目標を明確にすべきである。
e 既存賃貸住宅への新規入居者との賃貸借契約は、建替え予定の団地以外においても、定期借家契約を幅広く導入すべきである。
f 管理業務においては、入札などを行い、可能な限り民間委託の範囲を拡大し、業務の効率化と管理コストの削減を図るべきである。
(ウ)経過業務
ニュータウン整備事業については、新規事業は着手しないこととしているが、既に実施中の事業については、中期目標において、平成25 年度末までに工事完了、平成30 年度末までに供給完了とされており、今後も膨大な事業コストが発生すると思われる。これらは、積極的に、中止、縮小等事業の見直し、民間事業者への早期売却を一層促進すべきである。
(エ)資産圧縮等
上記のような、事業中止、事業規模縮小、コスト削減の取組に加え、下記取組により、資産圧縮を図るべきである。
a 建替え事業に伴う整備敷地(余剰地)の売却促進、事業用定期借地(底地)の証券化、関連会社の株式売却等による資産圧縮を図るべきである。
b 機構の経営改善計画によると、繰越欠損金の解消時期は、平成30 年度末となっているが、繰越欠損金の解消時期の前倒しを図れるよう、経営改善計画の細部に渡り見直しを行うべきである。
A 検査・登録等
ア 自動車検査【平成18 年度検討・結論、平成19 年度中に措置】
自動車の継続検査(いわゆる車検)については、約70%は既に民間の指定整備工場において点検・整備と検査がセットで実施されている。
しかしながら、民間の指定整備工場において、検査のみを実施することは認められておらず、残りの約30%については、自動車検査独立行政法人において検査が実施されているところである。
自動車検査については、今後、更なる民間能力の活用を図るため、指定整備率の確実な一層の向上を図るべく、例えば指定要件の緩和などを含め具体的方策を策定し、その着実な実施を図るべきである。
イ 農薬検査所【平成18 年度検討開始、平成19 年度措置】
農薬の登録については、安全性の担保等を理由に国が果たすべき役割として様々な検査が行われているが、他方で農薬の登録に要する期間が長期に及ぶことから、農業生産の効率化に向けその期間短縮、簡素化が求められているところである。
このため、農薬検査所において数値目標を設定すること等により検査の効率化に努めるとともに、関係行政機関と連携して農薬の登録に要する期間の短縮に取り組むべきである。
また、現在、薬効・薬害試験等農薬の登録申請に用いられる各種試験成績の一部には、都道府県の農業試験場等の公的機関において試験したものの提出が求められているが、期間短縮を図る観点から、信頼性を確保できる民間機関による試験を認めるなど民間開放を推進すべきである。
さらに、農薬の適用病害虫の適用拡大については、いまだ適用拡大について改良の余地があるため、さらなる適用拡大を認めるべきである。
ウ 肥飼料検査所【平成19 年度措置】
普通肥料の銘柄登録については、安全性の担保等を理由に国が果たすべき役割として検査が行われている。
これまでも、業務の効率化による審査期間の短縮、業務のアウトソーシングの推進等の取組が行われているところであるが、普通肥料の生産業者の一層の負担軽減を図る観点から、原材料や生産工程・これまでの科学的知見を踏まえ、普通肥料のうち可能なものは更新期間を6年間に延長すべきである。
エ 種苗管理センター【平成19 年度措置】
品種登録については、区別性、均一性、安定性を厳格に審査するため、栽培試験における再試験率が高くなっているが、登録の遅延は、申請者において得るべき育成者権が早期に得られないといったリスクを内包している状態にある。
このため、再試験が必要とされる理由を明確に申請者に説明するとともに、申請者においてその説明に疑問があれば、意見交換を行うなどの透明性の高い対応の仕組みを確立すべきである。
また、品種登録業務の民間開放については、業務の一部である栽培試験においてのみ民間開放がなされているが、「規制改革・民間開放推進3か年計画(改定)」(平成17 年3 月25 日閣議決定)において、「品種登録は、出願された品種について、他の者の利用を排除する排他的独占権がある育成者権を付与するものであるため、高いレベルの中立性及び公平性の担保が求められるものであると主張されている。しかしながら、中立性及び公正性の保持義務を制度上又は契約上課すことによって十分にこれらを担保できるものである。したがって、栽培試験の委託等、品種登録業務の民間開放を推進する。【平成17 年度中に措置】」とされていることから、栽培試験のみならず、さらなる品種登録業務の民間開放を推進するべきである。
さらに、原原種生産については、民間参入に係る規制は存在しないものの、おおもととなる健全無病な原原種を確実に生産し、安定的に供給するには相当のコストを要するため、種苗管理センターでは多額の公費投入により原原種生産が行われている。同センターの原原種生産は、知事がまとめた生産者団体等の要望を踏まえた生産計画により行われているが、日本の農産物の競争力向上のため、さらにマーケットのニーズに的確に対応することが重要である。現在、同センターの中期計画において、原原種生産の部分的な民間移行が検討されているが、日本の農産物の競争力を高めるためにも、民間企業において生産意欲のある原原種については、安定供給の確保を図りつつ、民間移行を確実にかつ早期に行うべきである。
なお、その結果、同センターが引き続き生産を行う原原種についても、生産意欲のある民間企業が現れ、安定供給の確保が図られる場合は、その企業への原原種生産の移行を行うべきである。
B 研究・研修等
ア 労働政策研究・研修機構【平成18 年度検討・結論、平成19 年度中に措置】
労働政策研究・研修機構については、労働保険特別会計から年間30 億円の資金が支出されているが、平成17 年12 月24 日に閣議決定された「行政改革の重要方針」においては、「労働保険特別会計については、原則として純粋な保険給付事業に限り本特別会計にて経理する」と定められていることから、当会議としては、この趣旨に照らして、同特別会計から機構への支出について疑問がある。したがって、この点については、今後更に検討を行うことが必要と考えるが、当面、機構が行う事業について以下の措置を講ずるべきである。
機構が行う研究事業においては、中期目標で示された中長期的な労働政策の課題に係るテーマに対応したプロジェクト研究及び個別研究を行っているが、そのすべてを機構自らが行う必然性はないものと考えられる。したがって、機構が行う研究は、労働政策の企画立案に資するプロジェクト研究及び厚生労働省の要請研究の中でも緊急性・重要性の高い新たな政策課題に関する研究に集中し、その他の研究については機構が行うものとしては廃止すべきである。さらに、研究実施者については選定・評価を厳格に行うとともに、過去の業績を的確に評価すること等、審査の客観性・透明性を高めるための厳格・公正な選定基準を予め明示したうえで、公募による選定を導入すべきである。併せて、すべての研究について、事後に政策にどのように反映され、学術的な評価を得ることができたのかを検証し、これを公開すべきである。
また、研修事業についても、その内容を詳細に検討し、民間で実施可能な内容については、民間開放を推進すべきである。
イ 酒類総合研究所【平成19 年度中に検討開始、結論を得次第措置】
酒類総合研究所の業務のうち、酒類の分析・鑑定やその手法開発等の業務については、酒類のアルコール度数等を分析し、どの品目に該当するかという鑑定を適正に遂行する業務であり、酒税の賦課と一体をなすものであるが、一定の分析能力は国公私立の大学、公的研究機関、大手の酒類メーカー等の民間研究機関も有している。また、酒類総合研究所は酒類に関する基礎的・基盤的な研究を中心として、中小企業では対応できない応用研究等を行っているが、国公私立の大学、公的研究機関、大手の酒類メーカー等の民間研究機関においても個々の酒類・分野に関する研究は行われている。このような観点を踏まえ、「規制改革・民間開放の推進に関する第1次答申」(平成16 年12 月24 日)に基づき、独立行政法人酒類総合研究所法(平成11 年法律第164 号)の改正により、いわゆる非公務員型の独立行政法人化が行われたところである。
酒類総合研究所の研究業務については、一層の効率的かつ効果的な運営を確保する観点から、積極的に民間機関との共同研究や研究の民間機関への移行を念頭におきつつ、基礎的・基盤的研究に重点化を図るべきである。また、酒類の分析業務についても、中立性を保ちつつ、民間開放を推進すべきである。
ウ 日本学生支援機構【平成18 年度検討・結論、平成19 年度中に措置】
当該法人は、旧日本育英会や旧財団法人日本国際教育協会などが統合され、教育の機会均等に寄与する学資の貸与や留学生の交流の推進等を目的とした事業を実施することを目的として、平成16 年4月に設立された独立行政法人である。
当該機構が国の教育施策の一環として実施している奨学金貸与事業は、一方では政策金融機関類似の業務であり、金融業務として適切・効率的に実施されているか、「民間でできることは民間に委ねる」ことができないか等の観点から、見直しが行われるべきである。まず、回収業務については、平成17 年度における要回収額に係る回収率は78.2%、平成16 年度の77.9%に比して向上はしているが、引き続き回収率の更なる向上についての分析と方策を検討し、業務の効率化、合理化の観点から、費用対効果の検証を踏まえつつ、回収業務について民間に委ねられる業務については、積極的に民間委託を進めるべきである。
また、融資業務についても、より効率的・効果的な業務運営を推進する観点から、民間活用について検討すべきである。
さらに、学生生活支援事業については、学生向けに開催している各種イベント(セミナー、フェスタ等)、教職員向けの研修、月刊誌発行事業等に関して、対象者の間における認知度やニーズの観点から、効率的・効果的な運営が行われているかを把握し、学生生活支援に関する大学等の自主的な取組を促すための支援という観点から当該機構の実施する学生生活支援業務の対象を厳選し、必要性の少ない事業については統合や廃止を検討するべきである。
C 施設の運営・管理等
ア 日本万国博覧会記念機構【平成19 年度までに検討・結論、以降速やかに措置】
日本万国博覧会記念機構が実施している業務のうち、公園の整備・運営に関して行われている業務については、既に施設運営・管理、動植物管理、利用者サービス等について民間開放を実施しているが、今後とも更なる業務効率化を図る観点から、民間開放の対象業務拡大について検討し、必要な措置を講ずるべきである。
また、基金事業についても、一層の民間の知見を取り入れることにより、効率的かつ効果的な助成金の交付となるよう努めるべきである。
@ 国の過剰関与の問題について
ア 全国一律の基準であり地域の実情に応じた施策を阻害している規制(自治事務に対する国の過剰関与)
(ア)公営住宅家賃の決定について【平成18 年度検討、平成19 年度までに結論・措置】
公営住宅の家賃については、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するという公営住宅の趣旨から、国が公営住宅法施行令等により「応能応益家賃制度」として家賃の算定方法を定め、それらに基づき事業主体である地方公共団体が定めているが、より地域の実情に応じた家賃決定が可能となるよう裁量を拡大して欲しいとの要望がある。
このため、公営住宅の家賃の算定方法に関し、地方公共団体の家賃決定、特に応益部分(家賃算定基礎額以外の部分)についての地方公共団体の裁量の範囲を拡大する方策を検討すべきである。
(イ)職業能力開発校のあり方について【平成18年度中に措置】
職業能力開発校については、現在、職業能力開発促進法において都道府県に設置が義務付けられているが、地域の実情に応じた対応が必要であるとの意見もあり、実態把握等を含め更なる検討が必要であると考える。また、職業能力開発を実施するに当たっては、例えば民間の専門学校との共同講座の開設や民間施設利用者に対する補助など、地域行政に責任を持つ地方公共団体が地域の実情に応じきめ細かな施策を展開することが求められている。
したがって、当面、民間事業者や各種専門学校等において、職業能力開発校と同種の内容の訓練が行われている場合には、地方公共団体の判断に応じ、多様な民間教育訓練機関への委託訓練を積極的に実施するよう周知すべきである。
(ウ)防除作業における国の関与について【平成19年度までに措置】
農林水産大臣による適時適切な駆除命令の発動を確保するために、高度公益機能森林の区域の指定又は変更の際には、協議における大臣の同意が必要とされているが、都道府県による防除が迅速に実施されることも極めて重要である。
平成16 年12 月に事務処理に要する期間は30 日から15 日に短縮されたところであるが、可能な限り事務処理の効率化を進める必要がある。
したがって、都道府県の事務を一層効率的に進めるために、同意を要する理由及び基準について都道府県に周知徹底するとともに、事前の連絡・調整を綿密に行い、実質的な期間の短縮など事務処理の効率化に向けた取組を行うべきである。
イ 技術的助言でありながら不利益を被る規制、地方分権一括法以前の通知・通達
(ア)農業近代化のための資金融資について【平成19 年度中に措置】
平成17 年4月1日施行の「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う農業近代化資金助成法等の一部を改正する等の法律」(平成17 年法律第16 号)によって、農業近代化資金助成法の一部が改正され、都道府県が行う利子補給に係る政府の助成の規定が削除され、地方公共団体に税源移譲がなされた。その際、従来の「農業近代化資金融通措置要綱」に代わるものとして「農業近代化資金の円滑な融通のためのガイドライン」(平成17 年4月1日付け16 経営第8870号農林水産省経営局長通知)が出されたが、この中の、第2−6−(2)「認定農業者等に係る貸付利率の特例」の項目において、「(財)農林水産長期金融協会に対して利子助成金の交付申請を行う際には、本ガイドライン第2の貸付条件に則したものであることが明示された都道府県の利子補給承認通知書(写)を提出するものとする」という表現があるなど、本ガイドラインに準拠しないと特例が受けられないとの誤解を与える恐れのある表現が見受けられる。
したがって、本ガイドラインの冒頭にもある「都道府県の責任において、かつ自主的な判断の下での近代化資金制度の適正かつ円滑な運営を図るため」という趣旨の下、適正な表現に改め、周知徹底を図るべきである。
(イ)土地利用基本計画の策定・変更について【平成19 年度中に措置】
土地利用基本計画の策定・変更の事務については、平成12 年の地方分権一括法の施行により、都道府県の自治事務と整理されたが、実態上は、地方分権一括法以前の通達に基づき、各都道府県は引き続き国土交通大臣への正式協議に先立って関係地方支分部局との調整等の事務を行っており、各都道府県にとって過重な負担となっているものと考えられる。
したがって、地方分権一括法以前に発出された土地利用基本計画の策定・変更に係る通達について、国との協議等に係る事務の大幅な簡素化の観点から廃止すべきものは明確に廃止し、その他各都道府県の事務負担軽減のための措置を講ずべきである。また、都道府県の負担の軽減等を図るため、地図等の協議資料の電子化や手続きのオンライン化を進め、平成19 年度にはオンラインでの協議が可能となるよう措置すべきである。
ウ 国と地方に権限が分かれている規制
(ア)商工会議所の定款変更について【平成19 年度中に措置】
商工会議所の定款変更については、変更する項目によって国と都道府県に認可権限が分かれている。
こうした現行の制度について、道州制特区法案の動向を踏まえつつ、商工会議所法の許認可事務に関する実際の申請者でありユーザーである商工会議所や、実際に認可を行っている都道府県から、認可申請の現状、問題点の有無等の実態を把握するため、平成19 年度中を目途に調査をし、必要に応じ所用の見直しをすべきである。
(イ)地方が行う福祉のまちづくり分野について【平成19 年度までに措置】
地方が行う福祉のまちづくり分野については、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成6年法律第44 号。以下「ハートビル法」という。)及び高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(平成12 年法律第68 号。以下「交通バリアフリー法」という。)が特定の施設のみを対象としているため、法律の対象外となる施設を含めて総合的、一体的にバリアフリー化を進めたい地方公共団体の取組を阻害しているとの指摘がある。
本年12 月には、ハートビル法及び交通バリアフリー法を統合・拡充した高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18 年法律第91 号。以下「バリアフリー新法」という。)が施行されたところであるが、このバリアフリー新法においては、バリアフリー化のために必要な一定の基準に適合しなければならない施設の拡大、バリアフリー化を推進するための基本構想を作成することができる対象エリアの拡充等が図られており、この法律の枠組みの下、地方公共団体がバリアフリー化を促進するための各般の施策を総合的、一体的に講ずることは十分可能と考えられる。
したがって、地方公共団体の実情に合わせてバリアフリー化を促進する観点から、バリアフリー新法の内容について、地方公共団体への周知を徹底すべきである。
A 地方ごとに異なる規制の問題について
ア 地方公金納入書の規格・様式について【逐次実施】
地方税など地方団体の徴収金の収納については、各地方団体において、収納代理金融機関の指定の拡大や口座振替納税の推進などに加え、コンビニエンスストア等への収納事務委託の導入、クレジットカードを活用した収納方法の検討が行われ、また、金融機関等が構築しているマルチペイメントネットワーク(MPN)を活用した収納方法についても、指定金融機関や収納代理金融機関等が提供するインターネットバンキングのサービスを利用した電子納付が可能となることや、金融機関や郵便局の現金自動預払機(ATM)で現金やキャッシュカードによる納付が可能となるなど、収納方法の拡大や納税者等の利便性の向上が図られてきている。
しかしながら、納入書の規格・様式については、統一規格・様式が制定されておらず、各団体が任意に様式を定めているため、収納代理金融機関等における事務負担を結果として増やすこととなっているほか、今後、電子収納の利用率向上の実現を図るにあたって、そのための環境整備としても、個々の地方団体における事情にも配慮しながら、早期に納入書の規格・様式の統一を行うことが有効であると考えられる。
したがって、納入書の規格・様式については、総務省において、民間からの要望を踏まえ、地方団体宛てに様式例を提示すること等を通じて、各団体がシステムの更新や改修の機会に様式統一化へ向けた変更を行っておくこと等について留意させる等の取組を引き続き進めることなどにより、その早期統一の実現へ向けた努力を継続すべきである。
イ 原動機付自転車に係る軽自動車税の納付におけるマルチペイメントネットワークの活用【逐次実施】
自動車保有に関する手続(検査・登録、保管場所証明、自動車関係諸税の納付等)のワンストップサービス化については、平成16 年度に試験運用が開始され、17 年度には一部システムが稼働、今年度はシステムの対象範囲拡大に向けて検討する旨、「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」(平成18 年3月31 日閣議決定)で定められているところである。
一方で原動機付自転車に関しては、自動車・軽自動車と同じく、道路運送車両法(昭和26 年法律第185 号)、地方税法(昭和25 年法律第226 号)、自動車損害賠償保障法(昭和30 年法律第97 号)等の対象とされながら、市区町村が原動機付自転車の所有者に義務付けている申告等は軽自動車税の賦課徴収のみであるとして、ワンストップサービスシステム(OSS)の対象範囲に含まれない現状にある。
したがって、自動車保有関係手続きのワンストップサービスシステムにおいて決済基盤として利用されているマルチペイメントネットワークについては、市区町村が接続することにより公金の納付に活用することが可能であることに着目し、原動機付自転車の所有者等の利便性を図る観点から、毎年度賦課徴収される軽自動車税(1,000円〜2,500円)について、電子的に納付することが可能となるよう、市区町村におけるマルチペイメントネットワークの活用を推進すべきである。
ウ 公共工事指名願いに関する諸手続き等の統一について【逐次実施】
公共工事における指名競争入札において、入札参加を希望する企業は事前に地方公共団体の資格審査を受ける必要があるが、その際に提出する参加資格申請書については、その記載様式・参加条件等の記載内容が地方公共団体ごとに異なるため、入札参加企業は逐一その内容につき調査・確認する必要がある。また電子申請についてもそれぞれの地方公共団体が独自の形式をとっているため、入札参加企業はその都度、申請作業内容を変更する必要が発生し、大きな負担となっている。
したがって、現在の申請作業に関して企業が抱えている具体的な不満・ニーズに基づく提案を踏まえた上で、各地方公共団体に対して、できる限り参加企業の作業負荷低減を図るよう、技術的助言など必要な措置を講ずべきである。
B 指定管理者の選定プロセスについて【平成18 年度中に措置】
  平成15 年9月に「地方自治法の一部を改正する法律」が施行され、指定管理者による公の施設の管理が可能となり、18 年9月1日で3年間の移行期間も終わったところであるが、実際の運用では、指定管理者の選定は選定委員会に付託されており、選定プロセスの透明性が低い事例も見受けられる。
したがって、指定管理者の選定手続については、具体的な選定の基準や選定の事例の把握など、選定等にかかわる実態把握を全国的に行い、その調査結果に基づき、可能な限り公募手続きとするなど、透明度の高い手続きを行うよう、技術的助言など必要な措置を講ずべきである。また、選定プロセスの透明性を確保するために、必要な情報提供をするなど所要の措置を講ずべきである。
@ 「認定こども園」の活用促進
ア 法律の成立を受けて認定こども園の認定基準に関する国の指針が策定され、それに基づき都道府県は具体的な認定基準を条例で定めることとなるが、より多くの施設が認定を受け、認定こども園が広く普及するよう、各自治体における認定状況や施設の利用状況などを把握・評価・公表し、適宜、制度の改善を図るべきである。【平成19 年度以降適宜措置】
イ 利用者、事業者の双方が活用しやすい制度となるよう、申請、会計報告、監査等の事務処理について、様式の統一などの手続きの簡素化などを図るべきである。【平成19 年度以降適宜措置】
A 認可保育所における利用者との直接契約の導入等
  認可保育所においては、入所資格が「保育に欠ける子」に限られる。しかも利用者と施設が直接利用契約を結ぶのではなく、市町村が利用者に対し施設を割り当てるため、施設側のサービス向上へのインセンティブが希薄となるとの指摘もある。
したがって、就学前の子どもであれば入所可能とするとともに、利用者が保育所を選択できるよう、施設と利用者との間の直接契約を容認することを検討すべきである。
また、保育料については、国によって徴収基準が示されているが、国の基準以上に階層区分が細かく設定されている市町村も散見され、それにより利用者の負担が更に押さえられている実態もある。そこで、低所得者層等への配慮を前提として、サービス内容に見合った対価を利用者が支払う負担方式とすることも含め、保育料についても利用者との契約に基づいて、原則自由に設定できるようにすることを検討すべきである。そのことにより、夜間保育や病児・病後児保育など利用者の多様なニーズにきめ細かく対応する保育所が更に拡大することが期待される。
上記の施策については、「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」(平成18 年3月31 日閣議決定)において、「低所得者層や母子世帯等の保育の確保など一定のルールが必要であることから、平成18 年度の本格実施に向けて準備を進めている総合施設における直接契約の実施状況等を踏まえ、保育所にも導入することを検討する」とされている。
したがって、「認定こども園」における直接契約、保育料の自由化等の実施状況等を把握・検証し、保育所にも導入することを検討すべきである。
B 利用者に対する直接補助方式の導入等
  認可保育所とそれ以外の保育サービスとの間で公的補助に大きな格差があるため、認可保育所を利用し、間接的に多額の補助を受けている世帯と、認可外サービスを利用し、公的補助をほとんど、あるいは全く受けていない世帯との間で負担に大きな開きがあるとの指摘もある。
そこで、利用者の負担を公平化するため、運営費等の公的補助を現行の施設への補助から就学前の子どもを持つすべての家庭に対する直接補助方式への転換を検討すべきである。その際、社会福祉制度としての保育の性格を変え、子育てを広く社会全体で支援するという共助の考え方に立って、既存の育児支援関連予算等を統合化したものと保険料とを財源とする社会保険制度への転換(「育児保険(仮称)」の創設)も併せて検討すべきである。
また、直接補助方式の導入に際しては、児童の年齢や家族状況、保育の緊急性などを基本に各家庭の「要保育度」を設定し、その度合いごとに公的補助の対象となる1か月間の保育サービスの利用量の上限を設定することも検討すべきである。【A及びBについては、認定こども園の実施状況等を踏まえ、保育所において一体的に導入することの可否について長期的に検討】
C 働き方の多様化等に応じた育児休業等の取得促進
  近年の個人・社会の働き方に対する価値観の多様化を踏まえ、民間企業においても、社員が仕事と家庭の両立を図れるよう、独自に育児休業の取得年数の延長や分割取得を可能にすることや、短時間勤務、隔日勤務、在宅勤務等の多様な勤務制度を導入するなど、休業や勤務制度の積極的な見直しを行なっている。さらに、公務員についても、育児のための短時間勤務制の導入に取り組むなど、官としても積極的に子育てを支援する制度の導入を進めているところである。
このような民間企業等の独自の取組状況を踏まえ、一層の育児休業の取得、短時間勤務等の活用が促進されるよう、民間企業や育児休業や短時間勤務等の取得者をサポートする仕組みについて、育児・介護休業法等の改正も含め、早期に検討すべきである。【平成19 年度検討、結論、逐次実施(法改正については逐次検討)】
@ セーフティネットとしての生活保護業務の推進
  自立支援業務を中心に専門性を有する社会福祉士、特定非営利活動法人等への外部委託、嘱託、非常勤職員の積極的な活用も図ることがケースワークの質を高める観点から有効であり、各自治体の参考となるよう、各自治体における自立支援の取組事例を積極的に公表し、各自治体の実情に応じた取組を促すべきである。【平成18 年度以降適宜措置】
(1)労働契約法制の整備【次期通常国会に法案提出等所要の措置】
  労働契約法制の整備については、労働条件の最低基準を定める労働基準法以外に労働契約に関する公正・透明な民事上のルールを明確にする必要があるとの認識の下、労働政策審議会において、精力的な検討が行われている。当会議も、労働契約法制を民法の特別法として整備することが必要であると考えるものであるが、その整備に当たっては契約当事者である労使双方の意思(労使自治)を可能な限り尊重すべきである。
また、労働契約法制の整備に当たっては、その内容が、中小企業を含む現場の実情に十分配慮したものとなるよう留意すべきである。さらに、平成15 年の労働基準法改正以来の懸案事項である、解雇紛争の当事者からの申し出に基づく金銭的解決についても検討すべきである。
以上を踏まえ、検討結果を早急に取りまとめ、次期通常国会に法案を提出する等所要の措置を講ずべきである。
(2)労働時間法制の見直し等
  労働時間法制の見直しについても、労働契約法制の整備と平行して、労働政策審議会における検討が精力的に進められている。その見直しに当たっては、これまで当会議が繰り返し指摘してきたように、労働時間規制の適用除外制度の整備拡充が中心的な課題となる。
経済社会環境の変化に伴い、多様な働き方を選択する労働者が増えるなか、ホワイトカラーを中心に、自らの能力を発揮するため労働時間にとらわれない自律的な働き方を肯定する労働者も多くなっており、自己の裁量による時間配分を容易にし、能力を存分に発揮できる就業環境を整備するためには、そうした労働時間にとらわれない自律的な働き方を可能にする仕組みが強く求められている。
具体的には、このようなホワイトカラーの従事する業務のうち、裁量性の高い業務については、労働者の健康確保に留意しつつ、労働時間規制(深夜業規制を含む)の適用を除外する制度の新設に向けて検討すべきである。また、現行の企画業務型裁量労働制についても、見直しに向けた検討を行うべきである。
以上を踏まえ、検討結果を早急に取りまとめ、次期通常国会に法案を提出する等所要の措置を講ずべきである。【次期通常国会に法案提出等所要の措置】
なお、以上のほか、事業場外労働に関するみなし労働時間制度についても、事業場外労働の実態を踏まえ、制度の運用の見直しの検討を行い、結論を得るべきである。【上記法案の施行までの間に検討・結論】
(3)派遣労働をめぐる規制の見直し等
@ 紹介予定派遣以外の労働者派遣における事前面接の解禁【平成19 年度中に検討】
紹介予定派遣以外の労働者派遣における事前面接については、平成17 年度以降、今日にいたるまで、その解禁のための条件整備等について、労働政策審議会における検討が行われている。
派遣労働者の配置については、雇用主である派遣元事業主が当該派遣労働者の職業能力を評価した上で、派遣先の必要とする労働力に相応しい労働者を適切に判断して行うことが基本とされ、事前面接の禁止は、派遣労働者の就業機会が不当に狭められないようにすること等に目的があるとされているが、労働者派遣の役務を現実に提供するのは、生身の人間である派遣労働者であって、機械やロボットではない。また、派遣労働者のなかには、派遣先のことを知っておきたいと願う声もある。
そこで、派遣先における不適合(ミスマッチ)から生じる中途解約等の問題の発生を未然に防止するためにも、紹介予定派遣以外の派遣における事前面接の解禁のための条件整備等について、引き続き検討を行うべきである。
A 派遣労働者に対する雇用契約申込み義務の見直し【平成19 年度中に検討】
平成15 年の派遣法改正により、新たに設けられた派遣労働者に対する雇用契約の申込み義務についても、紹介予定派遣以外の労働者派遣における事前面接の解禁と同様、平成17 年度以降、今日にいたるまで、労働政策審議会における検討が平行して進められている。
ここにいう雇用契約の申込義務とは、@派遣受入れ期間に制限のある業務(26 業務以外の業務)については、派遣先が期間制限を超えて派遣労働者を使用しようとする場合に、A派遣受入れ期間制限のない業務(26 業務)については、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れている派遣先がその業務に労働者を雇い入れようとする場合に、それぞれ課せられるものであるが、その導入の根拠は、@派遣先による期間制限違反を未然に防止することや、A派遣労働者の希望を踏まえて派遣先での直接雇用の機会を与えることにあるとされている。
他方、この雇用契約の申込み義務については、使用者には本来「採用の自由」(雇用契約締結の自由)があり、法は原則としてこれに介入すべきではないこと等を理由に、このような不自然な規制は撤廃すべきであるとの指摘があるほか、26 業務については、雇用契約の申込み義務が新たに課せられたことによって、派遣先が3年を超えて同一の派遣労働者を使用することに慎重になり、その結果、派遣労働者の雇用がかえって不安定なものとなることを懸念する声もある。
したがって、雇用契約の申込み義務については、その施行状況等を踏まえ、引き続き検討を行うべきである。
(4)雇用の流動化等に対応した環境整備
  社会全体でみた適材適所を実現するためには、年功的な賃金制度の是正を図るなかで、中途採用市場を拡大する必要がある。また、こうした雇用の流動化に対応した環境整備を図るためには、確定拠出年金制度における手続きの簡素化等についても、所要の改善を図るべきである。さらに、官民間における人材の移動を促進するためには、被用者年金制度の一元化に加え、官民間の処遇面におけるイコール・フッティングの実現を図ることも検討すべきである。
以上を踏まえ、必要な検討を早急に行うべきである。【平成19 年度中に検討】
他方、パートタイム労働者や有期契約労働者、派遣・請負労働者の処遇改善には、企業内における労使の協力が欠かせないものとなる。同じ職場で働く正社員との均衡処遇を実現する観点からも、労使協定に基づく正社員を対象とした企業内最低賃金をこれらの労働者にも適用ないし、実質的に適用する等の取組みを推進することが労使には求められる。
また、行政にあっても、パートタイム労働対策について、労働政策審議会における議論を踏まえ、次期通常国会に法案を提出する等所要の措置を講ずべきである。【次期通常国会に法案提出等所要の措置】
さらに、フリーター・ニート問題を解決し、技能に基づく格差が固定しない、再チャレンジが可能な社会を実現するためには、民間活力を最大限活用した就職カウンセリング、マッチング・サービスの充実とともに、自発的なキャリア・アップの支援を図る必要があること等の点に留意しつつ、引き続き、必要な措置を講ずべきである。【引き続き措置】
@ 公共放送としてのNHKの在り方について
ア NHKのガバナンス強化【平成19 年度措置】
視聴者に信頼されるNHKであり続けるために、「政府与党合意」にある「経営委員会の抜本的な改革を行う」べく、経営委員会の監督権限の明確化、経営委員会の議決事項の見直し、監査委員会の設置、経営委員の一部常勤化、経営委員会の事務局の設置等ガバナンス強化に資する所要の制度整備を行うべきである。
さらに、NHKにおいては自主的に、「「NHK3か年経営計画」の初年度上半期を終えて」(平成18 年10 月24 日)記載の、「視聴者のみなさまの声を番組や経営に反映する「ふれあいミーティング」「CS向上活動」を推進」することは言うに及ばず、その効果を不断に検証し、現行の取組による効果が不十分と判断された場合は、視聴者の声がより良く反映される新たな方策を速やかに導入すべきである。
イ 伝送部門の会計峻別【平成19 年措置】
経営のさらなる透明性を図る観点から、放送番組の伝送部門の会計を峻別し、これを公表すべきである。
ウ 保有チャンネル数の在り方の検討【平成23 年のデジタル放送への移行完了時までに措置】
「政府与党合意」において、「保有チャンネル(8波)の削減については、難視聴解消のためのチャンネル以外の衛星放送を対象に、削減後のチャンネルがこれまで以上に有効活用されるよう、十分詰めた検討を行う。」とされている。
この点を踏まえた上で、現在保有しているチャンネルのうち、特に衛星放送3波については、2011 年までに再編成を行うべきである。
エ 受信料で成り立つ公共放送の在り方の検討【平成18 年度検討開始、結論を得たものから逐次実施】
受信料の公平負担の確保に向け、現在NHKは受信料未払い者に対する民事手続きを具体的に進めている段階にあるが、全ての未払い・未契約者を対象とする場合、予算面等の観点から現実的ではない。したがって実際上、民事手続き対象者を絞らざるを得ないが、「対象者の抽出」によって新たな不公平感が生じかねない。
一方、NHKは公平負担の徹底のために、BSデジタル放送において、B−CASカードの機能を利用した「受信確認メッセージ」による周知を視聴者に促している。本システムは、BSデジタル放送が受信可能な全ての視聴者に対して周知を行うことが可能であることから、公平負担の徹底を図るためには本システムのさらなる有効活用が望ましい。
そこで、「受信確認メッセージ」の表示内容や表示位置・サイズの見直し、さらには、受信機設置・受信料支払い状況の確認を適切に行うためのコールセンター等の充実等、本システムの効果をより高めるための見直しを行うべきである。また、放送の完全デジタル化が完了した場合には、地上放送についても公平負担の徹底を図る観点から、何らかの「受信確認メッセージ」の実施可能性について検討すべきである。
A 放送事業に関する規制の見直し
ア マスメディア集中排除原則の緩和【平成19 年度措置】
民放の経営基盤を強化するため、「政府与党合意」に基づき、一定の範囲で複数の放送事業者を子会社とする放送持株会社を活用することを可能とするための制度整備等を行うべきである。
イ 地域性の高い自主制作番組比率の向上【平成18 年度検討・平成19 年度結論】
マスメディア集中排除原則の緩和により経営基盤を強化しつつ、地域性を確保していくためには、現状約12.8%(平成15 年再免許時)にとどまっているローカル番組比率を向上させていく必要がある。特に、デジタル放送への移行により、比較的低廉なコストで地域の特色あるデータ放送が実現可能となること、インターネットと連携することで地域的な公共アプリケーションをデジタル放送インフラ上で実現できること等を地上デジタル放送のメリットとして生かしていくべきである。
ウ 放送事業者の放送番組の外部調達の増大【平成18 年度検討・平成19 年度結論】
「政府与党合意」のとおり、放送事業者が外部調達の増大に努めることを期待する。また、「政府与党合意」において、その形成を進めるとされているコンテンツ取引市場に関しては、現在の検討を更に促進すべきである。
エ IPマルチキャスト等による地上デジタル放送の再送信【平成18 年度措置】
ローカル局の番組制作力と経営基盤の強化を図るとともに、視聴者が良質かつ多様なコンテンツを平等に享受する機会を保障する観点から、地上デジタル放送のIPマルチキャスト放送による再送信を行うに当たっては、著作権処理が適切に行われる限り、地上放送について設定された放送対象地域に限定されず、民放等関係者の経営上の判断に委ねられることを関係者に周知すべきである。
また、衛星による再送信についても同様の条件で実施することを認めるべきである。
オ 地上デジタル放送網の整備【平成23 年のデジタル放送移行までに措置】
多チャンネル化、高画質化、高機能化等、視聴者の利便性や満足度が格段に向上することが期待され、また、周辺産業との融合等により、放送産業のさらなる発展の可能性を有している地上放送のデジタル化については、平成15 年放送局の再免許にあたり、総務大臣が「2011 年までにデジタル放送へ完全移行するよう、放送のデジタル化に積極的に取組むよう務めること。」と要請していること、また、サービスの提供主体者がそのビジネスを展開する上で自ら必要な投資をすることが社会通念上合理的であるとの認識に立って、アナログ波の視聴者の利便が損なわれないよう、現在アナログ波でカバーされている放送地域と同等の範囲を、地上放送事業者自らがカバーするよう注視し、2011 年の完全デジタル化を実現すべきである。
カ 放送事業者の事業展開の自由度の拡大【平成19 年度検討・結論】
地上放送のデジタル化への円滑な移行に向けて、独自の魅力ある番組を増やすため、アナログ放送とのサイマル放送比率を3分の2以上とする基準や一定割合以上はハイビジョン放送とする現行の基準の緩和を検討すべきである。
キ 地上・衛星デジタル放送のコンテンツの有効活用【平成19 年度結論】
現在の地上・衛星デジタル放送では、すべての放送番組について、いわゆる「コピーワンス」ルールが課されており、録画視聴や再利用の制約となる場合があるという指摘がある。放送されるコンテンツの内容・性格は多種多様であり、著作・制作者の権利を厳格に保護する必要のある番組もあれば、柔軟な私的録画・再利用を認めることによってかえってその社会的価値を増す番組もあると考えられる。
現在の我が国の、いわゆる「コピーワンス」ルールは、権利保護を重視するあまり、視聴者の柔軟な私的録画・再利用に制約を課しているという指摘がある。この点を検証しつつ、著作・制作者の権利保護とデジタル放送コンテンツの柔軟な私的録画視聴、再利用の両立の実現に向けたシステム・環境作りについて、既に政府内に、権利者、視聴者等にも開かれた検討の場が設置されたところであるが、引き続き、検討を推進すべきである。その際、透明性向上、競争促進の観点から、現在の一定の枠組みにおける放送関連機器・システムの規格、運用決定プロセスを見直し、視聴者の声も反映されるよう、留意すべきである。
ク 衛星放送分野の活性化と普及促進【逐次実施、平成19 年度までに一定の結論】
有料の多チャンネル専門放送を中心とするCSデジタル放送においては、委託放送事業者・衛星役務利用放送事業者(以下「衛星放送事業者」という。)、衛星事業者に加え、プラットフォーム事業者の存在が視聴者の利便性向上やCSデジタル放送産業全体の発展に不可欠の存在として事業形成に寄与してきた。プラットフォーム事業者は、衛星放送事業者からの委託を受けて、受信者との契約や苦情対応を含む顧客管理業務を代行するほか、サービスのバンドル化・ワンストップ化等のサービスを展開しており、ビジネス展開上最も重要な情報の1つである視聴者の声・嗜好を直接確認することができる立場であることから、今後のCS放送のさらなる普及促進を目指す上で非常に重要な存在となる。一方でCS放送発足時は複数のプラットフォーム事業者が存在したものの、数度にわたる合従連衡により、現在は実質的には1社のみの事業展開となっている。その結果、CS放送事業が形成するそのビジネスモデル面、及び、特定の市場での独占的な立場であることの両面から、現在のプラットフォーム事業者は衛星放送事業者に対し、優越的な地位を有していると考えられる。
したがって、CSデジタル放送産業全体の活性化と普及促進及び視聴者保護の観点から、プラットフォーム事業の在り方について、(社)衛星放送協会内に設置された「プラットフォームの在り方に関する協議会」において見直されている「衛星放送に関するプラットフォーム業務に係るガイドライン」の運用状況を注視する一方で、プラットフォーム事業者の制度上の位置付けを明確化すること等を検討すべきである。
B 通信事業における競争の促進
ア 市場構造等の監視【引き続き注視】
「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」(平成18 年3月31 日閣議決定)(以下、「3か年計画(再改定)」という。)においては「依然として東・西NTTが他事業者のサービス提供に不可欠な設備を保有している市場構造に変わりはなく、最近の動きがその構造によってどのような影響を受けるのかについては、NTTの中期経営戦略に基づく対応を含めて、なお注視する必要がある」とされている。また、本年3月末のNTTの平成18 年度事業計画の認可に際して、次世代ネットワークの構築等NTTグループの中期経営戦略の具体化に当たって公正競争条件の確保という観点から条件が付されているところであり、公正な競争の促進に向けて引き続き注視し、必要に応じて適切な措置を講ずべきである。
イ 公正競争確保のための諸施策の徹底
「3か年計画(再改定)」においては「現行の接続会計がネットワーク構造の変化(IP網の比重の高まりや次世代ネットワークへの移行)に対応しているかの検証等を行い、必要に応じて見直し、措置等を講ずる」とされているが、高度で多様な通信サービスを低廉なコストで利用できる環境を確保するためには、「政府与党合意」にあるようにNTT東西会社のネットワークのオープン化など必要な公正競争ルールの整備等を図る必要がある。したがって、市場支配力の濫用を防止する観点から、総務省が本年9月に策定した「新競争促進プログラム2010」に従い、市場構造の変化に対応し得るドミナント規制の適正な運用や次世代網に係る接続ルールの整備等、早急な制度整備を行うとともに、NTT東西とNTTドコモの連携に係る公正競争要件を含め上記事項について速やかに結論を得て必要な措置を講ずべきである。【平成18 年度検討開始、結論を得たものから逐次実施】
C 通信・放送の融合に対応した制度の整備
ア インターネット配信の著作権法上の位置付け【引き続き検討、遅くとも平成23年までに一定の結論】
IPマルチキャスト放送は、国民が魅力あるコンテンツを自ら望む手段で享受できる有用な手段の1つであり、その普及が望まれている状況にある。こうした中、IPマルチキャスト放送による地上デジタル放送の同時再送信については、平成18 年の臨時国会において、著作権法の一部を改正する法律が可決・成立し、著作権法上「有線放送」と同様の取扱いとすることが定められたところである。
したがって、IPマルチキャスト放送による「自主放送」についても事業の実態の推移や放送法制における位置付け等に留意しつつ引き続き検討し、遅くとも放送が完全デジタル化される平成23 年7月までには一定の結論を得るべきである。
また、IPマルチキャスト方式のみならず、放送法制上の「放送」全般の取扱いについても併せて検討し、一定の結論を得るべきである。
イ 通信と放送の融合に対応した法体系の見直し【平成22 年までに結論】
「政府与党合意」において「通信と放送に関する総合的な法体系について、基幹放送の概念の維持を前提に早急に検討に着手」とされていることを踏まえ、通信・放送の伝送機能に関する規律のあり方など融合時代に相応しい法体系の在り方について検討すべきである。
@ 電気事業分野
ア 電気事業における自由化範囲の拡大
平成17 年4月、全ての高圧需要家まで電気事業分野の小売自由化範囲が拡大されたことにより、新規事業者のビジネスチャンスは順次拡大している。こうした状況を踏まえ、電気事業分野における一層の競争促進を図るため、平成19 年を目途に家庭用を含む小規模需要家までの全面自由化について検討を開始し、早期に結論を得るべきである。なお、その際には、エネルギー・セキュリティーの確保や、安定供給、環境問題への対応といった課題について慎重に検討すべきである。【平成19 年度検討開始、早期に結論】
イ 卸電力取引所の活性化
平成17 年4月に創設された卸電力取引市場については、取引量が全電力販売量の1%以下であったことや、取引商品メニューが限定されていることなどを踏まえ、市場参加者からは、更なる利便性の向上を求める声も寄せられている。
このため、市場監視機能をより強化するとともに、多くの発電設備を保有する一般電気事業者や卸発電事業者に対する玉出しの増加や義務化、利用者ニーズを十分踏まえた商品メニューの多様化、取引所への参加者の拡大などといった取引活性化に向けた対応を検討し、早期に結論を得るべきである。【平成19 年度検討開始、早期に結論】
ウ 託送制度等の見直し
託送制度については、インバランス料金が割高となっているとの指摘などがあることから、利用実態を把握した上で、再検討すべきである。
また、30 分同時同量制度についても、一定規模以下の需要家については、安定供給の確保やコストアップの回避に留意しつつ、計画同時同量の導入等について検討し、早期に結論を得るべきである。【平成19 年度検討開始、早期に結論】
託送料金については、自由化開始以降の小売料金逓減化と平仄を合わせ、料金水準の引き下げが行われているものの、その算定根拠が一部不透明であるとの指摘もあることから、引き続き、一層の効率化・低廉化に努めるとともに、透明性の確保に努めるべきである。【平成19 年度以降引き続き実施】
さらに、全国規模における競争を促すことにより、東京―中部、中国―九州間など、既にごく限られた時間で容量不足が顕在化している連系線や、一層の広域流通の拡大による将来的な連系線容量の不足が生じる可能性もあることから、電力系統利用協議会の機能強化を念頭に置きつつ、流通設備形成を促す方策などについて検討し、早期に結論を得るべきである。【平成19 年度検討開始、早期に結論】
エ 原子力発電にかかる規制・運用の見直し等
安全を維持しつつ、より効率的な原子力発電所の運営を図る観点から、欧米等の知見も参考にしつつ、引き続き、科学的・合理的な安全規制の在り方について検討を行うべきである。【平成19年度以降引き続き実施】
原子力発電所の新設については、PPSなどの新規参入事業者の出資等による共同開発についても排除されないよう注視すべきである。【平成19年度以降実施】
また、安全面の取組に関しては、現状、国の審査等に基づき、地方自治体においても判断が行われている。国は地方公共団体と各レベルにおける真摯な取組を行うこととして、きめ細かい広聴・広報を進めるべきである。【逐次措置】
オ 環境問題への対応等【逐次措置】
京都議定書発効を踏まえた地球温暖化対策への対応は、エネルギー産業においても喫緊の課題である。このため、新エネルギーの開発や原子力発電を着実に推進するとともに、風力・太陽光などCO2を排出しない電源について、経済性・供給安定性を踏まえつつ、普及促進を図るべきである。また、費用対効果の高い対策として京都メカニズムの活用(CDMクレジット等)を促進すべきである。
一方で、小資源国の日本にとって、電源の多様化はエネルギー・セキュリティー上有意義な施策である。
このため、官公庁による入札を通じた環境対策への取組については、公正な競争の確保やエネルギーの安定的な供給等のその他の施策との調和を確保すべきである。
A ガス事業分野
ア ガス事業における自由化範囲の拡大
平成19 年4月から、ガス事業分野の小売自由化範囲が10 万?以上の需要家まで、拡大する予定であり、10 万?未満の家庭用を含む需要家までの拡大については、自由化範囲の拡大の検証等を踏まえ、時機を逸することなく結論を得るものとされている。
ガスの平均販売単価はここ数年低下傾向にあるものの、国際的な比較においては割高感が否めない状況にあることや、内々価格差が存在することから、需要家の選択肢が実効的に確保される方策等、必要な措置を講ずべきである。
10 万?未満の小規模需要家までの全面自由化の在り方等に関する検討については、平成19 年度の10 万?以上までの自由化範囲の拡大を受けて、速やかにその実施状況の十分な評価を行い、全面自由化の在り方等について、その課題を明らかにすべきである。【平成19 年度評価開始】
イ 託送制度等の見直し
ガス事業分野における競争を促進するためには、託送供給制度の充実・強化が不可欠である。このためガス導管網の整備とその有効利用の促進について、引き続き効果的な措置を講ずべきである。
1時間同時同量制度については、平成19 年度から拡大される10〜50 万?の範囲の需要家を対象に簡易な同時同量制度の導入が予定されているが、当該措置が適正な運用となるよう注視すべきである。それ以外の範囲の需要家への託送供給についての簡易な同時同量制度については、19 年度からの制度導入の実施状況の評価を踏まえ、検討すべきである。【必要に応じ逐次措置】
また、託送料金については、制度の運用実績を踏まえ、適正な算定方法の在り方等について、引き続き検討する等、一層の透明性の確保に努めるべきである。
その際、託送料金に算定される気化・圧送コストなどの取扱いについても、19 年度からの簡易な同時同量制度の影響、気化・圧送設備の運用・取扱いの実態等に関する検証を行い、必要に応じ適宜措置すべきである。【逐次措置】
さらに、新規導管を設置する場合の利益阻害性判断基準については、19 年度からの自由化範囲拡大の十分な評価を踏まえつつ、既存導管網の効率的な運用という観点も踏まえ、引き続き検討すべきである。【逐次措置】
また、保安責任についても平成19 年度から比較的小規模な需要家まで対象が拡大されるが、大口ガス事業への参入を円滑化する視点からも、保安業務の受託に係る一般ガス事業者の対応をフォローアップし、実質的な参入障害が生じている場合には、適正取引ガイドラインに位置づけることも含め、適切な対応を検討するべきである。【逐次検討開始】
@ 内航海運暫定措置事業【逐次実施】
  内航海運暫定措置事業(以下「暫定措置事業」という。)については、交付金を先に交付し、後から納付金で収支を相償わせるという事業構造であり、収入と支出のタイムラグによる不足分を借入金によって補っていることから、暫定措置事業の収支が相償い終了するまでには相当程度の期間を要するとものと考えられる。
したがって、できるだけ早期に暫定措置事業が終了するよう努めるべく、毎年度毎の暫定措置事業の資金管理計画を明確にさせ、これを公表させるとともに、国としても着実な債務の償還が図られ、本件業務に係る政府保証額が前年度以下となるように監督すべきである。
A 羽田空港第4滑走路供用(2009 年)に際しての発着枠配分について【引き続き調査・検討】
  2009 年に第4滑走路の供用が予定されている羽田空港の発着枠配分については、「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」(平成18 年3月31 日閣議決定)において、「可能な限り早期に第4滑走路を供用した際の競争促進の為の発着枠の配分に関するルールの策定に着手する。その際、ルールについては定量的で誰にもわかりやすいものとするとともに、事業者が経営計画等を策定する際の指針となるよう当該ルールは将来の配分に当たって普遍的に適用できるものとなるようにする。
また、新規参入者の定義と扱いについて見直し、有効競争の促進を図る。」とされ、検討が開始されているところである。
羽田空港第4滑走路供用開始により、多様な航空ネットワークの形成・充実、航空市場の競争促進が真に図られるよう、発着枠の配分が、適切になされる必要がある。このため、第4滑走路供用開始に際しての発着枠配分についての検討を引き続き行った上で、外部有識者等を含めた具体的な検討の場を、平成20 年中に立ち上げるべきである。
@ 金融分野における競争政策の一層の推進【平成19 年度措置】
  我が国の経済・社会の活性化のためには、競争政策の推進が一層重要な課題となっており、金融分野においても競争政策の推進は重要な課題である。
したがって、金融庁においても、競争政策の推進という観点から金融分野の法制の在り方及びその運用について点検をし、必要な措置を講ずるべきである。
また、競争政策を進める上で、エンフォースメント(ルールの実効性の確保)の見直し・強化も併せて検討し、必要な措置を講ずるべきである。
A 企業結合に係る届出制度の見直し【平成19 年度検討】
  企業結合審査に要する資料の提出については、膨大であるとまではいえないものの、当事会社に対し一定の負担を強いるものとなっている。
したがって、企業結合に係る届出制度は、競争を実質的に制限することとなるおそれのある企業結合を競争当局があらかじめ把握するために設けられているものであるとの趣旨も踏まえつつ、同制度の対象から除外される範囲の在り方について必要な検討を行うべきである。また、近年の経済のグローバル化に伴い、一の企業結合事案について複数の競争当局に届出が行われることが多くなっていることにかんがみ、企業結合に係る届出制度について国際的整合性を確保する観点から見直しの検討を行うべきである。
@ 民法及び商法における法定利率制度の見直し【平成19 年度検討開始】
  我が国における法定利率は、民法(明治29 年法律第89 号)第404 条において年五分、商法(明治32 年法律第48 号)第514 条において年六分と規定され、そのいずれもが、施行後100 年余りの間、一度も実質的に改正されることなく現在に至っている。
民法第404条において民事法定利率が年五分とされたのは、制定に当たって参考とされたヨーロッパ諸国の一般的な貸付金利や法定利率、我が国の一般的な貸付金利を踏まえ、金銭は、通常の利用方法によれば年5%の利息を生ずべきものと考えられたからとされるが、ここ10年程の間、過去に類例を見ないほど低水準にある我が国の金利の現状を勘案すれば、民法及び商法における法定利率制度の在り方の見直しに向けた検討を開始すべきと考えられる。
諸外国では、フランスにおいては、1975年に法定利率に変動金利が導入されたほか、ドイツにおいても、2002年に、民法典第247条が規定する基礎利率を3.62%とした上で、欧州中央銀行主要再割引操作利率を関連利率とし、毎年2回、1月と7月に変動させて官報に公示するとの改正が行われた。また、我が国においては、内閣総理大臣の諮問機関である税制調査会による「平成11年度の税制改正に関する答申」(平成10年12月16日)を踏まえ、法人税・所得税・相続税に係る利子税の算出に当たって、日本銀行法(平成9年法律第89号)第15条第1項第1号により規定される商業手形の基準割引率(いわゆる公定歩合)を基礎として、各年の利子税の割合を変動させるとの内容で租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第93条が設けられた。
したがって、こうした状況も参考にしつつ、我が国の法定利率を現在の固定金利から変動金利へと変更することをも視野に入れて法定利率制度の在り方の見直しに向けた検討を開始すべきである。
なお、法定利率制度の見直しに当たっては、金利の現状のほか、制度の安定性や明確性、及び関係者の事務負担についても十分な配慮が必要であり、長期的かつ幅広い観点から検討すべきである。
A 非公開会社(株式譲渡制限会社)が特定の株主から自己株式を取得する際に他の株主が自己を売主に追加することを請求することができる期間の見直しの要否【平成19 年度検討、平成20 年度結論】
  特定の株主から自己株式を取得する場合、他の株主は自らを売主に含めることを株主総会開催日の原則5日前までに請求しなければならないところ、株式譲渡制限会社においては当該請求をすることができる旨の通知が株主総会開催日の1 週間前にされれば足りることから、その株主にあっては、公開会社の場合と比較し、当該判断を短い期間内に行わなければならない状況となる場合がある。
会社法に基づく会社法施行規則29 条においては、株式譲渡制限会社であっても、株主が上記判断をするための期間として実質的に最低2日を確保することができるための改正をするとともに、それぞれの株式譲渡制限会社の個別事情に応じて定款によってその期間を伸長することができる旨規定し、株式譲渡制限会社の株主において上記判断期間が自らにとって十分でないと考える場合には、当該期間を伸長する内容となる定款の定めを設けることができることとして定款自治による対応を原則としている。
他方で、具体的事情によってはかかる定款変更の要求が常に受け入れられるとは限らず、その場合、特に内部的意思決定に時間を要する一部の機関投資家にとっては判断期間が十分に確保されないことがあるとの指摘もある。
したがって、上記のような指摘があることをも踏まえ、会社法施行規則29 条が規定する5日間という原則的な期間を短縮することにより定款自治の範囲をより狭めることとすることが株式譲渡制限会社の実情に照らして相当であるか否かについて検討し、結論を得るべきである。
@ 資本市場の監視機能の見直し
ア 勧告・告発といった証券取引等監視委員会の有する権能の一層の活用【逐次実施】
委員会は、勧告、告発に向けて、その取組を強化することにより、市場におけるルール違反には厳格に対処するという姿勢を明らかにする必要がある。
その際には、一般投資者等からの情報の収集の強化、証券業協会や証券取引所といった自主規制機関との連携の強化、民間のノウハウの活用を図るべきである。
その他、委員会は、「有価証券報告書等検査処理状況」において、検査の実施状況を公表しているが、このような取組を通じて、引き続き監視機関としての活動状況を市場に周知し、ルール違反に対する抑止力を高めるよう努めるべきである。
イ 課徴金制度の適用強化を通じた市場ルールのエンフォースメント強化【逐次実施】
金融庁及び委員会は、課徴金制度の運用について、一層の強化に努めるべきである。そのため、委員会は、アの取組を通じて課徴金納付命令の前提となる勧告制度の運用を強化するべきである。
そして、金融庁は、課徴金に係る制度の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金の額の算定方法、その水準及び違反行為の監視のための方策を含め、課徴金に係る制度の在り方等について検討を行うべきである。
ウ 市場の実情に応じたルールの迅速な見直しに向けた建議等の実施【逐次実施】
委員会は、常に制度的な問題が生じていないかとの観点からその調査・検査を実施し、ルールが市場の実情に応じたものとなっていないと判断される場合には、直ちに建議等を行い、金融庁はそれらを踏まえて迅速に施策を実施するべきである。その際、可能な限り当該施策の実施に至るまでの透明性の向上を図るべきである。
A 包括的な消費者信用法制の整備【平成19 年度検討】
  業態を超えた横断的な金融サービスの提供が可能となるなかで、消費者が信用供与を受ける形態は多様化してきており、その間に、過剰貸付、不適正与信、多重債務、利用者被害といった問題が多く発生している。
消費者信用分野における諸問題については、金融サービスの横断化の流れに対応する観点から、各業態等における取引実態等を踏まえた上で、消費者信用分野全体の観点から検討されるべきであるが、消費者信用に関する現行の法制度は、消費者金融、販売信用がそれぞれ縦割りに規制されている状況にある。
現在、消費者金融については、取引実態等を踏まえた上で、多重債務の防止を主眼として、具体的な法制整備が進められているところであるが、販売信用においては、このような具体的な法制整備が進められていない。
したがって、消費者信用分野においては、消費者金融制度との整合性も視野に入れながら販売信用制度に係る具体的な法制整備を進め、中期的には、関係省庁が連携の上、各業態等における取引実態等を踏まえた上で、共通化すべき事項等について法制の統一を行うこと等につき、検討を行うべきである。
B 協同組織金融機関(信用金庫・信用組合)に関する法制の見直し【平成19 年度検討開始】
  協同組織金融機関は、地域密着型金融の機能強化に取り組んでおり、最も身近な金融機関として地域金融の重要な担い手となっている。一方で昨今では、地域に密着し、借り手との密接なコミュニケーションを維持する金融のあり方が世界的にも注目を集めている。また、貸金業法の抜本改正が行われ、セーフティネット貸付等、零細な借り手への円滑な資金供給方策が政府をあげて検討すべき課題となっている。
信用金庫・信用組合を含む協同組織金融機関の業務及び組織につき、その存立意義の視点からの検討は、平成2年7月13 日付けの金融制度調査会・金融制度第一委員会作業部会報告「協同組織金融機関の業務及び組織のあり方について」を最後に、本格的な見直しは行われていない。それ以降、16 年が経過し、その間、協同組織金融機関をめぐる環境は大きく変化している。
そこで、協同組織金融機関(信用金庫・信用組合)が果たすべき今日的な役割を踏まえ、その業務及び組織の在り方につき、総合的な視点から見直しを検討する必要があると考えられる。
協同組織金融機関は、業務や資金調達手段が制約されているため、今日の環境のなかでその制約を見直すことにより協同組織金融機関が一層そのあるべき機能を発揮できるようになるとの指摘がある一方、協同組織金融機関については税制上の優遇措置が認められており、今後、銀行と同一の条件で業務を行っていくのであれば、税制上の優遇措置の根拠を何に求めるのか再検討が必要になると考えられる。また、株式会社組織の金融機関に比べれば、ガバナンスが十分に機能していないとの指摘もあり、業務面と合わせて組織面での制度の整備も必要であると考えられる。
したがって、こうした今日における環境の中で、協同組織金融機関が、今後、我が国金融システムにおいてどのような役割を果たしていくべきか、及びその役割を果たすために、例えば、員外取引制限や資金調達手段やガバナンスなど、業務及び組織の在り方につき、総合的な視点から見直しを検討すべきである。
C 各分野における個別事項【ア 預金取扱金融機関】
(ア)信用保証協会保証付債権の譲渡に係る規制緩和【平成19 年度検討】
信用保証協会保証付債権の譲渡については、平成17 年度の政令改正によって譲渡先にサービサーや再生ファンドが追加されたが、譲渡の条件として、「再生支援協議会が関与して策定された再生案件等」の要件が求められている。
信用保証協会保証付債権の譲渡範囲については、その拡大によって、民間の企業再生の枠組みの中での利用が拡大し、柔軟かつ迅速な不良債権処理に資するとともに、民間サービサーやファンド事業のマーケット拡大も期待される。
近年の企業再生が、中小企業庁や整理回収機構をはじめとする「官」における取組とともに、民間における取組も進められてきたことも踏まえ、本年4月より、信用保証協会保証付債権の譲渡対象を整理回収機構や中小企業再生支援協議会の再生計画に基づく場合等に限定せず、各保証協会が設置する「再生委員会」の承認を得た再建計画に基づく場合も対象とするよう運用通達が発出されたところである。
したがって、今後は「再生委員会」の承認した案件の実績等をフォローする等の方法により、措置の十分性の検討を行うとともに、財政負担については慎重に判断を行いつつ、追加施策の要否について、検討すべきである。
(イ)銀行等による「ラップ口座」契約締結の代理の容認【平成19 年度検討】
現在、銀行等は、顧客から要望があった場合「ラップ口座」サービスを提供する証券会社を紹介することや広告等を含めた勧誘は行っているが、契約締結権限はない。
「ラップ口座」を通じた資金運用については、富裕層等を中心としてニーズがあり、現状証券会社に認められている「ラップ口座」の契約締結について、銀行等が代理又は媒介を行うことが認められれば、ワンストップショッピングでの顧客利便性の向上が実現可能である。また、「貯蓄から投資へ」という流れの中、より幅広い顧客層による証券市場へのアクセス機会の増大の観点からも、極めて有効であると考えられる。
したがって、銀行等による証券会社の「ラップ口座」の契約締結の勧誘が認められた経緯や実態等を十分に踏まえながら、銀行等による証券会社の「ラップ口座」の契約締結の代理を認めることについて検討すべきである。
(ウ)証券取引における総合口座貸越の取扱いの見直し【平成19 年度検討開始】
現在、証券取引法第44 条第3号および同法第65 条の2第5項により、口座振替契約を付した投資信託累積投資や証券取引口座(自行のみならず委託証券会社口座を含む)等の商品・サービスについては、総合口座貸越が発生する蓋然性が高いとして、その提供が制限されている。
しかしながら、顧客の利便性の観点から、口座残高に一時的な不足が発生した際などに利用されている総合口座貸越を、証券取引口座においても同様に利用することが可能となれば、証券取引口座の残高が買付代金に僅かに及ばない場合等において、貸越限度額内であれば、取引未済が発生するような事態が回避される、あるいは、満期到来前の固定性預金の中途解約資金による入金や他口座からの振替入金等の手段をとらずとも決済することができるようになるため、現在の取扱いの見直しを検討すべきとの指摘がある。
他方、証券投資のために必要な資金が不足した際に、これを自動的に補填するような仕組みを認めることは、過剰取引を招くおそれがあるほか、いわゆる適合性の原則に照らしても必ずしも望ましくないとの指摘もある。
したがって、利用者保護の徹底と利用者利便向上の観点を比較衡量したうえで、また、現在の総合口座貸越の利用実態も踏まえ、貸越金額に上限を設定することをはじめとする一定の条件の下で、証券取引における総合口座貸越を認めるか否かの検討を開始すべきである。
(エ)地方公共団体に対する指定金融機関等の担保提供義務の在り方【平成19 年度中に検討】
地方自治法施行令では、地方公金の収納・支払いの事務について、指定金融機関(以下「指定金」)の責任を明記するとともに、指定金の担保提供義務を規定している。また、地方公営企業法施行令にも、地方公営企業に関して同様の定めがある。
しかしながら、当該担保提供義務の規定は、指定金等の破綻や事務ミスによる損害賠償など広範な債務の履行を確保するためのものと考えられるが、@収納・支払いに係る地方公金は、仕掛かり中の決済債務および決済用預金として預金保険法により全額保護されている、A収納・支払いの事務について個別地方公共団体と指定金が締結している事務委託契約の中で、損害賠償責任および担保について定めている、等の理由から、法令による担保提供の義務付けは過剰であると考えられる。
したがって、地方公共団体に対する指定金融機関等の担保提供を法令で義務付けることについて、その実態や地方公共団体の意見等も踏まえ、その在り方について検討すべきである。
(オ)信託兼営金融機関等に対する信託専門関連業務子会社が営む業務(信託兼営金融機関が本体で営みうるものに限る)の代理業務の解禁【平成19 年度結論】
信託専門関連業務子会社の営む併営業務を、親会社である信託兼営金融機関等が取扱い、窓口業務を担うといったニーズが存在するが、信託兼営金融機関等は、信託専門関連業務子会社が営む兼営法第1条第1項第4号から第7号に掲げる業務の代理業務を行うことができない。
しかしながら、信託兼営金融機関が営むことができる併営業務を信託専門関連業務子会社が営み、当該業務について、親会社である信託兼営金融機関が代理業務を行うことや親会社である信託兼営金融機関が認可を受けて営むことができる業務で、信託専門関連業務子会社が認可を受けて営んでいる業務の代理を行うことは、必ずしも業務の適正を損なう恐れがあるとはいえないと考えられる。
証券代行業務、相続関連業務等については実務上強いニーズがあり、本要望が手当てされれば、業務の効率化等を目的とした組織再編成の選択肢が広がり、顧客利便の向上が期待できる。
したがって、信託兼営金融機関等について、信託専門関連業務子会社が営む併営業務(信託兼営金融機関が本体で営みうるものに限る)の代理業務の規制についての緩和を検討し、結論を得るべきである。
C 各分野における個別事項【イ 証券】
(ア)投資顧問業法第35 条に基づく営業報告書の記載事項の簡素化【平成19 年度検討】
投資顧問業者に毎営業年度経過後3ヶ月以内に提出が義務付けられている営業報告書には、有価証券の引受け等の状況として、顧客に対して助言を行った銘柄又は顧客のために投資を行った銘柄と同一の銘柄の引受け等についての記載が義務付けられている。
投資顧問業者が信託業務等を営む場合において、当該投資顧問業者が引受け等を行った有価証券について、投資顧問契約及び投資一任契約を締結している顧客に対して、助言や一任された投資判断に基づく投資を行ったときは、投資顧問業法第16 条第1項に規定する書面でこれを明らかにしなければならないが(投資顧問業法施行令第13 条第3項、第16 条)、当該書面を顧客に交付しなくても公益又は投資者保護のために支障を生ずることがないと認められるものとして内閣総理大臣の承認を受けたときは、書面交付が不要とされている(投資顧問業法第23 条の2第1項、第23 条の3第1項)。
したがって、内閣総理大臣の承認を受けて、投資顧問業法第16 条第1項に規定する書面交付が不要とされた投資顧問業者については、投資顧問業法第35条に基づく営業報告書の記載事項につき、利益相反防止のための監督上の必要性を勘案しつつ、検討すべきである。
(イ)有価証券購入代金のクレジットカード決済【平成19 年度検討】
現在、証券会社又は証券仲介業者が金銭を貸し付けることを条件として有価証券の売買の受託等をすることは証券取引法により禁止されており、有価証券購入代金の決済をクレジットカードで行うことに関しては、これに該当するおそれが強いため、現在行われていない。
他方、クレジットカード決済は、現金に代わる決済手段として一般的に普及している決済手段の一つであり、クレジットカードによる決済を認めることによって消費者にとって決済手段の選択肢が広がり、利便性の向上に資する面もある。
したがって、これらを踏まえ、金融商品取引法に基づく政令・内閣府令を整備するなかで、「投資者の保護に欠けるおそれが少ないと認められるもの」(金商法第44 条の2第1項第1号・第2項第1号、第66 条の14 第1号ホ)としてどのようなものが考えられるかにつき検討するべきである。
C 各分野における個別事項【ウ 保険】
(ア)保険会社の特定子会社(ベンチャーキャピタル子会社)の保有比率10%超投資対象企業の範囲等の拡大【平成19 年度検討】
昨今のベンチャー市場においては、従来からあるベンチャー企業に加え、大企業からのスピンオフや大学発など、多種多様な企業が設立されている。これらの企業は、技術的・ビジネスモデル的に競争力を有しているが、資金・人材等が不足している場合も多い。こうした状況において、保険会社の特定子会社が10%を超えて投資できる企業の範囲が拡大されれば、当該ベンチャー企業の資金ニーズに応えることができる。
また、投資した時点ではその対象であった企業について、成長により事業規模等が拡大した場合でも、追加投資を行うことが可能となれば、当該企業からの支援継続等の依頼に応えることができる。
保険業法107 条では、保険会社の業務範囲規制の潜脱等を防ぐ観点から、保険会社又はその子会社が一般事業会社の議決権を10%超保有することを禁止しているが、特定子会社については、一定の要件を満たすベンチャー企業の議決権を10 年間に限り10%超保有することが認められている。この10 年間の保有期間制限を維持した上で、保険業法施行規則56 条に規定するベンチャー企業の範囲を合理的限度で拡大することは、業務範囲規制等の趣旨からも問題ないものとも考えられる。
したがって、保険会社の特定子会社が10%を超えて投資できる企業の範囲について、例えば設立間もない企業などにまで拡大することなどを検討すべきである。
(イ)保険会社本体による投資顧問契約等の締結の勧誘【平成19 年度検討】
企業年金市場における保険会社の顧客を中心として、投資顧問会社の商品に対する潜在的ニーズがあり、保険会社が顧客に対して投資顧問契約等の勧誘を行えることとなれば、顧客利便性の向上、保険会社のエクセスキャパシティ活用の観点から極めて有効であると考えられる。
現在、保険会社は投資顧問契約等について顧客の紹介を行うことは可能であり、顧客のニーズにより能動的に対応する観点からその勧誘を行える事としても、保険会社の業務範囲規制の観点から問題ない可能性もある。
また、信託銀行による投資助言業務・投資一任業務の本体兼営が可能とされた中、信託銀行と同様に企業年金受託機関として投資顧問業との親近性を有する保険会社について、投資顧問契約等の締結の勧誘を認めることは、規制の均衡という観点からも妥当なものと考えられる。
したがって、保険会社本体で、系列投資顧問会社等に係る投資顧問契約等の顧客の勧誘を行うことを認めるべきである。
(ウ)保険会社の業務の代理、事務の代行の届出制への移行【平成19 年度検討】
保険会社の経営資源の有効活用や、既存の募集チャネルを活用した生損保のクロス・マーケティングを可能とする観点から、保険会社は保険業法施行規則51 条により、他の保険会社の、@)保険の引受その他の業務に係る書類等の作成及び授受等、A)保険料の収納事務及び保険金等の支払事務、B)保険事故その他の保険契約に係る事項の調査、C)保険募集を行う者の教育及び管理、という業務の代理や事務の代行を行うことが認められるが、当該業務を行うためには内閣総理大臣の認可を要することとされている。
他の保険会社の業務の代理、事務の代行を営むことを認可にかからしめているのは、生損保兼営禁止の趣旨や子会社方式による相互参入を認めた趣旨に反しないか否かを事前にチェックする必要があるからとされ、具体的には業務代理等に関する十分な知識及び経験を有する役員又は使用人が確保されているか等、認可申請者として業務の代理等を的確に行う能力を備えているかといった観点からの審査を行うこととされている。
しかしながら、冒頭述べたような生損保の様々な商品を利用者に迅速に提供するといった観点からは、認可はその取得までに相応の期間を要し、必ずしも本制度の十分な活用が図られているとは言えない面もあるほか、当該規制の目的の実現については、必ずしも認可という規制でなくとも一定の要件を具備した旨の届出を課した上で、事後的な検査・監督によって適切な業務が遂行されているか否かをチェックすることで達成されるものと考えられる。
したがって、保険会社の経営資源の有効活用および顧客利便性の向上に向けて、現在認可によって行うことのできる業務のうち、認可制から届出制とすることができるものがないか検討すべきである。
(エ)保険会社の資産別運用比率規制の見直し【平成19 年度検討開始】
保険会社の財務の健全性を確保する観点から、保険会社の資産運用については、例えば国内株式及び外貨建資産の保有はそれぞれ総資産の30%、不動産の保有は総資産の20%を超えてはならないとされている。
しかしながら、ソルベンシー・マージン比率の算定方法の見直しや、各保険会社に対するオフサイトモニタリングの導入といった保険会社の健全性を確保するための事後監督手法が構築されてから既に5年が経過しており、こうした保険会社に対する監督手法が変化している状況のなかで、各社一律の事前規制である資産別運用比率規制については、見直しをすることが考えられる。
したがって、以上の状況を勘案し、現在行われているソルベンシー・マージン比率の算出基準等に関する検討の結果等を踏まえた上で、保険会社の健全性を確保しつつ、経営の自由度向上や、より機動的な資産運用を可能とする観点から、保険会社に対する資産別運用比率規制の見直しについて検討すべきである。
(オ)自賠責保険の手続き等に関する各種規制の緩和【平成19 年度結論】
金融分野においても様々な規制緩和が進んでいるなかで、自賠責保険の手続き等においては、なお合理的とは言えない規制が存在している。
一つは、保険契約者は自賠責保険証明書の記載内容に変更が生じた場合には、当該変更内容を証明書上に直接記入する形で手続きを完了し、自動車に備え付けなければ自動車の運行が出来ないこととされている。
これについては、当該車両を継続して運行することを可能とし、顧客利便の向上が図られるよう、手続の簡素化等を行うべきである。
また、自賠法において、同一の車両について複数の自賠責保険契約が締結された場合には保険期間の終期が早い方の契約を解約することと定められている。
しかしながら、仮に保険期間の終期が早い方の自賠責保険契約を継続させる場合であっても、当該継続される契約が当該車両の車検期間を満たしていれば、原動機付自転車等の車検対象外の自動車を除き、基本的には無保険車が発生することは考えられず、契約者にとって、解約せずに継続させたい契約を選択することが可能となるという意味で、重複契約の解消と契約者の利便性も向上することとなる。
したがって、自賠責保険における変更手続き規制の緩和や重複契約時の解約規制の緩和といった自賠責保険にかかる契約手続き等に関する上記の規制についての緩和を検討し、結論を得るべきである。
(カ)共済事業にかかる契約者保護ルールの整備【平成19 年度措置】
保険、共済ともに一般消費者から見た保障の確実性に対する期待に変わりはなく、対象を組合員に限定していても、共済の大規模化、商品の高額化・多様化といった実態を考慮すれば、消費者保護のための規制は必要不可欠である。
現在、制度共済は各々の主務官庁の監督を受けて事業を行っているが、それぞれの根拠法によって監督内容が異なり、規制の整合性が取れていない。
特に消費生活協同組合法については、保険業法、農業協同組合法及び中小企業等協同組合法と比較し、健全性規制、募集規制等の契約者保護ルールが不十分な内容となっている。また、具体的なルールは法令ではなく通達に規定されている。
したがって、消費者保護の観点から、消費者生活協同組合法を抜本的に改正し、経営の健全性規制(責任準備金の積立基準、ソルベンシー・マージン基準および早期是正措置、兼業規制等)、情報開示規制、募集規制等について、消費生活協同組合の性質を踏まえ、また、他の協同組合法における規定の整備状況を参考にしながら、規制を整備するとともに、行政の透明性の観点から、共済計理人の関与の義務づけなど、現在通知で定められている規制のうち必要なものについては、法令上明確に規定すべきである。
@ 廃棄物のエネルギー利用の推進【平成21 年度まで実施】
  地球温暖化対策の要請を踏まえ、循環型社会形成推進基本法に規定する循環的利用の優先順位を留意しつつ、廃棄物のエネルギー利用の推進を図る必要があることから、その支援を進めていくべきである。
A 木くずの運用の明確化【平成19 年度中に措置】
  産業廃棄物処理施設の設置は、廃棄物処理法の規定に基づき都道府県知事の許可を必要とするが、都道府県によっては、製材所等から排出される木くずを自らの事業所内において、燃料として有効利用する場合は、当該燃焼炉等を廃棄物処理施設として扱わないなどの運用が行われている。しかしながら、当該運用について各都道府県で判断が異なり、木くずの円滑な有効活用が困難となっているケースがある。
したがって、製材所等から排出される木くずを自らの事業所内において、燃料として有効利用する場合、一定の条件を満たすものに関しては、当該設備を廃棄物処理施設としてではなく、製造工程の一部として扱うべく運用を明確化すべきである。
B 都道府県及び市町村の指定制度の活用促進【平成19 年度中に措置】
  現在、各地方公共団体の判断により、廃棄物処理法上の業の許可手続を不要にし、円滑にリサイクルを進めるための制度として、指定制度が存在する。しかしながら、必ずしも各地方公共団体で当該制度の利用促進が図られているわけではない。したがって、当該制度を地方公共団体及び事業者が、積極的かつ有効に制度を活用できる環境を整えるべく、周知を図るべきである。
@ 大容量泡放射システムの性能規定化【平成19 年度中に措置】
  平成15 年9月26 日の十勝沖地震後により発生したコンビナート大規模火災の教訓から、大容量泡放射システムの配備を平成20 年11 月30 日までに義務化しているが、現行の国内規定では同システムに対応する技術上の基準がなく、これまで全て特例制度で対応している。したがって、当該システムの導入を促進するため、大容量泡放射システムに対応できる性能規定を策定すべきである。
@ 外国人の在留に係る情報の相互照会・提供【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
  外国人登録制度が後述(1)Aのとおり大幅に見直されることを踏まえ、外国人の権利の保護及び義務の履行に係る情報について、国及び地方の財政負担を軽減しつつ、地方入国管理局が利用する外国人出入国情報システムと適法な在留外国人の台帳制度など、国の機関と地方公共団体との間において、及び、法務省と厚生労働省など、国の機関同士において、合理的な範囲で相互に照会・提供する仕組みの整備を行うべきである。
これにより、国民健康保険の被保険者資格のように、本人の届出以前に資格が発生している場合の適用促進や、学齢児童生徒及び保護者への就学案内など、外国人住民からの申請がなくとも提供される行政サービスに係る利便の増進につながることで、後述(1)Dの在留資格の変更、及び在留期間の更新許可に係る審査を効率的・効果的に行うことができ、「法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う」との地方自治法第10 条第2項の規定が、外国人住民にとっても更に有効に機能することになると考えられる。
A 外国人登録制度の見直し【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
  外国人登録法(昭和27年法律第125号)は在留外国人の公正な管理に資することを目的としており、この点において出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)と変わるところがない。その目的は、外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめることで達せられるとされるが、この点により、外国人登録制度は外国人住民の地位に関する記録としても利用されるところとなっている。
しかしながら、事務を行う市町村では、現行の外国人登録制度が世帯単位での住民の捕捉を想定していないため、これを把握して行政の効率的な運用に資するべく、独自のシステムを構築し、その開発や維持管理に相当の経費を支出せざるを得ない等の課題もある。
したがって、外国人の身分関係や在留に係る規制については、原則として出入国管理及び難民認定法に集約し、現行の外国人登録制度は、国及び地方公共団体の財政負担を軽減しつつ、市町村が外国人についても住民として正確な情報を保有して、その居住関係を把握する法的根拠を整備する観点から、住民基本台帳制度も参考とし、適法な在留外国人の台帳制度へと改編するべきである。その際は、先述(1)@の外国人の在留に係る情報の相互照会・提供が可能な仕組みと合わせて整備するべきである。
なお、改編後の当該制度の目的は、現行の外国人登録法及び日本人住民を対象とする住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)も参考として、外国人住民の居住関係を明確ならしめ、在留外国人の公正な管理に資するとともに、外国人住民の利便を増進し、国及び地方公共団体の行政の合理化に資すること、とすべきである。
また、現在の外国人登録証明書に代わるものとして、例えば、在留カードを発行する場合には、出入国管理及び難民認定法第7条の2が規定する在留資格認定証明書や、同法第19条の2が規定する就労資格証明書の機能も併せて持たせることなども検討し、外国人の上陸や在留に係る手続全体の合理化を図るべきである。
B 使用者に対する責任の明確化
ア 不法就労者を使用する事業主への厳格な対処【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
出入国管理及び難民認定法第73 条の2第1項は、「事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者」や「外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下においた者」等を不法就労助長罪の処罰の対象としているところ、同罪は故意犯であるため、当該外国人の在留資格に関する認識がない旨弁解した場合においては、同罪の適用は必ずしも容易ではない。
そこで、事業主等が、雇用している外国人が在留資格を有していないことを知らないことを理由として不法就労助長罪の適用を免れることができるなどの問題を踏まえ、不法就労者を雇用する事業主への厳格な対処に実効性が高まるよう出入国管理及び難民認定法を改正すべきである。
なお、同法の改正内容は、後述Bイの「『外国人雇用状況報告』の内容拡充・義務化」との間で連携を図るのと併せて、「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」(平成5年5月26 日労働省基発第329 号、職発第414 号、能発第128号通達)による外国人労働者の雇入れ時における使用者による在留資格の確認を実効性あるものとするべきである。
イ 「外国人雇用状況報告」の内容拡充・義務化【平成19 年通常国会に関係法案提出】
職業安定法(昭和22 年法律第141 号)第53 条の2において、厚生労働大臣は法務大臣の協力を求めることができるとされ、この協力を求めるのに必要となる外国人の雇用状況を把握するため、職業安定法施行規則(昭和22 年労働省令第12 号)第34 条において、厚生労働大臣は事業主に外国人雇用状況の報告について協力を求めることができる旨が規定されている。
当該報告を、不法就労の防止、雇用保険の加入促進等、職業安定行政における必要性の観点から再整理して、雇用対策法(昭和41 年法律第132 号)を改正するべきである。改正後は、外国人を雇用する全ての事業主に対して、国籍、在留資格・在留期限の報告を義務づけるとともに、その実効性を高める観点から、報告義務の懈怠や虚偽報告に対する罰則についても、雇用対策法や雇用保険法(昭和49 年法律第116 号)における現行規定との均衡を図りつつ、併せて措置すべきである。
なお、報告先は従来通り公共職業安定所とし、様式や時期についても雇用保険被保険者資格に係る手続と同様とするなど、事業主の事務負担には十分に配慮すべきである。また、収集した情報は出入国管理行政における効果的な在留管理の実施や、社会保険加入の徹底につなげるよう活用すべきである。
さらに、「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」に規定されている事項のうち、必要な事項を法的根拠のある指針に位置付けることについては、外国人労働者の雇入れ時における使用者による在留資格確認義務の実効性が上がるよう、先述(1)Bアの「不法就労者を使用する事業主への厳格な対処」に係る出入国管理及び難民認定法の改正の方向性をも念頭に置きつつ、結論を得、速やかに措置すべきである。
C 使用者以外の受入れ機関等に対する責任の明確化【(1)@、Aの施行までに措置】
  「入国・在留審査要領」(平成17 年7月26 日法務省管在第3260 号通達)において、就学生や留学生が学ぶ教育機関に対して、その在籍状況を地方入国管理局向けに定期的に報告することを任意で求めている取扱いを、出入国管理及び難民認定法の関連法令へと格上げを図り実効性を高めるべきである。
格上げに当たっては、先述(1)Bイの外国人雇用状況報告の対象とならない雇用関係のない者(研修生等)も含むべきであり、不適正な事案が判明した場合の対処、資格ごとに異なると考えられる徴求事項への対応を可能とする随時照会・回答といった手法についても規定すべきである。
D 在留資格の変更、及び在留期間の更新許可のガイドライン化並びに不許可事例の公表等【ガイドライン化については平成19 年度措置、不許可事例の公表については19 年度以降逐次措置、情報収集の在り方については(1)@の施行までに検討・結論】
  現行法令下における在留管理制度の1つである出入国管理及び難民認定法に基づく在留資格の変更の許可、もしくは在留期間の更新の許可を外国人が得るためには、変更、あるいは更新を適当と認めるに足る相当の理由があるときに限るとされる。
相当の理由があるか否かの判断は専ら法務大臣の自由な裁量に委ねられ、申請者の在留の状況、在留の必要性、相当性等を総合的に勘案して、認めるに足りるか否かを判断するとされる。
一方、外国人の在留期間の長期化、定着化傾向が進む中で生じている事象をかんがみるに、受け入れた外国人及びその家族の人権や文化的・社会的背景に配慮しつつ、「法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う」との地方自治法第10条第2項の規定も考慮しつつ、個別・具体的に対応することがますます重要になってきていると考えられる。
したがって、当初の上陸許可から一定の期間が経過した後に申請される在留資格の変更、及び在留期間の更新の許可においては、法務大臣の自由な裁量を認めつつも、出入国管理及び難民認定法第22 条、及び「永住許可に関するガイドライン」(平成18 年3月31 日法務省入国管理局公表)に倣って、「素行が善良であること」及び「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」、かつ「その者の在留が日本国の利益に合する」との事情を考慮すべきであり、運用の明確化と透明性向上を図る観点から、その内容をガイドライン化するとともに、許可されなかった事例についても併せて公表すべきである。
なお、考慮する事項としては、出入国管理行政の透明性の向上に加え、各市町村や関係行政機関における行政事務の遂行・窓口事務の円滑化の観点から、ア 国税の納付状況、イ 地方税の納付状況、ウ 社会保険の加入状況、エ 雇用・労働条件、オ (家族が同時に滞在している場合には)子弟の就学状況、カ (在留資格の特性に応じ)日本語能力等をガイドラインにおいて明示的に表記すべきであるが、列挙した事項を外形的に利用することについては、徴収猶予等の付随する状況を慎重に判断して運用することにも留意して措置すべきである。
特に、オの子弟の就学状況に関しては、我が国に居住する外国人児童・生徒の保護者には日本国憲法第26 条の規定が適用されないとされる中、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)(昭和54 年条約第6号)第13 条は外国人児童・生徒も対象として含むことから、同条が外国人児童・生徒の我が国における教育の機会を保障していながら、その不就学の問題が指摘される状況にあって、どのような場合に在留資格の変更、及び在留期間の更新に係る要件を充足したと認めるかどうかといった点だけでなく、不就学外国人児童生徒支援事業のほか、外国人児童・生徒に学習の機会を確保する方策について、関係者のコスト負担のあり方にも留意しつつ、幅広く検討を行うべきである。さらに、カの日本語能力に関しても、我が国においては各地の国際交流協会等が中心となって在留外国人に日本語教育機会を提供する現状にあって、地域日本語教育支援事業、JSLカリキュラム(日本語を第2言語として学習するカリキュラム)の開発に加え、我が国の受入れ機関の関与の在り方、送出し国における態勢の構築支援など、同様に幅広く検討すべきである。
また、例示した諸情報は、外国人本人に書類の提出を求めることによる既存の制度で取得しうる情報を有効に活用しつつ、国の機関同士、及び国の機関と地方公共団体との間で我が国における外国人の権利の保護及び義務の履行に係る情報を効果的かつ効率的に収集することが可能となるよう、先述(1)@「外国人の在留に係る情報の相互照会・提供」の施行までに検討し、結論を得るべきである。
E 永住許可を得た外国人に対する在留管理の在り方等【(1)@、Aに係る関係法案提出までに検討、結論】
  在留資格「永住者」は他の資格と異なり、一度許可を受ければ退去強制事由に該当しない限り我が国に引き続いて在留することが可能である。以降は在留期間の更新手続が原則として不要になるという意味では、出入国管理及び難民認定法が外国人に認める最も安定的な法的地位である。
その安定的な効果は同法第22 条第2項が規定する「素行が善良であること」及び「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」、かつ「その者の永住が日本国の利益に合する」との要件に支えられていると考えられるが、「永住者」が在留管理上の規制をほとんど受けないとの現状は、在留期間に制限のあるその他の在留資格を得た者や、国籍法(昭和25 年法律第147 号)により帰化の許可を得て我が国の国籍を得た者に係る権利・義務関係との間で均衡を図る必要があると考えられる。
したがって、先述(1)Bイの「『外国人雇用状況報告』の内容拡充・義務化」により収集された情報の活用や、例えば、在留カードを発行する場合には、地方入国管理局での在留カードの確認申請期間を設けるなどの方法で、一定期間ごとに永住許可を得た外国人の在留状況をチェックし、在留実績がない者等に対して入国・在留管理上の規制を行うことについて検討し、結論を得るべきである。
@ 実務研修中の法的保護の在り方【(2)Aの施行までに措置】
  現在の研修期間中に支払われる研修手当は、出入国管理及び難民認定法上、在留資格「研修」が非就労資格と規定されていることから賃金ではなく、「生活する上で必要と認められる実費の支給」という位置付けとなっている。しかしながら、研修生を受入れる企業等の中には、これを悪用して研修生を実質的に低賃金労働者として扱っているものも見受けられ、国内のみならず研修生送出し国からも適正化が求められているところである。
したがって、研修・技能実習制度の見直しの中で、在留資格「研修」の在留活動の一部である実務研修中の研修生が、実質的な低賃金労働者として扱われる等労働に従事させられることなく、制度本来の目的である技能移転が適正に行われ、かつ、研修手当が適切に支払われるよう、その法的保護を図るために必要な措置を講ずるべきである。
A 技能実習生に係る在留資格の整備【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
  平成17 年の技能実習生への移行者数は32,394 人を数え、他の就労可能な在留資格の多くと遜色ない水準にあるものの、その在留資格は「特定活動」として、在留活動は「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」とされており、その内容は法律において明確になっていない。
したがって、第2次出入国管理基本計画(平成12 年法務省告示第119 号)において既に指摘事項でもあったこの点については、技能実習生の安定的な法的地位を確立する観点から、出入国管理及び難民認定法別表第一に、技能実習に係る在留資格を早急に整備すべきである。
B 法令以外の規定に基づく規制等の見直し【(2)Aの施行までに措置】
  外国人研修・技能実習制度に関して現在有効な規制としては「技能実習制度に係る出入国管理上の取扱いに関する指針」(平成5年法務省告示第141 号)、「技能実習制度推進事業運営基本方針」(平成5年4月5日労働大臣公示)、「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」(平成11 年2月法務省入国管理局公表)が挙げられる。
受入れ機関等の研修生及び技能実習生に対する監理責任は、以上の規制等においては法的な位置付けが曖昧で担保措置が不十分であることから、出入国管理及び難民認定法関連の政省令へと格上げを行うべきである。その際は、受入れ機関に対する不正行為を認定する基準をより明確化するとともに、当該不正行為の程度や内容に応じて、例えば、重大な不正行為については新規受入れ停止期間を5年に延長するなどして、規制の実効性を向上させることについても併せて措置すべきである。
(3)「技術」、「人文知識・国際業務」の運用の明確化【平成19 年度検討、結論】
  現在、専門的知識や技術的能力を有する外国人が我が国において就労可能とされる在留資格の中に、「技術」、「人文知識・国際業務」がある。これらの在留資格においては、自然・人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務につき、@ 大学卒業の学歴(又はこれと同等以上の教育を受けたこと)を有すること、又は、A 10 年以上の実務経験を有することのいずれかが求められている。
このため、例えば、留学生が我が国の大学の福祉系学部を卒業したのち、我が国の社会福祉士の国家資格を取得し、在留資格「人文知識・国際業務」に基づく業務について就労が許可される場合がある。
こうした事例を踏まえ、「技術」、「人文知識・国際業務」の在留資格の下で行うことができる業務として、具体的にどのようなものが含まれるかについて、典型的な業務の事例を公表し、運用の明確化及び透明性の向上を図るべきである。
(4)「企業内転勤」における活動範囲の見直し【平成19 年度検討、結論】
  出入国管理及び難民認定法が外国人に我が国での就労を認める在留資格の1つである「企業内転勤」は、本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関が外国に有する事業所の職員が、本邦にある事業所に期間を定めて転勤し、当該事業所において、在留資格「技術」又は「人文知識・国際業務」の項に掲げられた活動を行うものとされる。
一方で、いわゆる多国籍企業の我が国における活動は、本店所在地が我が国であると外国であるとを問わず多様なものとなっており、「技術」及び「人文知識・国際業務」に掲げられた内容に止まらない現状にあると考えられることに加え、在留資格「企業内転勤」を得て入国する外国人の数は平成17 年で4,184 人と、アメリカやイギリスなど対内直接投資残高の多い国との比較において少ないことから、当該資格に係る規制、及びその運用の改善は対内直接投資を促進する側面を有するとも考えられる。
したがって、「対日直接投資促進策の推進について」(平成15 年3月27 日及び平成18 年6月20 日対日投資会議決定)において示された、雇用・生活環境の整備の一環として外国人の入国、在留制度を改善して対日直接投資残高の増加に寄与させるとの観点、さらに「『科学技術に関する基本政策について』に対する答申」(平成17 年12月27 日)において示された、優れた外国人研究者の招へい・登用を促進するとの観点も踏まえつつ、例えば、企業内転勤の形態で、本邦の事業所において在留資格「研究」の活動に従事する場合には、有する学位や経験について在留資格「研究」に係る現行の要件を満たしていない場合においても、入国・在留が可能となるよう検討し、結論を得るべきである。
(5)高度人材の移入に資する在留期間の見直し【遅くとも平成21 年通常国会までに関係法案提出】
  出入国管理及び難民認定法第2条の2第3項に基づき、我が国における外国人の在留期間は概ね3年になっているところ、構造改革特別区域における規制の特例措置を経たのちに全国展開された特定研究活動及び特定情報処理活動等についてのみ5年とされている。
我が国の経済等に貢献する知識や技術を有するその他の高度な人材についても、安定的に事業等に専念するには短期間であるとの指摘がある他、その受入れ数は伸び悩んでいる中で、政府方針に沿って積極的な受入れを促進するための施策の一つとして、在留期間の上限を見直すべきである。
不法残留者等の不法滞在者のみならず、正規の在留資格を有しながら本来の目的と異なる活動を行う偽装滞在者が社会問題化し、厳格な対応が求められている点について、在留資格取消し制度の運用状況の安定、新たな在留管理制度の構築を前提に、専門的・技術的分野の外国人労働者については、在留資格毎の特性に応じ、外国人の勤務先に一定の要件を設けるなどの措置も講じた上で、在留期間の上限を5年程度に引き上げるべきである。
(6)高度人材の移入に資する再入国許可制度の見直し【平成19 年度検討、結論】
  我が国の入国管理制度上、外国人が一旦出国することにより、当該外国人に係る各種の上陸許可の効力や付与されていた在留資格・在留期間・地位は消滅するとされるが、出入国管理及び難民認定法第26 条は、外国人が我が国を出国する前にあらかじめ再入国許可を得た場合には、再び我が国に入国するに当たって査証を不要とし、再入国した時点でも出国以前の在留資格及び在留期間が継続すると規定している。
しかしながら、専門的・技術的分野の外国人労働者は、我が国に在留することが許可された後であっても、外国への出張や送出し国への一時帰国の機会が少なくない。
その都度、地方入国管理局に申請して許可を得る必要があることは、円滑な移動を妨げている面があり、現行制度において数次の再入国が許可される場合があることを踏まえても、所要の手続や手数料が無用ではないかとの認識に立って制度自体の廃止を求める指摘がある。
新たな在留管理制度の構築を前提として、不法入国者・不法滞在者等の強力な摘発・円滑な退去強制が可能とするだけでなく、規制緩和を容易にして、専門的・技術的分野の外国人労働者が我が国に入国・在留する上での利便性を高めることを検討すべきであると考えられる。
したがって、先述(5)の高度人材の移入に資する在留期間の見直しとの緩和策と併せ、諸外国における高度人材向けの処遇の在り方や、在留資格毎の特性なども踏まえつつ、再入国許可制度の見直しについて検討し、結論を得るべきである。
@ 医師等医療資格者の一定以上の資質の確保
  医師免許取得者については、平成18年の通常国会で成立した医師法等の改正における「行政処分を受けた医師等に対する再教育の義務付け」等を実効性あるものとするため、当該制度を厳格に運用し、医師等の免許取得者の資質が確保できるように取り組むべきである。
なお、医療事故の発生予防・再発防止のため、ヒヤリ・ハット事例の収集・分析を引き続き行うとともに、事故発生の原因等の重大な情報を提供する等、国民に対し安心・安全で質の高い医療を提供するための施策を総合的な観点から講ずべきである。【逐次実施】
A 医師の資質維持・向上のための取組
  医師には、医師免許取得は終点ではなく、その取得を起点とした生涯に亘る職業人としての修練、研鑽が求められる。医師の知識・技能の水準は患者の生死に関わることでもあることから、特に臨床に当たる医師については、医師として一定水準以上の知識技能の維持は絶対的な条件であり、さらにはその向上を図ることは利用者の信頼にもつながる。
また、医療の受け手である患者の中には、医療事故の防止や医師の技能への信頼を担保する等のために、医師資格更新制等の医師や保険医に定期的に何らかの資格更新させる制度を導入することが有効ではないかとの意見もあり、患者、医療者等に賛否両論はあるものの、その導入の是非やそれに代わるような代替案の審議検討も求められているところでもある。
したがって、医師の資質について専門的且つ客観的に定期的なチェックをするための取組を推進するほか、定期講習の受講等により医療保険制度や医療安全等の最新情報にキャッチアップするための取組、また、医療安全等に関するガイドライン等を提供、改定、周知すること等により医師の知識・技能と資質向上をサポートするための取組について、必要な施策を講ずべきである。【平成19年度検討・結論】
B 専門医制度と医師免許との連携を含めた総合的な視点から医師資格制度の見直し
  多様な医療の専門分化により、公的資格である「医師免許」だけでは、医師個々の専門領域を表し得なくなってきている。他方、これを補完するような専門医、認定医等の機能分化に対応した学会等の付与による資格は、必ずしも技術的評価が伴っていない、各専門資格間でその評価基準に統一性が無い等の指摘がある。
したがって、専門医等の資格取得に当たって質の確保を図る観点から、専門医資格は学会等の医療従事者の自治・自発性の下で、公的にも一定のサポートを行うことを含め、患者から納得が得られる専門分野に係る国際標準にも合致する知識・臨床上の技能等を有する専門医の在り方について、速やかに検討すべきである。【速やかに検討開始、平成19年度中に結論】
また、医療施設の機能分化や在宅診療の推進等により、診療所等でのプライマリケアの重要度が増すとともに、はしご受診等を防ぐため診療所等での初期診断における医師の技能や問診等のコミュニケーション能力も求められる。そのため、プライマリケアにおける総合的な診断力等の一層の向上のための研修内容の充実、全科に係る基本的な診断力を有する総合診療医の育成等についても、学会等の医療従事者の自治・自発のもとで取り組まれているが、公的にもサポートを行うことを含め、プライマリケアを担う医師の知識・技能・資質の在り方についても、速やかに検討すべきである。【速やかに検討開始、平成19年度中に結論】
(2)医療従事者の労働派遣
  医療従事者の労働者派遣については、平成18 年4月から、産前産後休業、育児休業、介護休業中の労働者の業務及びへき地を含む市町村の病院等における医師の一般労働派遣が可能となった。その結果、へき地を有する仙台市、京都市、福岡市等多くの県庁所在地の市においても医師の一般労働派遣が可能となり、一定の前進がみられたところである。
近時、医師の地域間や診療科目間での偏在や病院における医師不足が問題視されており、その偏在解消のための一つのツールとして、ドクターバンク等の就職を斡旋する紹介制度が医療現場に定着しつつある。また、看護師等についても都道府県ナースセンターの行う無料職業紹介であるナースバンク事業が定着しており、潜在看護師の掘り起こし等に効果を上げているところである。今後、更なる潜在看護師の掘り起こしや、様々な家庭事情による就労希望条件にマッチした働き方の実現が一層しやすくなる環境を提供する観点から、派遣制度の活用も効果的であると考えられる。
したがって、医療分野における労働者派遣のニーズや紹介予定派遣の運用状況、医療サービスの質や同じチームで働く常勤の職員の負担への影響等を踏まえつつ、医療従事者の派遣労働を可能とするべく検討し、結論を得るべきである。【平成19 年度中に検討・結論】
@ 株式会社の経営する医療機関の取扱可能範囲の拡大
  平成16年10月から構造改革特区において、株式会社による参入が認められたが、参入が可能とされる対象は、自由診療(保険外診療)であり、かつ、6件の個別な「高度な医療等」に限る、とされている。このため、特区における実現件数は今日に至るまでわずか1件である。
したがって、特区において、株式会社が直接経営する医療機関が取り扱うことのできる医療行為の範囲については、各地方自治体等から具体的な要望があれば精力的に追加の検討を行うべきである。【平成19 年度以降検討】
A 非営利性の徹底の完徹とガバナンス等に係る経営安定化の取組
  今般の医療制度改革では、新設の医療法人においては、解散時の残余財産の帰属すべき者が限定されたが、既存の医療機関の過半を占める「持分の定めがある社団医療法人」については、「当分の間」その限定が適用されないこととされた。かかる経過措置により、改革後においても、医療法人の大宗を「持分のある社団医療法人」が占めることとなる。
したがって、今般の医療法人制度改革の趣旨を踏まえ、従来の経過措置型医療法人においては、社員の持ち分に応じた払い戻し請求により、安定的な法人運営に支障が生じるおそれがあり、移行によってこれを一定予防できるという利点についての理解を広めること等移行促進を図るための方策を検討し、措置すべきである。
さらに、医療法人の経営のより一層の近代化・安定化を図るため、株式会社の一部が採用している社外役員制や経営委員会制等を参考にした、外部の意見を取り入れるシステムを社団医療法人においても導入を可能とするための方策について検討し措置すべきである。【平成19 年度中に検討、速やかに措置】
(4)高度技能を有する外国人医師の受入促進
  外国の医師免許を有する外国人医師が医療に関する知識及び技能の修得を目的として訪日した場合は、外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第17 条及び歯科医師法第17 条の特例等に関する法律(昭和62 年法律第29 号)等で規定されたいわゆる臨床修練制度により、当該外国人医師は、厚生労働大臣の許可を受けて、指導医の指導監督の下で臨床を行うことができるとされている。臨床修練制度については、平成15 年の改正により、知識及び技能の習得の目的に加え「これに付随して行う教授を目的として」臨床を許可することとされ、事実上本制度の運用よっては高度な技術等を有する外国人医師が口頭や講義等に限らず臨床において術式等を行い教授することも可能になったところである。
しかしながら、このような制度運用についても周知徹底が不充分であり、また、一層の技術修練・教授の継続を希望する外国人医師の臨床修練の期間の延長等の運用の柔軟化等の課題もある。また、高度な医療技術を有する外国人が日本人医師に対して当該技能を伝授するために臨床することや、外国人医師が国内で制約なく臨床現場にて治療を施すことは、法律上認められていない。
したがって、臨床修練制度の運用により、入国する外国人医師又は外国人歯科医師が、医療に関する知識及び技能の習得に加え、これに付随して行う教授を目的として臨床実施することは認められているが、当該制度の周知徹底を図るとともに、臨床修練の許可に係る審査の迅速化を行う等、利用の促進と運用の円滑化のための必要な施策を引き続き講ずべきである。【平成19 年度中に措置】
@ 後発医薬品の使用における医師等の不安材料の解消のための情報提供の充実
  後発医薬品(ジェネリック薬)は医療費の適正化や患者負担の軽減等の利点があるため、国としてもその使用促進に取り組んでいるところである。後発医薬品と先発医薬品の同等性については厚生労働省において確認されているものの、後発医薬品を処方するか否かについて医学上の判断を下している医師等の中には、先発医薬品(いわゆるブランド薬)と比べた時の有効性等に対する疑義や供給体制等の製薬メーカーの体制不備、使用する添加剤や適応症の相違に係る情報不足等を理由に挙げ、その促進に懐疑的な者も少なくなく、そのような各メーカーの情報不備等の課題は後発医薬品の使用促進の障害となりかねない。
特に、後発医薬品メーカーの情報提供の不十分な状況は、速やかに改善すべき課題である。医療現場の医師等が後発医薬品の使用促進に取り組もうとし患者のために適当な後発医薬品に係る情報を得たいとしても、後発医薬品メーカーによる情報提供が先発メーカーと比べて不十分であることから、医師等が後発医薬品の安全性等についての情報提供を先発医薬品メーカーに頼るような例も見られる。
したがって、後発医薬品の使用を促進するため、先発医薬品と後発医薬品の同等性及び有効性・安全性に関する情報等、医療関係者が後発医薬品を使用するに当たって必要な情報を、医療関係者からの求めに応じ適切に提供できるよう、後発医薬品メーカーに体制整備を充実させるよう促す施策を講じるべきである。
また、その体制の整備に当たっては、先発医薬品メーカーの特許・著作権等に配慮するとともに、医薬品医療機器総合機構が提供する先発医薬品を含めた医薬品に係る情報を参照、活用する等により、後発医薬品メーカーに一層の情報提供の充実を促すべきである。【平成19 年度中に措置】
A 後発医薬品の使用促進策の更なる推進
  後発医薬品が普及した際には、先発医薬品と後発医薬品の間で薬効等の治療上の効果が同等であれば、特許期間後の先発医薬品と後発医薬品の価格を同じ価格とする考え方もある。その一方で、特許期間後においても、先発医薬品は、後発医薬品に比べて、安全性、有効性等に関する情報が豊富であることに加え、製薬企業の情報提供、安定供給等の体制に差があることから、後発医薬品よりも価格が高くなるという考え方もある。
そして、後発医薬品の使用促進を図る観点から、薬価制度の体系を見直し、先発医薬品メーカーの新薬開発インセンティブが保たれるような保険償還制度が存在し、安全使用の観点から先発医薬品と後発医薬品の情報提供、安定供給等が同等に保たれている場合には、保険償還価格は効果に対する価格評価とし、同じ価格とするいわゆる「参照価格制度」を導入すべきとの考え方もある。
平成18 年度薬価制度改革による画期的新薬の加算率の引上げの実施、後発医薬品の使用促進のための処方せん様式の変更による患者自身が後発医薬品を選択できる仕組みの導入など、厚生労働省において、先発医薬品の適正評価、後発医薬品の使用促進等の取組を行っているところであり、引き続きそのような取組を継続することも必要である。
したがって、例えば、画期的新薬については更に適切な評価を行うことを検討する等、新薬開発のインセンティブに配慮するとともに、後発医薬品の使用促進についても、現行施策の状況を踏まえつつ、診療報酬改定、薬価制度の体系の見直し等を含む更なる使用促進の方策について検討し、結論を得るべきである。【平成19年度中に検討、結論】
(6)国際共同治験の促進
  ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)における臨床試験に関する指針を踏まえたGCP(臨床試験の実施基準)等を遵守して収集・作成された外国臨床試験データについては、国際共同治験も含め既に我が国における承認審査資料として受け入れられているところであるが、我が国の医薬品の開発・承認を促進するため、現在推進している国際共同治験をより活用することとし、その治験データの受入基準等を明確する等、治験が早期かつ効率的に行われるシステムを構築すべきである。【平成19 年度中に措置】
(7)欧米諸国で承認された医薬品の本邦における承認の促進
  欧米諸国で承認されているが本邦では未承認の医薬品については、それらの医薬品が迅速に国民に提供されるよう、今後とも、専門家の意見を聞き、医療上の必要が高いと評価されたものを対象に、必要な治験を早期に実施するよう指導するとともに、優先的な承認審査等を行うことにより、本邦における迅速な承認を促進していくべきである。【逐次実施】
(8)地域医療に貢献する医療機関に対する診療報酬評価の在り方
  夜間対応、休日開業、在宅医療、また地域連携によるそれらの24 時間対応等、地域医療に貢献する医療機関に対する診療報酬上の評価については、平成18 年度診療報酬改定においても一定程度行われたところであるが、改定後の状況を踏まえた診療報酬上の評価の在り方について、今後さらに検討し、結論を得るべきである。【平成19 年度に検討・結論】
(9)診療報酬の診断群分類別包括支払方式の普及と定額払い方式への移行促進
  「規制改革・民間開放推進3か年計画(改定)」(平成17 年3月25 日閣議決定)の「3 診療報酬体系の透明化とEBMの一層の推進」の「(3)診療報酬の診断群分類別包括支払い方式の普及と定額払い方式への移行促進」に基づき、DPCの試行的導入の検証結果を踏まえ、最終的な目標としての診断群別定額払い方式の導入を、海外における診断群別定額払い方式(DRG−PPS(Diagnosis Related Group−Prospective Payment System)等)の導入効果を参考にして、検討し、結論を得て実施すべきである。【平成19 年度中に結論・措置】
(10)医師とコ・メディカルの間の実施可能業務の見直し
  昨今では、医師、看護師、薬剤師、技師等多くの医療従事者の協力体制の下で患者の治療に当たるチーム医療の重要性が増しており、医師、コ・メディカル間の業務分担の柔軟化等によるチーム医療の推進や生産性の向上等が期待されている。しかしながら、チーム医療等の医療提供の在り方に適応するよう、医師、コ・メディカル間の具体的な業務分担、責任分担を見直すことはこれまでなかった。
また、医療の高度化を背景にコ・メディカルの業務範囲の拡大や、それに対応した教育水準の高度化の要請も認められる一方で、我が国では、医師や看護師等の不足からチーム医療実施のための人材確保が難しい場合も指摘される等、その推進を難しくする状況も見受けられる。
また、医師、コ・メディカルの相互間での業務分担を見直し、医療従事者間の業務を相互に補完し合うことにより、特に不足する医療職種の役割を代替しつつも適切な医療を提供できるようにすることは、医療人材不足の緩和を図る一つの方法とも考えられる。
したがって、チーム医療等の医療提供の在り方に適合するよう、医師、コ・メディカル、医療補助者の役割分担の在り方を検討し、整理すべきである。また、諸外国の事例も参考に、看護職の教育の充実と看護職の活躍の機会の拡大について検討し、必要な措置を講ずべきである。【平成19 年度中に検討開始、逐次措置】
@ 学校選択の普及促進等
ア 相当と認められる就学校の変更理由
いじめへの対応、通学の利便性などの地理的な理由、部活動等学校独自の活動等の少なくとも3つの理由については、単なる事例の例示ではなく、どの市町村においても就学校の変更が認められてよい理由である旨が法令所管省庁である文部科学省から示されている以上、当該趣旨が重く受け止められることとなるよう、引き続き市町村教育委員会に対して周知徹底すべきである。併せて、当該制度の趣旨が保護者に対して確実に周知されるようにすべきである。また、学年途中において保護者が就学校の変更を求めた場合においても、就学校の変更を適切に行うよう引き続き市町村教育委員会に対して周知徹底すべきである。【平成18 年度中に措置】
さらに、必要に応じて各地方公共団体の取組を調査し公表すべきである。【平成19 年度以降逐次実施】
特に、いじめへの対応については、新入学時であるか学年の途中であるかにかかわらず、当該保護者から自発的に変更の申立があるなど深刻ないじめの場合には、時機を逸することなく十分配慮するよう市町村の教育委員会を促すべきである。加えて、被害者に対して就学校の変更を強いるような運用が学校現場でなされることのないよう、運用には十分に留意すべきである。【平成18 年度中に措置】
イ 就学指定の変更の要件及び手続の公表
法令を所管している文部科学省は上記のような、公的教育機関において違法が放置されている状況を直ちに是正する責務があり、指定した小学校又は中学校を変更することができる場合の要件及び手続をいまだ公表をしていない、対象となるすべての市町村教育委員会において、平成20 年度入学者向けの就学校指定通知が送付されるまで指定校の変更に関する必要な要件・手続を定め、その公表が完了することにより、学校教育法施行規則第33 条の規定が完全に遵守されることとなるよう、是正のための指導を行うべきである。【平成18 年度中に措置】
併せて、各市町村教育委員会が相当と認める具体的な就学校の変更に関する必要な要件及び手続の公表状況について、必要に応じてその取組を調査し、公表すべきである【平成19 年度以降逐次実施】
A 児童生徒・保護者による教員評価制度・学校評価制度の確立
  学校の自己評価の実施と公表については、設置基準において努力義務となっているが、同「3か年計画(再改定)」にある「授業や学級経営、生徒指導等を含む、学校教育活動に関する児童生徒・保護者による評価をその匿名性の担保に配慮しつつ、学校評価の一環として実施し、その評価結果を適切に取りまとめ、個人情報に配慮した上でホームページ等で公表するよう促す。校長は児童生徒・保護者による具体の評価結果を教育委員会に報告し、教員評価や教員研修を行っている市町村や都道府県の教育委員会が学校教育の改善のため、適切に活用できるよう促す」という内容について、各教育委員会や各学校において着実に実施されるよう引き続き促すべきである。特に、評価における匿名性の担保への配慮について、無記名による実施等の具体的な手法を紹介することなどを通じて、引き続き一層促すべきである。【平成18 年度中に措置】
併せて、既に匿名性の担保への配慮に関する学校の取組について調査しているところであるが、来年度以降も引き続き定期的に調査し公表すべきである。【平成19年度以降逐次実施】
また、学校教育活動に関する児童生徒・保護者による評価を行うことを促すための具体的な方策について検討すべきである。【平成19 年度より検討開始】
B 私立学校における児童生徒・保護者による教員評価制度・学校評価制度の確立
  私立学校においても、公立学校と同様の事項について、当該学校の実状や独自性に十分配慮した上で、授業や学級経営、生徒指導等を含む、学校教育活動に関する児童生徒・保護者による評価をその匿名性の担保に公立学校同様配慮しつつ、学校評価の一環として実施し、その評価結果を適切に取りまとめ、個人情報に配慮した上でホームページ等で公表するよう促すべきである。【平成18 年度中に措置】
併せて、既に匿名性の担保への配慮に関する学校の取組について調査しているところであるが、来年度以降も引き続き定期的に調査し公表すべきである。【平成19年度以降逐次実施】
C 条件附採用期間の制度運用及び分限処分の判定
  同「3か年計画(再改定)」によれば、条件附採用制度については、真に教育者としての適性のある資質の高い者のみが本採用されることとなるよう、児童生徒・保護者による評価等を踏まえ、その厳正な運用を文書により促すこととされている。
また、児童生徒・保護者による評価等を踏まえた、分限処分とすべき教員を判定するための運用指針の策定を促すこととされている。しかしながら、都道府県教育委員会等におけるこれらの理解が十分でないことから、同「3か年計画(再改定)」の内容が着実に理解されるよう改めて周知徹底すべきである。【平成18 年度中に措置】
併せて、都道府県教育委員会等の取組について、必要に応じて調査し、結果を公表すべきである。【平成19 年度以降逐次措置】
D 全国学力・学習状況調査における学校毎の結果公表等
  全国的な学力調査の実施については、「3か年計画(再改定)」において、「学力調査結果の取り扱いについては、適切に学校や教員の学力向上努力が促されることとなるよう努めるとともに、子どもたちに学習意欲の向上に向けた動機付けを与えるものとする」とされている。つまり調査結果については、少なくとも教員、校長、教育委員会が情報を共有し、経年変化の比較等、調査結果の活用・分析を通じて、学校ごとの教育施策や教員自身の指導方法の改善に資する資料として活用するよう周知すべきである。【平成19 年度中に検討・結論】
E 教員採用制度改革の更なる推進
  教員免許状を有しない有為で多様な人材の採用選考等、教員登用の複線化を進めることは、教員の資質向上にとって極めて効果的な施策であることから、特別免許状等の授与を前提とした免許状を有しない者の採用選考を行うことについて、積極的に活用するよう、改めて各都道府県教育委員会や学校法人等にさらに周知するとともに、実施状況を定期的に調査すべきである。【逐次措置】
F 教職大学院の修了者の採用・処遇における公平性の確保
  現在、教職大学院については、平成20 年4月以降の開校を目途に制度設計が進んでいるが、各都道府県教育委員会、独自の採用を行う市町村教育委員会及び教職大学院を設置する可能性のある教員養成系大学・学部等に対して、同「3か年計画(再改定)」の内容を周知すべきである。【平成18 年度中に措置】
(2)教育バウチャー構想の実現
  「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」(平成17 年6月21 日閣議決定)においては「我が国の社会の実態や関連の教育制度等を踏まえ、海外事例の実態等を検証しつつ、教育における利用券制度について、その有効性及び問題点の分析など、様々な観点から検討し、重点強化期間内に結論を得る」とされているところであり、教育バウチャー制度について、我が国の社会の実態や関連の教育制度等を踏まえ、海外事例の実態把握、その意義・問題点の分析等様々な観点から、今後更に積極的な研究・検討を行う。【引き続き検討、平成19 年度以降速やかに結論】
(3)教育委員会制度の見直し等
  「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18 年7月7日閣議決定)及び「構造改革特区の第9次提案等に対する政府の対応方針」(平成18 年9月15 日構造改革特別区域推進本部決定)を踏まえ、改正教育基本法の国会論議や教育再生会議の意見も踏まえて、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正を行うものとする。【平成18 年度措置】
@ 審査・評価基準の再構築
ア 科学技術振興機構・文部科学省
審査に当たっては、事前の申請に係る研究計画そのものの評価だけでなく、学術的な研究能力が強く求められる領域においては、研究能力を示す過去の関連論文等の資料の活用を図ったり、過去に助成を受けた研究費に対する学術的・社会的成果など、過去の実績も十分考慮した評価を行うための手法について検討すべきである。また、審査における基準をより客観的で反証可能性のある厳正なものとするため、学術誌の格付け、定評のある賞の受賞経験等の指標を定量化することについて、検討すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
また、複数の研究者がチームを組んで行うような大規模プロジェクト研究においては、個々の研究者の能力の高さだけでなく、優れたマネージメント能力を有する研究者の存在が不可欠である。しかし、優れた研究者が優れた研究マネージャーとは限らず、研究者個人の能力や実績等を基準とする一般的な審査基準では適正な研究費配分が実現されない恐れがある。そのため、審査の基準・手法を明確化・客観化しつつ、主任研究者のマネージメント能力について、十分な審査を行うべきである。【平成19年度中検討・結論】
さらに、明確な目標が設定されている学際的なプロジェクト研究に対する適正な評価を行うためには、個別専門分野ごとの研究成果にとどまらず、プロジェクト全体として、その目標に対して如何に寄与しているかという点や研究マネージメントがしっかりしているか等を客観的に評価することを検討すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
イ 日本学術振興会・文部科学省
審査に当たっては、事前の申請に係る研究計画そのものの評価だけでなく、研究能力を示す過去の関連論文等の資料の活用を図ったり、過去に助成を受けた研究費に対する学術的・社会的成果など、過去の実績も十分考慮した評価を行うための手法について検討すべきである。また、審査における基準をより客観的で反証可能性のある厳正なものとするため、学術誌の格付けやサイテーションの回数、定評のある受賞数等の指標について、定量化を試みつつ、それらも活用した審査を行うべきである。【平成19 年度中検討・結論】
また、複数の研究者がチームを組んで行うような大規模プロジェクト研究においては、個々の研究者の能力の高さだけでなく、優れたマネージメント能力を有する研究者の存在が不可欠である。しかし、優れた研究者が優れた研究マネージャーとは限らず、研究者個人の能力や実績等を基準とする一般的な審査基準では適正な研究費配分が実現されない恐れがある。そのため、審査の基準・手法を明確化・客観化しつつ、主任研究者のマネージメント能力について、十分な審査を行うべきである。【平成19年度中検討・結論】
A 研究効率の概念の導入
ア 科学技術振興機構・文部科学省
科学技術振興調整費、戦略的創造研究推進事業について、研究費の無駄の排除を促し、効率的な研究を推進していくため、総研究費に対してどの程度の研究成果が達成されたか、達成される見込みであるかなどといった観点も踏まえ、制度等の特性に応じて、これを審査や事後評価に活用することを検討すべきである。
その際には、関連する論文の本数や論文掲載誌の格付け、定評のある賞の受賞経験等の指標を定量化することについて、検討すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
イ 日本学術振興会・文部科学省
科学研究費補助金について、研究費の無駄の排除を促し、効率的な研究を推進していくためには、審査・評価基準において、総研究費に対してどの程度の研究成果が達成されたか、達成される見込みであるかなどといった概念を盛り込んでこれを審査や評価に活用すべきである。
その際の研究成果に関しては、審査時と同様に関連する論文の本数や論文掲載誌の格付け、サイテーションの数、定評のある受賞数等の定量化された指標も活用した評価を行うこととするべきである。事前の審査においても、研究費投入額に対していかに大きな成果を上げられるかという観点を審査に取り入れることについて、過去の業績を十分に踏まえ、制度の特性に応じて検討すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
B 研究費の使途の更なる弾力化
ア 科学技術振興機構・文部科学省
科学技術振興調整費の執行に関して、研究開始後により高い研究成果が期待される場合は、研究計画の見直しや費目間・年度間等において研究費の弾力的な執行を一層図るため、その制度の使用実態について検証すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
イ 日本学術振興会・文部科学省
科学研究費補助金の各費目額の変更について、研究者・配分機関双方の事務効率化という観点からも、研究計画の進捗に応じて、交付決定者の承認なしに自由に変更することができる費目間流用の割合を、交付された直接経費の総額の30%にこだわらず検討するとともに、承認手続の円滑化を図るべきである。【平成19 年度中検討・結論】
C 長期的研究振興策の検討
  政策的研究の分野においては、短期的視野に立った研究が必要な場合もあるが、学術的研究の色彩の濃い分野においては、基本的に長期的な研究振興を考慮する必要がある。科学研究費補助金においては、短期的な流行トピックに左右されることなく、分野横断的に研究の基盤となることが期待される研究や短期的には成果の期待できないような研究に対しても配慮した研究費配分がなされるよう、長期的な視点に立ち、明確で理論的・実証的な研究振興策について検討すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
D 追跡評価の促進
ア 科学技術振興機構
同機構において、戦略的創造研究推進事業の追跡評価を行うに当たっては、より定量的・客観的手法が取り入れられるべきであり、追跡評価のための適切な指標や手法について検討を進めるべきである。【平成19 年度中検討・結論】
イ 日本学術振興会・文部科学省
科学研究費補助金を用いて行われる基礎研究等においては、その成果が短期間に確認しづらいこともあり、研究終了後、一定期間経た後にその研究成果から生み出された効果・効用や波及効果を検証することが必要である。そのため、科学研究費補助金に係る追跡評価の在り方を検討し、広く効果の計測につなげていくとともに、より公正性・透明性の高い審査の実現に活かしていくべきである。【平成19 年度中検討・結論】
E 審査・評価者の選定の改善
ア 科学技術振興機構・文部科学省
科学技術振興調整費に係る審査・評価者の選定基準においては、「関連分野の研究実績が優れていること、学会等での活動実績が優れていること」等の抽象的・一般的な基準の設定に止まっており、審査・評価者に求められる能力について、審査・評価の公正性を確保するに足る具体的・客観的な基準とはなっていない。このため、審査・評価者について十分な多様性・中立性・公平性が確保されているかどうかという観点を踏まえ、現行の選定基準について厳格に検証を行うべきである。
なお、戦略的創造研究推進事業についても、上記の趣旨を徹底すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
イ 日本学術振興会
科学研究費補助金について、プログラムの趣旨を踏まえた審査・評価の視点に配慮しつつ、審査・評価等を行う審査・評価者にふさわしい卓越した学識(研究業績等)や判定能力を保持していることの根拠について、博士学位の取得、評価の定まった十分な質・量の研究業績等を踏まえて厳正な審査を行った上で、審査・評価の依頼をすべきである。【平成18 年度以降逐次実施】
F プログラムオフィサーの選定の改善
ア 科学技術振興機構
科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業におけるプログラムオフィサーについて、十分な中立性・公平性が確保されているかどうかという観点を踏まえ、現行の選定基準・手法について厳格に検証を行うべきである。【平成19 年度中検討・結論】
イ 日本学術振興会
日本学術振興会におけるプログラムオフィサーについて、十分な多様性・中立性・公平性が確保されているかどうかという観点を踏まえ、現行の選定基準・手法について厳格に検証を行うべきである。【平成19 年度中検討・結論】
また、日本学術振興会におけるプログラムオフィサーについては、客観的かつ明確な指標も活用しつつ、優れた研究運営・判断能力を有するかどうかについて、厳正に審査すべきである。【平成18 年度以降逐次実施】
G 審査・評価における利害関係者の排除の徹底と多様性の確保
ア 科学技術振興機構・文部科学省
我が国の研究費には巨額の公費が投入されているということを再認識し、納税者たる国民への説明責任が果たされるよう、科学技術振興調整費、戦略的創造研究推進における審査・評価者について、特定の研究者母集団に研究費配分が偏ることのないよう、多様性・中立性を確保するよう選定するとともに、事後的にも検証を行うべきである。【平成19 年度中検討・結論】
イ 日本学術振興会・文部科学省
我が国の研究費には巨額の公費が投入されているということを再認識し、納税者たる国民への説明責任が果たされるよう、科学研究費補助金における審査・評価者について、所属・出身研究機関別(国公私立大学別など)、年齢構成等の観点から多様性を確保するように選定すべく厳密な規定を設けるとともに、論文の共著者、実質的に同じ研究グループに属する者、師弟関係にある者を選定しないこと等、利害関係者の排除をさらに徹底すべきである。【平成19 年度中検討・結論】
@ 農業経営の発展に資する業態に対する支援【平成19 年度措置】
  認定農業者制度は、自ら農業経営の改善を計画的に行おうとする者に対し、重点的に支援措置を講じ、もって効率的かつ安定的な農業経営を育成しようとするものであり、従来、農地の権原を有さず、農作業受託のみを行う者の取扱いが必ずしも明確でなかったところであるが、現下の農業政策が経営の実体に着目した支援を行う方向にシフトしつつあることを踏まえ、先般、コントラクターのような農作業受託のみを行う者であっても、主な基幹作業を受託し、収穫物の処分権を有している等農業経営の実体を有していれば、認定農業者として認められ得るよう措置されたところである。
しかしながら、農業経営の発展のためには、農業経営を営む者のみならず、特定の農作業のみを受託するコントラクターや、契約により農産物の提供を受ける出荷団体などの農業経営に関連する業態についても、様々な形による支援を行うことが必要である。
したがって、こうした農業経営の発展に資する業態に対し、資金調達の円滑化など、それぞれの業態のニーズや実態に応じた支援を強化すべきである。
A 認定農業者制度の運用改善【平成19 年度措置】
ア 認定・再認定審査の透明性の確保
農業経営改善計画の認定に当たって、市町村が独自の判断基準を設けている場合があるが、これが公開されていないため、市町村における認定審査の基準が不透明になり、よく似た経営を営む農業者であっても、認定を受ける市町村が異なった場合、認定にバラツキが生じているケースも見受けられる。
したがって、認定手続きの透明性を確保するために、認定に当たって、市町村が独自の判断基準を設けている場合には、当該基準を公開するよう必要な措置を講ずるべきである。
イ 認定・再認定審査における第三者機関の設置・活用
よく似た経営を営む農業者であっても、認定を受ける市町村が異なった場合、認定にバラツキが生じている状況を改善するため、すでに一部の市町村において実施している認定審査における第三者機関の設置・第三者機関からの意見聴取が全国的に行われるよう、必要な措置を講ずるべきである。
ウ 再認定審査における判断基準の明確化
真に経営努力を継続したもののみが再認定されるよう、再認定においては、経営努力の判断基準として、従前の計画に係る経営規模、所得、労働時間等の目標の達成状況を把握し、その要因を分析した上で、再認定の可否を判断するよう必要な措置を講ずるべきである。
エ 認定取消し措置の適切運用
現在、農林水産省経営局長通知(平成18 年6 月27 日付け18 経営第2053 号)において、市町村は、認定に係る全ての農業経営改善計画について、原則として毎年(少なくとも当該計画の有効期間の中間年には必ず)、当該計画を検証し、取組が不十分である場合は、指導・助言その他の支援を実施することとなっており、それを受けた認定農業者に改善が見られない場合には、「適切に認定の取消しを行うことが望ましい」とされているが、経営改善に取り組む意欲がない農業者を認定農業者として支援することは政策の意図を歪めることになることから、認定の取消しについては、適切に運用されるよう必要な措置を講ずるべきである。
@ 農地政策全般の再構築に係る検証・検討【平成19 年度検討開始】
  農地の流動化及び規模拡大について賃貸借によるものが主流であるという実態を踏まえ、利用集積を加速化するために、所有と利用を分離し、経営的利用をさらに促進し、利用本位の農地政策としていくため、農地政策全般の再構築に向けて検証・検討を行うべきである。
その際には、農地を農地として利用することを前提に、他産業・異分野からの農業参入を促進し、様々な形態や新たなビジネスモデルで農業経営が可能となる観点も念頭に置いて、検証・検討を行うべきである。
A 農地の長期安定利用スキームの設定【平成19 年度措置】
  現状、借地による農地の利用権の設定や賃貸借契約は、10 年未満のものが多くを占めているが、これは、賃貸借期間が最長10 年だという誤解や思い込みによるものであり、民法上の上限期間である20 年までは設定が可能である。したがって、現行制度においても20 年までの利用権の設定や賃貸借契約が可能である旨の周知徹底を図り、設定期間及び契約期間の長期化に取り組むべきである。
B 主体を問わない農地利用の促進【平成19 年度措置】
  経営主体を問わず農地の利用が可能となるよう農地政策を見直すためには、長期間の検討を要することが考えられる。
現在、特定法人貸付事業において、農業生産法人以外の法人であってもリース方式で農地の権利が取得できることとなっているが、参入区域(市町村が、耕作放棄地や耕作放棄地になりそうな農地等が相当程度存在する区域を、参入可能な区域として設定)内であれば農地に制限はないにも拘らず、リースのできる農地が耕作放棄地に限られるといった誤解や農地情報が不足しているといった指摘がある。
農業分野において新規参入の積極化が求められる中、農業経営に意欲的な一般法人の新規参入を促進するため、耕作放棄地以外の農地もリースが可能であることの周知徹底を図るとともに、一般法人の農業参入に資する農地情報を提供する仕組みを構築すべきである。
@ 権限行使における判断の統一化【平成19 年度措置】
  認定農業者に対して重点的に施策を実施するなど、従来の政策からの大きな転換期を迎えている状況を踏まえ、その政策意図を十分に農業委員会に浸透させるとともに、市町村によって異なっている農業委員会の運用や権限行使を是正するため、改めて、農業委員会の権限行使が統一的に運用されるよう、判断基準の周知徹底を図るべきである。
A 委員構成の見直し【平成19 年度措置】
  農業委員会の委員構成は、農業者を母体とする選挙委員(40 人以内)と選任委員(農協、農業共済組合及び土地改良区の代表者各1人以内と学識経験者4人以内)とされているため、大半の農業委員会においては、選任委員数が少ない状況にある。
農業委員には、地元の農業の状況に深い理解のある農業者の存在は不可欠であるが、農業委員会が、中立性を確保し構造改革を促進する組織として機能を発揮するためには、選任委員に中立的な第三者である学識経験者が参加できるよう改めるべきである。
また、農業委員の被選挙権は「都府県にあつては十アール、北海道にあつては三十アール以上の農地につき耕作の業務を営む者」にあるが、農業委員会が農用地の利用関係の調整等を進めて行くに当たっては、農地の出し手や小規模農家の意向を踏まえつつも、その権能を行使する農業委員には、「農業経営の改善に取り組む意欲のある農業者」、「農業経営のスペシャリストを目指す者」である認定農業者などの今後の農業の担い手となる者を増やしていくべきである。
@ 農協の内部管理態勢の強化
  農協は、本年において2つの農協が公正取引委員会より独占禁止法に基づく不公正な取引方法に該当するおそれがある行為をしたものとして警告を受けたほか、不祥事の発生が多数報道されている。
現在、農協の経済事業をはじめとして改革に向けた取組がなされているが、農協の内部管理態勢についても強化が必要である。
したがって、経済事業をはじめとする改革を推進するとともに、農協は組合員に奉仕するという本旨を徹底し、コンプライアンス態勢の強化や業務の効率性、財務報告の信頼性を確保するためにも、引き続き内部統制の強化に取り組むべきである。【平成19 年度以降逐次実施】
特に、コンプライアンス態勢については、コンプライアンス委員会の設置などその強化が早期に図られるよう必要な措置を講ずるべきである。【平成19 年度措置】
A 農協の不公正な取引方法等への対応強化【平成19年度措置】
  「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」(平成18年3月31日閣議決定)において、「農協については、例えば組合員である農家への融資に際して自己からの機材の購入等を条件にするといった不公正な取引が独占禁止法の審決・警告に至った例が複数あるため、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当するおそれがある農協の行為を示した独占禁止法上のガイドラインを作成する。【平成17年度中に結論、平成18年度中に措置】」とされていることについて、確実に実施するべきである。
そして、上記ガイドラインについて、公正取引委員会、農林水産省等の関係機関は、協力して、農協、農協組合員、農業者の組織する団体等に対し、説明会の開催やそれらの者が実施する研修への協力等を通して、周知徹底を図るべきである。
また、同計画において、「農協の指導機関である全中や実際に事業を行う全農が、上記ガイドラインを個別の事業に当てはめて、各農協がルールを逸脱することがないように分かりやすく解説した指針を策定し各農協へ指導を徹底するよう、所要の措置を講ずる。さらに、不公正な取引を行った農協に対し、現行の独占禁止法による措置のみでは十分ではないと認められる場合には、再発防止等の措置について、農業協同組合法による行政処分も含め、適正に対処するよう所管行政庁において徹底する。」とされていることについては、平成19年度以降も逐次実施すべきである。
さらに、公正取引委員会、農林水産省等の関係機関は、農協組合員、農業者の組織する団体等が農協に関する苦情について情報提供したり、農協が法令順守の観点から相談したりしやすくするため、農協、農協組合員、農業者の組織する団体等に対して、苦情受付・相談方法及び相談窓口の周知徹底を図るとともに、苦情・相談について協力して対応するなど、所要の措置を講ずべきである。
B 公正な競争条件の確保【逐次実施】
  農業分野全般において、不公正な取引方法、不当な価格の引上げが行われないよう、独占禁止法違反の取締の強化を図るべきである。
C 農協経営の透明化に向けたディスクロージャーの改善【平成19 年度措置】
  経済事業改革をはじめとする改革を推進し、真に組合員に選択される農協となるため、農協経営の透明化は喫緊の課題であり、事業の運営・管理においては、現状を正確に把握し迅速に公開していくなど、より一層の透明性を確保しなければならない。
ア 業務及び財産に関する説明書類の様式統一
農業協同組合法(昭和22 年法律第132 号)第54 条の3において、信用事業又は共済事業を行う組合は、事業年度毎に業務及び財産の状況に関する説明書類(以下「説明書類」という。)を作成し、当該組合の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならないとされている。
しかし、説明書類に記載すべき事項は、農業協同組合法施行規則(平成17 年農林水産省令第27 号)第204 条(単体)及び第205 条(連結)において規定されているが、具体的な様式は定められておらず、必ずしも統一性が確保されていない。
したがって、全中が他の金融機関におけるディスクロージャーの状況を参考としつつ、説明書類の雛形を作成し、周知するなど一層の比較可能性を高めるよう所要の措置を講ずるべきである。
イ ディスクロージャーにおけるインターネットの活用
説明書類については、銀行や協同組織金融機関の多くがインターネットを活用しホームページで公開しているところである。組合員、貯金者等に対する情報開示を迅速に行うためにも、農協は、他の金融機関におけるホームページ上での説明書類の公開状況を参考としつつ、ホームページへの説明書類の掲載等、組合員、貯金者等の利便性に応じた公開方法で自主的開示を行うことが必要である。この自主的開示について、全中が農協に対し指導するよう、必要な措置を講ずるべきである。
ウ 組合員等に対する情報開示の拡大
現在、信用事業又は共済事業を行う組合については、部門別損益計算書の総会報告や説明書類の縦覧が義務付けられているが、部門別損益計算書や行政庁への報告書類として作成されているキャッシュ・フロー計算書は説明書類に含まれておらず一般に開示されていない。
したがって、全中が部門別損益計算書やキャッシュ・フロー計算書の一般への開示、更なる部門別の資産の情報提供を指導するなど、自主的な情報開示が促進されるよう必要な措置を講ずるべきである。
D 中央会監査の在り方についての検討【平成19 年度検討開始】
  全中は昭和29 年に、JAグループの独立的な総合指導機関として設立され、その役割は「全国の農業協同組合及び農業協同組合連合会の運営に関する共通の方針を確立してその普及徹底に努め、もって組合の健全な発展を図る」と定款に定めている。
金融市場においては粉飾会計事件の多発を理由に会計監査の強化が求められており、相互扶助組織であり、かつ系統組織の形態を採用している農協においても一層の経営の透明性が求められている。
JAグループ内において監査体制を構築し、その実施に努力してきた取組については一定の評価がなされるものの、今後、適切に行うべき指導と一般的に求められる監査をより一層的確に実施していくことが必要である。
したがって、全中の一組織であるJA全国監査機構が実施している中央会監査について、様々な角度から、組合員、貯金者等が納得する監査の在り方について検討を行うべきである。
@ 中小企業信用保険における対象事業の見直しと農業信用保証保険との連携強化による農業経営者等の資金調達の円滑化の促進
  中小企業信用保険では、農業、林業、漁業等が信用保険の対象外とされているが、農産物の生産以外に製造加工を行っている場合や、きのこ生産事業やもやし栽培業などの生産設備を要する事業は、食品製造業として扱われるため保険の対象となっており、基本的には農業等を保険の対象外としながらも、製造や加工を伴う場合には限定的に保険の対象としている状況にある。
他方、生産に止まらず加工・営業・販売までの経営を行い、顧客開拓・販売に必要な運転資金及び生産基盤(農地・耕作機械等)の拡大に必要な設備資金の調達を、農協以外の金融機関に求める農業経営者が増加しているが、信用及び担保面において中小企業と全く同様の不足が生じており、農協以外の金融機関からの資金調達が困難となっている事例が見受けられる。
そうした多角的農業経営者等を育成・支援するため、中小企業信用保険と農業信用保証保険の連携を強化するとともに、中小企業信用保険における対象事業について、必要な見直しを検討するべきである。
ア 中小企業信用保険と農業信用保証保険の連携強化【平成19 年度措置】
農協以外の金融機関からの資金調達を求める農業経営者が信用保証協会の保証利用を希望した場合等で、信用保証協会において引受けの可否の判断がつかないような場合には、農業信用基金協会に連絡、相談するなど、農業経営者の資金調達の円滑化が図られるよう中小企業信用保険と農業信用保証保険の連携の強化を図るべきである。
イ 多角的農業経営者等への信用保険の在り方に関する検討【平成19 年度検討、平成20 年度結論】
現在、信用保険の対象となる農業関連事業者は、@きのこ生産事業やもやし栽培業などの生産設備を要する事業者、A生産のみならず、加工・販売業まで行っている事業者、に限定しているが、昨今の農業の多様化に伴い、多角的農業経営者等の信用保険へのニーズを把握するとともに、農林水産省とも協議の上、必要に応じ対応を検討するべきである。
ウ 農業サポート事業を信用保険の対象とすることの検討【平成19 年度検討、平成20 年度結論】
建設業者が農作業の一部を受注するようなケースが増加している。このような農業サポート事業への新規参入が積極化するよう、他産業から農業サポート事業に参入した事業者が信用保険の対象とすることについての必要性・妥当性について検討を行うべきである。
A 農業信用保証保険制度の対象融資機関の拡大【平成19 年度検討・結論、引き続き措置】
  農業信用保証保険制度においては、対象融資機関に銀行・信用金庫を認めており、銀行等民間金融機関の利用者にも配慮した仕組みとなっているものの、地域金融機関等において農業分野への参入が増えている状況を踏まえ、さらなる参入促進に向けた必要な見直しを行うべきである。
ア 対象融資機関の拡大
現在、農業信用保証保険制度においては、農協以外にも銀行、信用金庫等が対象融資機関となっているが、信用組合は対象融資機関となっていない。これを改め、信用組合も農業信用保証保険制度の利用対象融資機関とする方向で見直すべきである。
イ 農協以外の民間金融機関に対する農業信用保証保険制度の周知
地域金融機関等において農業分野への参入が増えているものの、農協以外の民間金融機関の農業信用保証保険制度の利用が進んでいない状況にある。
これは、農業信用保証保険制度の情報提供不足や、農業信用保証保険制度が農協系統機関専用の信用保証保険制度であるという誤解によるところも少なくないものと考えられる。
したがって、農業信用保証保険制度について、農協以外の民間金融機関に周知徹底を図るべく、情報提供等を積極化すべきである。
@ 情報開示の促進【平成19 年度措置】
  掛金の設定や損害補償金の算出根拠、また、加入要件の地域差に関する合理的説明など、加入者の理解が得られるよう、徹底した情報開示を促進すべきである。
A 栽培管理能力等に応じた掛金の設定【平成19 年度措置】
  農業者の栽培管理能力には大きな差があり、それによって、当然、災害等による影響や被害の度合が異なる。また、新たな農業技術を取り入れているか否かによっても、災害等による影響や被害の度合が異なる。
農業共済制度では、共済金額についても個人選択の途が開かれているが、さらなる選択肢を広げるため、現在、十分に活用されていない「環境や要素を踏まえて個々の農業者ごとに被害実態に応じた掛金率を設定するシステム」について、各共済組合が活用するよう促すべきである。
また、そのシステムや防災施設の設置状況等栽培管理技術による掛金の割引について、周知徹底を図るべきである。
B 選択の自由度の向上【平成19 年度措置】
  農業共済制度の目的は、農業災害補償法(昭和22 年12 月15 日法律第185 号)第1条に「農業災害補償は、農業者が不慮の事故に因つて受けることのある損失を補填して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資することを目的とする」とあるが、本来、経営というのは、自主・自律が原則であり、リスクや競争にどのように対処するかを経営者が自ら考え、経営戦略を実行していくことが求められる。
したがって、リスクにどのように対処するかは、経営者の判断により決定するべきものであり、本制度も農業経営者にとっては、リスクヘッジ手段の一つの選択肢として位置付け、農業者の選択の自由度の向上を図るため、「引受方式及び補償割合を農家が選択できる仕組み」について周知徹底を図るとともに、各共済組合が組合員農家のニーズを踏まえて、できるだけ多くの選択肢を共済規程に盛り込むように促すべきである。
@ 農薬検査所【平成18 年度検討開始、平成19 年度措置】
  農薬の登録については、安全性の担保等を理由に国が果たすべき役割として様々な検査が行われているが、他方で農薬の登録に要する期間が長期に及ぶことから、農業生産の効率化に向けその期間短縮、簡素化が求められているところである。
このため、農薬検査所において数値目標を設定すること等により検査の効率化に努めるとともに、関係行政機関と連携して農薬の登録に要する期間の短縮に取り組むべきである。
また、現在、薬効・薬害試験等農薬の登録申請に用いられる各種試験成績の一部には、都道府県の農業試験場等の公的機関において試験したものの提出が求められているが、期間短縮を図る観点から、信頼性を確保できる民間機関による試験を認めるなど民間開放を推進すべきである。
さらに、農薬の適用病害虫の適用拡大については、いまだ適用拡大について改良の余地があるため、さらなる適用拡大を認めるべきである。
A 肥飼料検査所【平成19 年度措置】
  普通肥料の銘柄登録については、安全性の担保等を理由に国が果たすべき役割として検査が行われている。
これまでも、業務の効率化による審査期間の短縮、業務のアウトソーシングの推進等の取組が行われているところであるが、普通肥料の生産業者の一層の負担軽減を図る観点から、原材料や生産工程・これまでの科学的知見を踏まえ、普通肥料のうち可能なものは更新期間を6年間に延長すべきである。
B 種苗管理センター【平成19 年度措置】
  品種登録については、区別性、均一性、安定性を厳格に審査するため、栽培試験における再試験率が高くなっているが、登録の遅延は、申請者において得るべき育成者権が早期に得られないといったリスクを内包している状態にある。
このため、再試験が必要とされる理由を明確に申請者に説明するとともに、申請者においてその説明に疑問があれば、意見交換を行うなどの透明性の高い対応の仕組みを確立すべきである。
また、品種登録業務の民間開放については、業務の一部である栽培試験においてのみ民間開放がなされているが、「規制改革・民間開放推進3か年計画(改定)」(平成17 年3 月25 日閣議決定)において、「品種登録は、出願された品種について、他の者の利用を排除する排他的独占権がある育成者権を付与するものであるため、高いレベルの中立性及び公平性の担保が求められるものであると主張されている。しかしながら、中立性及び公正性の保持義務を制度上又は契約上課すことによって十分にこれらを担保できるものである。したがって、栽培試験の委託等、品種登録業務の民間開放を推進する。【平成17 年度中に措置】」とされていることから、栽培試験のみならず、さらなる品種登録業務の民間開放を推進するべきである。
さらに、原原種生産については、民間参入に係る規制は存在しないものの、おおもととなる健全無病な原原種を確実に生産し、安定的に供給するには相当のコストを要するため、種苗管理センターでは多額の公費投入により原原種生産が行われている。同センターの原原種生産は、知事がまとめた生産者団体等の要望を踏まえた生産計画により行われているが、日本の農産物の競争力向上のため、さらにマーケットのニーズに的確に対応することが重要である。現在、同センターの中期計画において、原原種生産の部分的な民間移行が検討されているが、日本の農産物の競争力を高めるためにも、民間企業において生産意欲のある原原種については、安定供給の確保を図りつつ、民間移行を確実にかつ早期に行うべきである。
なお、その結果、同センターが引き続き生産を行う原原種についても、生産意欲のある民間企業が現れ、安定供給の確保が図られる場合は、その企業への原原種生産の移行を行うべきである。
@ 農業研修への支援の充実【平成19 年度措置】
  新規創業を積極化させるためには、農業技術の習得、農業現場における人脈形成、また、農地情報の取得などの支援を充実させる必要がある。
したがって、農業者における受入研修について、創業意欲及び参入意欲のある者が研修を受けやすくし、かつ、研修を受入れる農業者の負担を軽減するよう、支援措置を充実すべきである。
さらに、企業等の農業参入法人に対する研修についても、支援を充実するなど必要な措置を講ずるべきである。
A 創業支援融資制度の充実【平成19 年度措置】
  従来の農業分野における一般的な参入形態としては、親から子へ農業基盤を引き継ぐ「就農」が主であったため、農地や耕作機械等においても特段新たに整備する必要はなかったことから、農業金融における創業資金に対するニーズが顕在化しなかったという事情がある。
他方、中小企業の創業支援においては、政策金融においても、民間金融分野においても様々な融資制度が用意されており、また、それを利用しやすい環境が整備されている。
ところが経営として農業を行う者、また、経営として農業を行う計画をしている者が増加しており、農業金融においても「就農」だけではなく「創業」を含め支援していく必要がある。これらの新規創業を積極化させるためには、創業時に要する資金調達を支援するのも一つの策であることから、農業金融における創業支援融資制度の充実を図るべきである。
なお、創業支援融資制度の充実にあたっては、農協以外の民間金融機関の参入も促進されるような制度設計を行うべきである。
B 中小企業政策との連携【平成19 年度措置】
  中小企業政策においては、創業を支援し、また、企業連携やビジネスマッチングなどビジネス機会の提供を積極的に支援しており、さらには、中小企業の活動にかかる様々な助成や情報提供などを行っている。
今後、農業についても、他の業種と同様、経営者を育成・支援し産業力を強化させるためには、創業支援の実施、ビジネス機会及び支援情報の提供が不可欠である。
さらに、他業種との連携を図り、農業における生産活動以降のマーケティング・営業・販売活動を強化することも重要である。
ア 支援施策の周知徹底
現在、農業分野の課題について工業分野の技術をマッチングする農業連携の推進やその支援措置の提供などが、農政部局と中小企業政策部局の連携により行われているが、これらの活動について、農業分野において新事業の開拓や新技術の開発を目指す者への情報提供をさらに充実するなど周知徹底を図るべきである。
イ 多角的な農業経営の支援に向けた連携強化
生産に止まらず加工・営業・販売まで行う多角的な農業経営の増加により、農業と他の産業の区別が困難となっている。現在、農工連携など施策の推進においては、農政部局と中小企業政策部局の連携が図られているが、流通・サービス産業分野とのマッチングによる販路拡大や人材育成、海外展開など、さらに連携を図りながら、支援策を講じていくべきである。
なお、いまだ、各部局の農業の捉え方が従来の生産活動をメインとした農業を前提としている場合が少なくないことから、生産から加工販売に至る活動を一連のものとして取り組む農業経営者について、結果的に支援が受けられない部分が出てくるおそれがある。
多角的な農業経営を目指す者は、生産から加工や販売までの過程を一連の経営活動として捉えており、これらをサポートするためには、経営全般への支援が必要となることから、双方の部局においては、経営の全般を支援するという観点から、連携を強化し支援策を講じていくべきである。
(9)集落営農の組織化に伴う農地の利用調整問題について
  認定農業者と集落営農組織は、制度的に同列の扱いであるが、認定農業者等が規模拡大を図った後から集落営農の組織化が行われる場合に、農地の利用調整が円滑に行われず、認定農業者等が農地の返還を求められる場合がある。
現在、農地の返還を求められている者は、経営破綻を強いられる可能性があるだけでなく、例え解決したとしても、来期の計画(作付面積の確保、種・肥料の手配等)が立てられない状態が継続しているため、来期の経営に大きな損害を被る可能性がある。
したがって、これまで規模拡大を行ってきた認定農業者等にも配慮しつつ、地域の関係者間で十分に話し合いを行うことを基本としながら、それでも調整が困難な場合においては、国が直接耳を傾け、制度運営上の誤解があれば解くとともに、法令違反に該当するおそれのある行為があれば指導するなど、当該問題の解決に向けた必要な取組を行うべきである。【平成18 年度措置】
(1)不動産取引価格情報開示の推進
  不動産取引をめぐる価格等の不透明性のイメージを払拭し、取引の円滑化と公正性の確保を図り、透明性・信頼性の高い不動産市場の促進をすることは、これまで以上にその重要性を増している。不動産投資信託(J-REIT)の運用資産総額が5兆円に達するなど、取引における情報開示が進む不動産証券化市場が拡大する中で、一般の不動産取引においても、今年の4月からインターネットを通じた開示システムが運用を開始し、半年間でアクセス数が1,350 万件を超える等、一定の成果を得ている。
@ 現状取引に関するアンケートについての回収率は25%程度と低い水準にとどまっており、「情報は見たいが、自分の情報は開示したくない」という傾向が顕著であるため、今後は情報公開の公益性や社会的責任などを国民に浸透させるよう努めるとともに、回収率向上のための施策を検討するべきである。【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
A 取引価格情報提供制度について検討する際には、EDINET やJ-REIT の情報とリンクを張る、あるいは、一体的にそういう情報も取り入れて提供するなど、価格情報を提供する全体の体系の中で情報を充実させる方策についても検討すべきである。【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
B 提供される内容について、駅までの距離や用途地域など周辺環境等の状況がわかるものとし、それらを、地図上で重ねて見ることができるようにしたり、容積率のデータや前面道路のデータを入れるなど使い勝手のよいものとする方策についても検討すべきである。【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
C 取引情報は個人情報を多分に含むことに留意しつつ、まずは地方公共団体の地価担当部局と取引情報の共有化を図るべきである。さらに、取引に関するアンケート調査の回収率の動向を踏まえながら、景観価値の分析等政策目的の範囲内で行政内部で横断的に情報を共有することについて、検討すべきである。【平成19 年度措置】
(2)登記制度の運用改善
  従来、不動産の売買において、「甲(売主)→乙(転売者)→丙(買主)」という取引の場合、登記官の形式的審査権の下で「甲→丙」という所謂「中間省略登記」が結果として少なからず行われていたとの指摘があるが、平成16 年の不動産登記法の改正により、不動産の所有権の移転登記に際しては登記原因証明情報を提供することが必須のものとされたため、上記のような取引により登記の申請をする場合には、添付された登記原因証明情報の内容から「甲→乙」「乙→丙」の2つの権利変動が実体上あることが明らかとなることとなった。したがって、不動産登記の規定に従い、この実体上の権利変動を公示するため、「甲→乙」「乙→丙」と順次所有権の移転の登記をしなければならないことになり、前記のような登記が行われるということはなくなった。
所有権の登記の申請は民法上の義務とはなっておらず、また、甲乙丙三者の合意がある場合には、最高裁判例(昭和40 年9月21 日判決)においても「甲→丙」への移転の登記請求権が認められているため、登記行政の運用と判例との整合性について指摘もされている。多くの場合、乙は第三者への対抗要件を必要としておらず、また登記をする場合にはその費用を転売価格に上乗せしているため、丙の費用負担が増えることになる。
しかし、第三者のためにする契約等、一定の類型の契約により実体上も「甲→丙」と直接所有権が移転した場合には、現在の制度の下においても「甲→丙」と直接移転登記を申請することができる。もっとも、現状においては、甲乙丙三者が売買に介在する場合、乙が所有権を取得していないにもかかわらず、「中間省略登記的だ」との理由から、乙に所有権移転をしないといけないのではないかとの疑義が生じるなど、現場の混乱も少なからず見受けられる。
そこで、当会議は、不動産登記法改正前と実質的に同様の不動産登記の形態を実現し、現場の取引費用の低減ニーズに応えるとともに、不動産の流動化、土地の有効利用を促進する観点から、不動産登記制度を所管する法務省との間で、甲乙丙三者が売買等に関与する場合であっても、実体上、所有権が「甲→丙」と直接移転し、中間者乙を経由しないことになる類型の契約に該当する「第三者のためにする売買契約の売主から当該第三者への直接の所有権の移転登記」又は「買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転登記」の各申請の可否につき、具体的な登記原因証明情報を明示した上で、いずれも可能である旨を確認した。
ついては、現場における取扱いについて、誤解や不一致が生ずることのないよう、各登記所や日本司法書士会連合会、不動産取引の関連団体を通じて、登記官、司法書士、不動産取引の当事者、関係者に対して上記の照会回答の内容を周知すべきある。【平成18 年度措置】
@ 紛争防止、解決へ向けたルールづくり【平成18 年度検討開始、平成20 年度結論】
  賃貸住宅における紛争の防止、速やかな解決を図るため、連帯保証人や各種一時金などの市場慣行について実態調査を行い、消費者に対し情報提供するとともに、実態調査結果を踏まえて賃貸住宅標準契約書の見直しを行うべきである。
その際、紛争の原因として最も件数の多い原状回復については、標準的な損耗の範囲を具体化するなど、賃貸人、賃借人の間の合意形成に有効な方策について併せて検討すべきである。
また紛争解決の防止、解決の具体的な手段として、定期借家、保険、債務保証や裁判外紛争処理等を活用する方策について具体的に検討を進めるべきである。
A 持家ストックの有効活用【平成18 年度検討開始、平成19 年度結論】
  ファミリー向けの広い賃貸住宅は依然として不足しており、借家に居住する4人以上の世帯の約18%(約46 万世帯)が最低居住水準未満となっている。一方で、今後、高齢化社会が進む中で、高齢者の住み替えに伴う持家の賃貸化は、進むものと思われる。これらの問題の解決策として、持家ストックの賃貸化を促進し、ファミリー向けの賃貸住宅として有効活用する方策について検討すべきである。その際、継続的・安定的な家賃収入が得られ、一定期間後に自分のもとへ帰ってくることを前提とし、持家ストックの賃貸化促進の有効策と考えられる定期借家制度の活用策について、今後行われる市場調査の結果を踏まえ、検討を進めるべきである。
@ 定期借家制度の見直しについて【平成18 年度以降逐次実施】
  定期借家制度の見直しに関して、居住用建物について当事者が合意した場合における定期借家契約への切替えは良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法(平成11 年法律第153 号)において禁止されているが、同法の規定により施行後4年を目途に居住用建物賃貸借の在り方について見直しをして、同法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされている。また法改正の検討事項として、ア)居住用建物について、当事者が合意した場合には定期借家権への切替えを認めること、イ)定期借家契約締結の際の書面による説明義務の廃止、ウ)居住用定期借家契約に関して借主からの解約権(強行規定)の任意規定化、エ)賃貸人及び賃借人が合意すれば更新手続きだけで契約を延長できる更新型借家契約制度の創設及びその際に契約を公正証書によらずとも締結可能とすること等について議論がなされているところである。所管省庁は、関係省庁と連携しつつ、借家制度運用の実態、制度改正に対するニーズ等に関する調査を踏まえ、定期借家市場の活性化、土地の有効利用を一層図る観点から、論点の整理、具体的な方策の策定に資する情報提供を積極的に行うべきである。
A 正当事由制度の在り方の見直し【平成18 年度以降逐次実施】
  正当事由制度の在り方の見直しに関しても、借地借家法(平成3年法律第90 号)上の正当事由について、ア)建物の使用目的、建替えや再開発等の事情を適切に反映した客観的な要件とすること、イ)立退き料を正当事由の要件として位置づけること及びその客観的な算定基準を明確にすることについて法改正の議論があることを踏まえ、同様に、所管省庁は関係省庁と連携しつつ、借家市場の活性化、土地の有効利用を一層図る観点から、論点の整理、具体的な方策の策定に資する情報提供を積極的に行うべきである。
(5)通勤鉄道における時間差料金制の導入【平成18 年度以降継続的に検討】
  通勤混雑を緩和し快適な通勤を確保するため、オフピーク通勤を推進しピーク時の需要の分散を図る時間差料金の導入は有効である。また、時間差料金制の導入によりオフピーク料金が低廉化すれば、都心商業地へのアクセスがしやすくなるため、都心の活性化や社会資本の有効活用に資することも期待される。
時間差料金制の導入に関しては、平成14 年度以降アンケート調査、ヒアリング、海外事例の調査等が進められてきたが、なお検討すべき点が多い。
このため、時間差料金制の導入に伴う制度的課題、プロセス、政策的意義、技術的課題(ICカード技術の活用の可能性等)、並びに実験的導入の可能性等について、中長期的に都市や住宅、都市基盤施設などの姿がどうあるべきかという国土政策一般における広範な課題を踏まえたうえで、更に検討を進めるべきである。
(6)住宅購入後の瑕疵に対する被害者救済の仕組みの整備【平成18 年度結論、以降速やかに措置】
  瑕疵担保責任の履行の確保に関する保険制度、供託、基金等の仕組みについては、建築物の安全性が適切な費用負担のもとに最大限確保されることとなるよう、リスクに応じた費用負担、消費者、業者のモラルハザードの回避、安全性を高める関係者の努力が促進されることとなるインセンティブの付与、関連情報の開示、不良業者の排除の促進等の観点を踏まえ、検討すべきである。
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