相続紛争回避のための遺言書の事例―50例

相続は、財産の配分をめぐって、遺族どうしの争いが生じやすい行為です。
遺言書などで、事前に財産の配分を決めておくことが、遺族間の争いを避けるために、必要となります。
また、高齢になって、判断能力を失った方の遺言は、無効になる場合があります。
遺言書の作成方法や相続で失敗しないための知識を専門家が助言致します。
遺言書添削の申し込みをした方のみに下記の遺言書事例等のメール相談を受けます
1.遺贈や遺産分割方法の指定―特定の者に相続財産を多くする
  寄与分として本来の相続分と別個に財産を与える。遺言書に具体的な寄与の事実を書いておく。
2.相続人ごとに相続分を指定
3.行方不明者に相続させたくないとき
  失踪宣告や不在者財産管理人の選任も手続きは大変です。
  行方不明者にも遺留分はあるので、遺留分減殺の請求をされた場合には、相続人は相続した財産から遺留分相当額を渡さなければなりません。
4.相続人を廃除したいとき
  被相続人に対して1.虐待をしたとき、2.重大な侮辱をしたとき、3.その他の著しい非行があったときには、その者を相続人から廃除して相続権を奪うことができます。廃除の対象になるのは、遺留分をもつ法定相続人(配偶者、子、父母)だけです。
  遺言による場合は、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をします。廃除された者に子がいれば、子が親に代わって相続(代襲相続)します。
5.妻に相続財産の全部を相続させたい場合
  子どもたちへの希望として、遺留分の主張をしないように書き添えておく
  ただし、遺留分減殺請求をされた場合には、全財産を相続した配偶者はその分を返さなければなりません。そうならないように、理由等を詳細に書くべきです。
6.遺留分減殺の順序を指定
  遺留分減殺請求された場合には、相当分を返還しなければなりません。その際、被相続人はどのような順序で減殺させるのかを遺言で指定することができます。
7.私の死後に、妻の再婚相手に相続財産を渡したくない場合は、遺産分割方法を指定する
8.兄弟姉妹に相続財産を渡したくない場合は、遺言書を残すことが絶対的に必要(兄弟姉妹には遺留分の権利が無い)
9.兄弟姉妹に相続財産を与えたい場合
10.子供に相続財産を与えたくない場合
  子に著しい非行がある場合には遺言で子を相続人から廃除することによって子の相続権を剥奪することもできます。
11.実親に相続財産を与えたい場合
  遺言書に親に財産を与える事情や感謝の気持ちなどをつづり、法定相続人が遺留分減殺請求権を行使しないように配慮を
12.先妻の子よりも後妻の子に多くの相続財産を与えたい場合
  なお、先妻は相続の時点で被相続人の配偶者ではありませんから、相続権はない
13.先妻の子と後妻との相続紛争を回避したいとき
  先妻の子も後妻の子も「嫡出子」であることに変わりはありませんから、法定相続分は同じです。
  先妻の子どもと後妻との関係がうまくいっていないなど、のちのち相続争いになる可能性があるときは、遺言で遺産分割方法の指定をしておく
  実際、私が経験した相談事例で、遺言書が無かったために解決までに相当期間かかりました。(遺産分割・祭祀やお骨の問題)
14.自分の子として認知したい場合
  認知によって嫡出子の2分の1の相続分が認められる
  認知する子の本籍地は、母親の本籍地と同一にする
  子を遺言で認知する場合、それがどこのだれであるかを明確にするため、住所、氏名、生年月日などを明記し、認知する旨を記載します。
  遺言による認知は、相続財産をあてにしていた配偶者や子供など、法定相続人との関係で、相続トラブルとなり、「親子関係不存在確認の訴え」を起こされる場合があります。
  相続人が納得するような事情を遺言書に明記して、トラブルを起こさないための配慮が必要です。
15.認知していない子に相続財産を与えたい場合
  遺言で認知をする必要がある
  非嫡出子の法定相続分は嫡出子の半分となる
  認知されなければ夫の子と確定しませんから、相続権はありません。
16.養子に相続財産を与えたい場合
  普通養子の場合、遺言に記載しなくても実父母の財産を養子に相続させることができるのですが、特別養子の場合、遺言に記載しないと養子に財産を与えることができない。
17.内縁の妻がいるときに相続財産を与えたい場合
  内縁の妻に相続権はないので遺言で財産を遺贈する。
18.親のいない孫に相続財産を与えたい場合
  第三者を財産管理者に指定することもできる
19.甥や姪に相続財産を与えたい場合
  原則として相続権はありません。甥・姪が相続できるのは、自分の親がすでに死亡していて、その代わりに相続(代襲相続)する場合だけです。
20.自分より先に妹が死亡した場合に妹の子に相続財産を与えたい場合
  遺贈をする相手(受遺者―妹)が、遺言者より先に死亡した場合、遺言は無効となり、遺贈するはずであった財産は相続人のものとなります。
  受遺者(妹)の子は、代襲して遺贈を受けることができないので、受遺者(妹)の身内に相続させたい場合は、その旨を明記しておく必要があります。
21.妻の連れ子にも相続財産を与えたい場合
  連れ子には相続権がないので養子縁組していない場合は遺贈する。
  連れ子にも相続させたい場合には、生前に養子縁組を結んでおけば実子と同じように相続分が認められます。
22.生前世話になった息子の妻に相続財産を与えたい場合
  息子の妻と戸籍上の親子関係を結ぶという方法もある
  養子縁組には本人同士の同意と成人2人の証人が必要
23.生前恩を受けた人にも相続財産を与えたい場合
  相続人以外の第三者にも遺贈できる
24.生命保険金の受取人を変えたい時
  遺言で受取人を変更することができるので遺言執行者指定しておく
25.子に妻の老後の世話を頼みたいとき
  負担付遺贈をする
  子に「母親の扶養をすること」という負担をつけて全財産を遺贈する
26.現在の妻に先妻の子の世話を頼みたいとき
  後見人に指定することもできる
  後妻に先妻の子を扶養する義務はないが、子がまだ独立していない場合に「子を扶養する」という負担をつけて後妻に遺贈する。
27.障害のある配偶者に相続財産を多く与えたい場合
  成年後見人の手続きを行うよう記載し、成年後見人の選任について指示
28.認知症の妻に土地と家を遺し後見人を指定する
29.子の後見人を指定したいとき
  後見監督人の指定もできる
30.ペットの世話を頼みたいとき
  現金や預金を負担付遺贈し、ペットの飼育という負担をつけて遺贈する
31.相続人が誰もいないときに、遺贈という形で譲り渡す
  被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者など、被相続人と特別の縁故があった者(特別縁故者)に財産を分け与えることができます。具体的には、一緒に暮らしていた内縁の配偶者や生前に世話になった老人ホームなどが特別縁故者になります。
  それでも財産が残った場合には、国庫に帰属します。つまり、国のものになってしまう
32.遺留分減殺請求をしてほしくない場合
  遺留分を侵害する遺言でも、遺言自体は有効です。
  遺留分減殺請求をするかどうかは相続人の自由ですが、遺留分減殺請求をしてほしくない理由を詳細に書くできです。
33.相続財産の中に寄与分があるとき
  寄与分について最もよくわかっている遺言者が寄与分について遺言書に記載することで、遺言者の想いを汲みとってもらう。
34.妻の扶養を長男に託したいとき
35.特別受益があるとき
  特別受益を差し引かないこと
  相続人が被相続人から婚姻や生計の資本として特別に財産をもらっていた場合には、その分を考慮して相続分を算定します。これを特別受益の制度といいます。特別受益を受けた者は、その分を本来の相続分から差し引かれます。
36.相続財産の中に借金があるとき
  不動産とローンの債務を同一の者に相続させる
37.遺産分割の際にトラブルが予想されるとき
  誰に何を相続させるのかを具体的に決めておく
38.遺産分割を禁止するとき(禁止期間は5年が限度である)
  例として、土地や建物を分割したのでは家業を継続できないという場合には、遺産分割を禁止できます。
39.遺言執行者を指定するとき
  遺言を確実に実行するために選任する
  遺言に1.非嫡出子の認知、2.相続人の廃除とその取消が指定されている場合には、必ず遺言執行者を選ばなければなりません。
40.遺産で一般財団法人を設立するとき
  定款は遺言執行者に作成させる
  一般財団法人を設立するのに主務管庁の許可は不要
  一般財団法人とは、平成20年12月に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」により設立できるようになった法人のことをいいます。
41.公益法人に財産を寄付したいとき
  遺言書には、どの団体に、どの財産を、何のために遺贈するのかを明記します。
42.財産を信託して遺族の財産を管理してもらうとき
  遺言信託を利用する
43.永代供養を受けられるように信託するとき
  信託財産の収益金で支払ってもらうようにする
  期間は一般的には33回忌まで
44.祭祀承継者を指定するとき
  先祖代々の墓地や仏壇などを受け継ぐ人のことを祭祀承継者といいます。だれを祭祀承継者にするかは遺言によっても指定できます。
45.葬儀などの指示をするとき
  葬儀や法要のやり方を遺言書で指示すること
46.会社の運営方法を指示したいとき
47.会社後継者を指名するとき
  株式や持分を相続させる
  法的に議決権を与えることができるだけである
48.事業承継をするとき
49.農地の単独相続の指示をするとき
50.自分の死後、遺族にしてほしいことを伝えるとき